CB400 SUPER FOUR - 1995.03

CB400 SUPER FOUR
CB400 SUPER FOUR
 
フューチャーフォーカス・ヘッドライトの特長

 ヘッドライトの性能は、電球とその光を反射するリフレクターによって決定されます。ヘッドライトの電球自体の性能は、’50年代以来、白熱電球の封入ガスの成分の変更やワット数の増加など、光束向上の技術手法を用いることによって、その明るさは30年間で約3倍に向上していますが、’70年代に欧州の規格品であるH4バルブが国内でも採用されて以来、今日まで性能向上を果たしていないのが実状です。
 一方のリフレクターは、光束の有効活用を目的として、デュアルヘッドライトをはじめマルチリフレクターヘッドライトやプロジェクターヘッドライトなど、理想の配光性についての研究が各機関で進められています。今回のフューチャーフォーカス・ヘッドライトは、1灯で2灯相当の配光性能を得るために、電球とリフレクターの両面から検討を重ね、過去にない全く新しいヘッドライトとしています。以下にその特長と考え方を解説します。

電球の効率と寿命
寿命と効率の関係比較
寿命と効率の関係比較
 電球の明るさをアップするためには、ワット数を上げてフィラメントの温度を高温に保ち、多くの光束を確保する必要がある。しかし、高温ではタングステンの蒸発が激しく、蒸発したタングステンは再びフィラメントに戻ってくるものの、もとの位置に戻ってくるとは限らないため、フィラメントの太さは徐々に不均等になり、最終的には寿命断線に至る。
 そこで、今回のフューチャーフォーカス・ヘッドライトには、ハロゲン電球を採用するとともに、ワット数のアップや、フィラメント形状と内部ガス圧の最適化など、基本仕様から見直すことで高効率と長寿命化を両立させた。

フィラメントレイアウト
ヘッドライトバルブ比較
ヘッドライトバルブ比較
 従来のH4バルブのすれ違いビームは、フィラメント下方のフードによって基本の配光を作り出しているのに対し、今回のフューチャーフォーカス・ヘッドライトでは、コンピュータシミュレーションによって2つのモードに最適なフィラメントレイアウトを算出し、可動フィラメント機構によってフィラメントを上下することで、すれ違いビームのフードを必要とすることなく、従来よりも光束を効果的に使用できる機構としている。

リフレクター
 リフレクターには、コンピュータ・シミュレーションによって決定した高精度の6分割マルチリフレクターを採用。特にすれ違いビームは、フードの廃止によってリフレクター全域の使用が可能となったのをはじめ、反射効率は従来のH4バルブと比較して40%以上向上し、電球の光束増加とともにワイド感のある配光を実現した。
リフレクター レンズ無し配光パターン
ヘッドライトリフレクター



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