VFR - 1998.04

VFR
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はじめに



 1986年ホンダは、新設計の水冷・4サイクル・90度V型4気筒エンジンを搭載し、アルミツインチューブフレームをはじめ数々の最新技術を採用した初代VFR750Fを発表、V4エンジンが発揮するスムーズで力強いパフォーマンス性と、俊敏かつ安定感に溢れるハンドリング特性を兼ね備えたこのモーターサイクルは、幅広い走行条件において高い運動性能と快適性を両立させ、世界のベテランライダーから「スーパースポーツ・ツアラー」「オールラウンダー」と称されるなど、欧米市場を中心に国内においても好調な販売を記録しました。  
 その評価のポイントも、このクラスのスーパースポーツモデルの多くがパフォーマンス性を優先させていたのに対し、VFR750Fはスポーツモデル本来のライディングの楽しさを追求することで、ベテランライダーでも十分に楽しめるモデルとして、パフォーマンス性のみならず、軽快なハンドリング性や長距離ツーリング時の快適性を重視するライダーに広く受け入れられました。

 1990年、VFR750Fは、よりコンパクトなパワーユニットを搭載し、鋳造アルミ製の片持ちスイングアーム「プロアーム」を採用してフルモデルチェンジ。ハンドリング特性とリアホイールのメンテナンス性を向上させるとともに、ハイテクイメージのボディデザインを採用しました。
 その後、1994年には外観デザインを一新しVFR750F(輸出車)は3代目にバトンタッチ。卓越した空力特性を発揮するエアロダイナミックフォルムを採用し、NRを彷彿させるスタイリングでスポーティーイメージをさらに強調しました。
 このように、VFR750Fは、オールラウンドで優れた使い勝手を発揮するモーターサイクルとして、特に欧米市場において高い評価を獲得し進化を重ねてきました。

 こうした欧米市場を中心としたVFR750Fの進化の一方で、昨今の国内の大型自動二輪市場に目を向けてみると、免許制度の改正に伴い、ハイパフォーマンスなリッターバイクが脚光を浴びる一方で、大型自動二輪市場の成熟に伴い本物志向のマインドを持ったユーザーが増加していることも事実です。

 そして今回、こうした本物志向のユーザーから寄せられた、“国内でもオールラウンドに楽しめる、ジャストサイズの大型バイクがほしい”という声に応え、大型バイクのラインナップの一層の充実を図るとともに、'99年から国内で新たに適用される小型自動二輪車(250ccを超える排気量)の排出ガス規制にいち早く適合し、フルモデルチェンジを果たしたVFRを国内で発売いたします。

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