Hornet - 1996.02

HORNET
Hornet
 
スタイリング

 スタイリングの決定にあたっては“楽しいライディングの中に、インパクトある迫力”を開発テーマに、従来のネイキッド・ロードスポーツの枠にとらわれない手法で開発に着手しました。
 第一に、スタイリングの追求の原点がワイドタイヤの採用でした。そして、このワイドタイヤによってもたらされるライディングの楽しさとデザインの外観要素こそ、スタイリングを決定付ける重要なポイントと考え、ここから“足廻りコンシャスなニューバランスデザイン”というHORNETのスタイリングコンセプトが生まれました。

 具体的なデザインワークにあたっては、クラスレスなインパクトと足廻りコンシャスから“ニューバランスデザイン”を創造しました。また今回、250ccとして最適な車格の中にコンパクトなエンジンと力強い足廻り、張り出した部分とくびれた部分がお互いを強調しあうグラマラスなボディを十分に表現するため、従来の手法であるサイドビューのデザインスケッチのみならず、開発当初からダウンビューのスケッチを同時に進行し、徹底したスタイリングの検討を行いました。特に、このダウンビューはライダーがバイクに近づいた時の視線であるため徹底的にこだわりました。そしてその雰囲気から、ネーミングもHORNET=スズメバチに決定しました。

 モックアップの段階では、手のひらの感触や実際に跨っての感覚で細かな確認を重ねながらシェイプを行い、当初の想像以上のボリューム感とスリムさを実現するデザインを完成させました。
 そして、左右に強く張り出したボリューム感のあるフューエルタンクから、流れるように絞り込まれたシートラインへのデザインによって足着き性が向上し、テールに向かって強く絞り込まれたリアカウルと、その右下面に配置させたアップマフラーによって、トルキーレスポンスを強く印象付ける、HORNETならではの機能美を感じさせるデザインとしています。

 そして、これらによってもたらされる抑揚のある外観によって、走りのイメージと強烈なインパクトを持ちながらも、機能を最大限に活かした、HORNETならではの『ニューバランスデザイン』が誕生しました。

Horner
※HORNET(ホーネット):スズメバチに象徴される抑揚のきいたボディラインと併せ、クラスレスな走りの力強さをイメージしたネーミング




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