VTR - 1997.11

VTR
VTR
 
開発の狙い

 VTRの開発にあたっては、一般ユーザーの方々にとって最も多く走行する市街地走行(40〜60km/h)での使い勝手を重視し、市街地走行時においてはワイドな5速ミッションによって低・中回転域での豊かなトルク感とエンジンの鼓動感を堪能できる“常用域における良好な使い勝手と、気負わず走る楽しさ”をめざすとともに、ワインディングや高速走行時にはストレスのない吹け上がりによる“スポーティーな走りと、高回転領域で走る楽しさ”をそれぞれ表現することをテーマに、全ての走行条件において、走る楽しさを感じていただける動力性能を求めました。
 また操縦性においては、市街地走行時の良好な取り回し性を確保した上で、ワインディングでの軽快性、高速走行時の安定性の両立をめざしました。

 想定されるお客さまのイメージは、性別・年齢・モーターサイクルの経験度にかかわらず広範なユーザー層を想定しています。エントリーライダーに向けては139kgという乾燥重量と低シート高による取り回しの容易さを、エキスパートライダーには動力性能や操縦性能、そして感覚性能をトータルに楽しんでいただけるモーターサイクルの具現化をめざしました。

 そして具体的な設計にあたっては、単に最高速・最高出力等の限界性能の追求にとどまらず、アイドリング時も含めて、あらゆる速度域でVツインエンジン特有の魅力を堪能していただくことを要件とし、ファイアーストームで高い評価をいただいたピポットレスフレーム特有の軽快でしなやかな操縦性やエンジンのトルク感、また、特徴的な排気音などを、手軽な250ccクラスで、より多くのライダーに、日常の身近な使い勝手の中で楽しんで頂くことを目標といたしました。


ポジショニング



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