V4 VTEC VFR - 2002.01

 

パワーユニット(1)


 New VFRのV4エンジンは高回転域でのパフォーマンスに優れ、そのポテンシャルはスーパーバイクレースを席巻したことで証明されてきました。
 2002年を迎えるにあたって新世代となったVFRはよりダイナミックで強力なスーパースポーツとして、低・中速域でのパワーを増大するとともにノイズと排気ガス中の有害物質を軽減し、Honda伝統のV4が持つパワーをより強化しました。


●V4 VTECシステム

 VFRのエンジンで最大の進化が、V4エンジンでは初のV4 VTECの採用です。これは、低速側では4バルブの内2バルブ(吸気1、排気1)のみを作動し、6,400rpmを境に高速側では4バルブを作動するバルブ制御システムです。作動・休止の切り替えはバルブリフター内のスライドピンを油圧でストロークさせて行っています。

 元々4バルブのエンジンは高回転での吸入流速を抑えることで高出力を得る為のシステムですが、低回転では吸入流速が低下して充填効率が稼げないという問題を持っています。逆に2バルブのエンジンは低回転では吸入流速が稼げますが、高回転では吸入流速が早すぎて出力が稼げません。今回、V4 VTECを採用することで、それらを解消し2バルブと4バルブの良いところを両立させ、どの回転域からもスロットルに瞬時に反応するリニアな加速を実現しています。

 また、低・中速トルクのUP以外にも、特に高速道路等でのクルーズ燃費の向上や2バルブ域での走行騒音の低減といった効果もあります。

 このようにV4 VTECの採用により、クルーズ時は静かで粘り強く、ワインディングでは力強い走りを実現するスーパースポーツとして、New VFRにはまさに最適なエンジンに仕上がっています。

エンジン

エンジン性能曲線

V4 VTEC作動概念図
V4 VTEC作動概念図
低・中回転域
●2バルブ(吸気1排気1)のみが作動。低・中回転にベストな燃焼を実現し、発進時からの力強い加速や巡航走行時のゆとりあるトルクを発揮する。
V4 VTEC作動概念図
高回転域
●6,400rpmに達すると、4バルブすべてがフルに作動。高回転にベストな燃焼を実現し、優れた加速と伸びを発揮する。

直押しバルブ制御機構図

直押しバルブ制御機構図
休止状態(低・中回転域)
●低・中回転域では、リフター内の切り換えピンに設けられた穴をバルブシステムが貫通。カムシャフトの回転によりリフターが上下しても、バルブは休止状態となる。
作動状態(高回転域)
●6,400rpmに達すると切り換えピンに油圧がかかり、切り換えピンがスライドする。切り換えピンがバルブシステムとリフターを結合させ、カムシャフトの回転によりバルブは作動状態になる。


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