CRM250R - 1991.03

CRM250R
CRM250R
 
走破性

 フロント・サスペンションには、オフロードでのシャープなハンドリングと高負荷時の衝撃吸収性を大幅に高めるため、CR250Rと同サイズの倒立式の極太(インナーチューブ径φ45mm)高剛性フォークを新たに採用。クッションストロークも280mmから290mmに伸ばすと同時に、フリクションの少ない内部構造にすることによって、極太のスライドパイプを採用しながら、優れた初期作動性をも確保している。さらに、カートリッジタイプのダンパーを採用することによって減衰力の安定化を図り、高負荷時においても優れた減衰力特性を発揮させています。また、圧側に無段階アジャスト機構を装備することで、ライダーの好みや走りのステージに応じた最適な設定をも可能にしています。

フロント・サスペンション減衰力特性図
フロント・サスペンション減衰力特性図
フロント・サスペンションバネレート
フロント・サスペンションバネレート
フロント・フォーク構造図
フロント・フォーク構造図

 リア・サスペンションは、CR250Rでも高性能が実証された、ホンダ独自のデルタ・プロリンクを採用。オンロードでの快適な乗り心地と、オフロードでの優れた走破性を両立させるために、リンクレシオを変更しました。
 また、ダンパーを、φ36mmからCR250Rと同じφ44mmに大径化するとともにアルミ・ダンパーケースを新たに採用することで、熱タフネスを大幅に向上させ、長時間のエンデューロ走行でも熱ダレによる減衰力の低下を大幅に改善し、安定した減衰力を発揮させています。さらに、ホイールトラベル量も280mmから300mmに伸ばし、ビルシュタインタイプのバルブ減衰力特性を向上させるとともに、無段階の圧側アジャスト機構の内部構造をニードル・タイプからブロー・タイプに変更し、より効果的なアジャストができるよう徹底的な見直しを図りました。
 これらにより、エンデューロ走行などの過酷な条件下でも低速はスムーズに、高速はこしのある作動特性とより安定した減衰力を発揮させるとともに、ライダーの好みや路面状態に応じたきめ細やかな調整を可能にしています。また、サスペンション・ストロークのアップにもかかわらずシート高は現行モデルに対しプラス5mmにとどめ、エンデューロ走行での優位性を確保しています。

リア・クッション減衰力特性図
リア・ダンパー構造図
リア・ダンパー構造図
リア・クッション減衰力特性図  
 
リア・スプリング アクスル荷重特性
リア・スプリング アクスル荷重特性

リア・タイヤは、ブロック谷径を小さくしバネ下重量を約600g軽減。同時に、タイヤブロックの高さを10%増加させたことで、悪路でのトラクション性能の向上に寄与しています。

フロント・サスペンションに、倒立式の高剛性フォークを採用したのに伴い、フロント・アクスルは、φ15mmの中実タイプから大径φ17mmの中空タイプに変更。これにより、重量を増加させることなく剛性をアップさせ、シャープなハンドリングと優れた走破性を両立させました。

ブレーキは、コントローラブルで、なおかつ悪条件下でも安定した優れた制動力を発揮する焼結パッド採用の油圧式ディスクブレーキを、前モデルと同様に前・後に装備。さらに、倒立フロント・フォーク採用に対応すると同時に、過酷なエンデューロ走行などでのグランドヒットを軽減させるために、フロント・ブレーキキャリパー・ガードを装着。さらに、フロント・ブレーキホースをキャリパー部より上方に配置するCR250Rで実証されたレイアウトを採用しています。
また、ブレーキキャリパーは前・後共CR250Rと同一で、ディスクプレートはXRと同様の丸穴タイプとし、熱タフネスを向上させています。



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