パワーユニット(2)


■HYPER VTEC の進化
 「HYPER VTEC」は、Honda独自の油圧制御による技術をベースとし、設定した回転数になると1気筒あたりの作動バルブ数を2個から4個へと切り換えるバルブ制御システムです。バルブ数の切り換えは、低・中回転域では吸・排気側ともバルブを1個ずつ休止状態にし、1気筒あたり対角線上に2個のバルブを作動。ベストな吸・排気効率を実現するとともに、力強い加速とトルクを得ています。また、高回転域では1気筒あたり4個のバルブ全てが作動し、4バルブエンジンならではのスムーズで伸びのある出力特性を発揮します。
 バルブの駆動には、従来同様カムがバルブリフターを介してバルブを直接押す「直押し式」を採用。バルブリフター内のスライドピンを油圧でコントロールすることで、バルブリフターからバルブステムへの動作伝達経路を切り換え、バルブの休止/作動を制御します。そのシンプルな構造は、マシンの軽量化や燃焼効率の向上、フリクションの低減などに貢献しています。 
 この「HYPER VTEC」は、2バルブと4バルブの切り換えによる全回転域での優れたパフォーマンスを、初心者からベテランまで幅広いユーザーに体感できるよう進化させながら開発。初代の「HYPER VTEC」では、バルブの切り換えタイミングを6,750rpmに設定し、「HYPER VTEC SPEC II」では初心者でもワイドバンドで4バルブ領域を体感していただくことを目的として、このタイミングを6,300rpmに変更。「HYPER VTEC SPEC III」では巡航走行時の燃費性能の向上を図るため、6速に専用の点火時期マップを加えるとともに、切り換えタイミングを6,300rpmから6,750rpmへと変更するなど進化と熟成を重ねてきました。





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