スタイリングの策定にあたっては、その原点を、1968年に東京モーターショーで
発表し、以降ホンダのフラッグシップとして、長らく世界中のモーターサイクル
ファンに愛され続けている「ドリームCB750FOUR」に求めました。そして、
そのスピリットを現代に受け継いだスタイリングを目指し、それぞれのシリンダー
から伸びる4本のエキゾーストパイプ、車体後方に広がった4本マフラー等、
直4ネイキッドの原点ともいえるディテールを、最新のエンジン技術および車体技術に
よって磨き上げることとしました。そしてコンセプトを
新・ネイキッドスポーツと決定し、開発をスタートさせました。
具体的なデザインワークにあたっては、直列4気筒エンジンの魅力である
存在感・威圧感をストレートに引き出すことをスタイリングの最大のポイントと
しました。そして、集合マフラー全盛の現代にあって、独立した4本のマフラーで
ある、ストレート4エキゾーストシステムを採用することで、現代の
ネイキッド・スポーツカテゴリーに埋没することのない新鮮な個性の主張を
目指しました。
今回のストレート4エキゾーストシステムは、外観デザインのみならず、
直列4気筒エンジンが本来持っている鼓動感や、重厚な排気音という
“4発の味”の表現を最大の目標としています。
この“4発の味”をスタイリング上で表現するために、堂々とした、荒々しい、骨太な、イメージをキーワードに、スケッチを展開しました。
そして、ドリームCB750 FOURの魅力とは何だったのか、を徹底して分析した
結果、
“ただ走るためだけの道具ではない、
主張を持った存在感と虚飾を廃した鉄の塊感”
というイメージが現れました。
そして、このイメージを現代に表現するために、車体を構成する全てのパーツにしっかりとした質感を持たせた上で、車体全体を作り込んでいくというデザイン手法を採用しました。
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