S2000のエンジンを開発するに当たり最大のテーマとなったのは、高出力と排出ガス成分の低減を両立させながら、レスポンスを高め、ビハインドアクスル・レイアウト実現などのために、きわめてコンパクトなサイズを実現し、高効率なパワープラントとすることでした。
最高出力250PS/8,300rpm、リッター当たり125馬力、最大トルク22.2kgm/7,500rpmの世界最高水準の高出力は、フリクションを低減する進化したVTEC構造を中心に、ショートストローク化、主運動系往復部重量の低減、低フリクションロス化、高剛性化などによる高回転対応と、充填効率の向上などにより達成。レスポンスは、インテークマニホールド、吸気ポートのストレート化、容量の最適化などにより達成しています。
CO、HC、NOxとも平成12年排出ガス規制値を50%以上下回る低排出ガス化は、触媒の急速な温度上昇を実現する新技術であるマルチポート排気2次エアシステムとメタルハニカム触媒を中心に、コールドスタート時からの効率的な排出ガス浄化技術を構築し達成。しかも10・15モード走行では、12.0km/L(運輸省審査値)の低燃費を実現しました。
また、新VTEC構造にともなうエンジンヘッドの小型化やカムチェーン駆動の採用などにより、きわめて軽量コンパクトなエンジンとし、高効率な車体パッケージングに貢献することもめざしました。 | |
図2. | DOHC
VTECのリッター当たり馬力の時代進化 | |
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