はじめに


 Hondaは、お客様の生活に役立つ商品の提供を目的に、1958年オートマチック時代の先駆けとして自動遠心クラッチ機構を備え、クラッチ操作無しで運転のできるスーパーカブC100(50cc)を発売。1962年には、油圧無段変速機を搭載したジュノオM85を発売。1977年発売のエアラ(750cc)には、大型二輪車として日本で初めてトルクコンバーターを搭載。さらに1980年発売のタクトにはHonda独自技術の無段変速機構(Vマチック)を採用するなど、様々なオートマチック機構を搭載した二輪車を開発・商品化してきました。

 一方で、Hondaは二輪車が趣味性の高い乗り物として、今後はスポーツ性の高いモデルにもオートマチックの要望が高まってくるものと考え、二輪スポーツモデルにマッチする新たなオートマチック機構の研究開発にも、長年に渡り取り組んできました。こうしたなか、近年では大型二輪免許制度の改正、高速道路二人乗りの解禁、二輪車用ETCの普及など二輪をとりまく利用環境の変化や、二輪車を嗜好する年齢層の変化などにともない、余裕をもった大人の趣味の乗り物として、大型二輪車やAT二輪車に関心が高まってきました。

 こうしたお客様の声に応え、新しいオートバイの楽しみ方を提供するために、Honda独自の技術を採用した新型オートマチックトランスミッションHFT(Human-Friendly Transmission)を搭載し、2005年東京モーターショーでコンセプトモデルとして出品したDN-01をさらに熟成させ、これまでにない新しいコンセプトを具現化した大型二輪スポーツクルーザーとして完成いたしました。この「Discovery of a New Concept」をネーミングの由来としたDN-01は、Hondaの「環境」「安全」技術はもとより「FUN」技術を具現化するモデルとして、新たなモーターサイクルの世界を創造する先駆けになるものと考えています。





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