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クォリティ・パフォーマンス〈シャシー/ボディ〉
Quality PERFORMANCE | クォリティ・パフォーマンス〈シャシー/ボディ〉
 
街中でも、高速道路でも、セダンのような安心感のあるハンドリングと優れた乗り心地を両立。
旋回時のハンドリングや高速走行時の直進安定性と、乗り心地を高いレベルで両立し、セダンレベルのより安心感の高い走りを目指しました。そのために、リアサスペンションや燃料タンクを新設計するなど低重心化を徹底したうえで、サスペンションセッティングを突き詰めました。低重心化によりロールを低減したうえで、前後ロールセンター高を前下がりに設定することで、旋回時の姿勢変化を低減し、応答性、安定性を高めています。さらに、ブッシュ類の容量や硬度などの設定、サスペンション取り付け点の高剛性化など、細部にわたって特性を突き詰めることで、安心感の高い操縦安定性と優れた乗り心地を両立しています。
[マクファーソン・ストラット式フロントサスペンション]
スペース効率に優れショートノーズに貢献するマクファーソン・ストラット式を採用。キングピン軸を傾け、キャスタートレール量を大きくすることで、直進性を高めるとともに旋回時の弱アンダーステア傾向を強め安心感を高めています。また、コンプライアンスブッシュを大型化するとともにスプリングの初期ストローク時のバネレートを小さくすることで乗り心地を向上しています。
フロントサスペンション
キャスタートレール量説明図
フロントサスペンション キャスタートレール量 説明図
[H型トーションビーム式リアサスペンション]
■リアサスペンション トーイン制御説明図
リアサスペンション トーイン制御説明図
コンパクトで低床・低重心化に大きく貢献する、H型トーションビーム式を新たに採用しました。旋回時のサイドフォースに対してタイヤがトーイン方向に制御されるようコンプライアンスブッシュの取り付け角度を設定し、さらに、トレーリングアーム取り付け点をホイールセンターよりも下方に配置することで、旋回時のロールに対しても旋回外輪をトーイン方向に制御。低床化を達成しながら、従来モデルのダブルウイッシュボーン式以上の安定性を獲得しています。また、スプリングをホイールセンター付近に配置しトレーリングアーム取り付け点への上下方向の反力を低減するとともに、コンプライアンスブッシュを大型化することで優れた乗り心地も実現しています。
高速走行時の強い横風の影響を受けにくい、優れた走行安定性。
低床・低重心化設計により重心高を40mm低くしたことに加え、新設計サスペンションの採用や前後オーバーハングを短縮したことで、慣性モーメントをヨーイング方向で10%、ローリング方向で18%低減。さらに、ボディにおいては、フロントピラーをなめらかに、リアまわりはサイドを絞り込みルーフも傾斜させた形状とすることで、空気の乱れを抑制しました。これらにより、高速走行時の直進安定性や、特にミニバンでは影響を受けやすい横風に対する安定性を向上しています。
数値はFF車における従来モデル比、Honda測定値

■低重心化およびオーバーハング短縮

低重心化およびオーバーハング短縮

■空力特性向上

空力特性向上
雨の日でもしっかり効くブレーキ。
制動時にフロントへの荷重移動を抑制しリアブレーキの制動効果を高めることで、制動初期の減速度を向上。ドライ路面で約4%、ウェット路面では約10%も制動距離を短縮しています。2.0L車では従来モデルからのタイヤサイズアップによる接地面積拡大も制動距離短縮に貢献しています。

■制動性能向上(100km/h→0km/h時の制動距離)制動性能向上(100km/h→0km/h時の制動距離)

[制動時のリア荷重抜け低減]
重心高を40mm下げ、ホイールベースを50mm延長することで車体のピッチングモーメントを減少。さらに、フロントのアンチダイブ角、リアのアンチリフト角をそれぞれ増加し車体ピッチ角を30%低減。この結果、制動時のフロントへの荷重移動を抑えることでリア荷重抜けを約8%低減し、前後荷重バランスを向上することで制動距離の短縮を実現しています。
数値はFF車における従来モデル比、Honda測定値

■制動時リア荷重抜け低減説明図制動時リア荷重抜け低減説明図

スライドドアやテールゲートの大開口と、優れた走行性能を実現した高剛性ボディ。
スライドドアやテールゲートなどの大開口を支える強固な骨格構造としたうえで、フロントおよびリアを中心に徹底的に補強することで動剛性を向上。セダンレベルの操縦安定性と乗り心地を実現しています。また、ボディの主要骨格部材に軽量で強度の高い高張力鋼板(ハイテン材)を採用したほか、結合強度向上によって部材の薄肉化を可能にするなど軽量化も達成しています。

[フロントまわり]ロアメンバーの追加やバルクヘッド・フレームの閉断面化に加え、フロントピラー付け根にガセットを追加。クロスメンバーを追加しダッシュボードアッパー内を閉断面化したうえでサスペンション取り付け部と結合。

[フロアまわり]フロアのフレームとクロスメンバーの上下幅を結合部で揃え、強度の高い角R部まで溶接し、さらに、フレーム内にクロスメンバーを延長するように補強材を追加。

[スライドドアまわり]センターピラーやクォーターピラーと、ルーフサイドレールやサイドシルとのオーバーラップ量を増やすなど結合部を強化。

[リアまわり]テールゲート開口部を閉断面化するとともに結合部の部材を厚くして強化したほか、ダンパーの前側にスティフナーを追加しホイールハウスとの閉断面構造とするなどサスペンション取り付け部を強化。


■高剛性ボディ構造図 ■動剛性向上
動剛性向上 高剛性ボディ構造図
全席で快適に会話を楽しめる、優れた静粛性。
振動・騒音を発生源で低減したうえで、ボディ骨格やシャシーまわり各部の剛性を高め、エンジンや路面から室内に伝わる振動を効果的に抑制。さらに、室内に侵入するノイズの遮音・吸音処理を適所に施しています。また、風切り音も大幅に低減するなど、すべての席で会話を楽しめる静かで心地よい空間を実現しています。


■遮音・吸音材配置図

遮音・吸音材配置図
■こもり音低減効果
こもり音低減効果
[エンジンノイズの低減]
エンジンの振動を抑える2次バランサーを採用したうえで、軽量な吸音タイプのインシュレーターをダッシュボードおよびインパネ内部に配し、キャビンへのノイズの透過を抑制しています。

[ロードノイズの低減]
サスペンションのアームやダンパーの取り付け点の剛性を徹底的に高めたうえで、従来モデルの約半分に軽量化したメルシートをフロアパネル全面に配置し効果的に制振。また、フロントピラー、センターピラー、リアクォーターピラー内に発泡ウレタンの遮音材を配置したほか、フロントドアシールを従来モデルの分割型から全周一体型とするなどキャビンへのノイズ侵入を効果的に抑制しています。

[風切り音の低減]
空力に優れたボディ形状としたうえで、ボンネットフード後端部やフロントピラー、ドアミラーの形状を最適化し、フラットブレードワイパーを採用することで風をスムーズに後方へ流して風切り音を大幅に低減しています。また、ディーラーオプションのドアバイザーを装着した場合でも、非装着車同等の静粛性を実現しています。

■ウインドノイズ低減技術説明図

ウインドノイズ低減技術説明図



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