PRELUDE - 1991.09

PRELUDE
Prelude

CHASSIS

FFスーパーハンドリングを実現した、プレリュードのサスペンション・チューニング。


サスペンションのポテンシャルを飛躍的に高める新発想、低ロールセンター高。
サスペンションイメージ
新プレリュードのサスペンション・チューニングの最大の特長となるのが、フロント・リアともに大幅に低くされたロールセンター高です。アッパーアームとロアアームのボディ取り付け点を下げることにより、車体のロール中心点を低下。さらにアッパーアームを長くして、接地点軌跡の曲率を減少。路面の不整やサイドフォース、風の影響などによる外乱(ロール・モーメント)に対して車体が不必要に反応することなく、コーナリング時の内輪接地性や乗り心地を向上。さらにロール時のサイドフォースの発生もリニアになり、自然で懐の深いロール感を実現しました。

トレッド変化の減少
■トレッド変化の減少
ロールセンターの低下によって、タイヤの接地点でのトレッド変化が大幅に少なくなり、バンプ時にタイヤに加わる横力(サイド・フォース)が低下。その結果、直進安定性、不整地路安定性の向上、キックバックの減少などの効果を獲得。

車体ジャッキアップの減少
■旋回時における、車体ジャッキアップの減少
旋回時、つまり車体を中心に左右のタイヤへ逆方向の横力が加わる時、外輪には上下の分力が車体を持ち上げる力(ジャッキアップ・フォース)として作用し、内輪では車体を押し下げる力(ジャッキダウン・フォース)として作用。しかし、新プレリュードではロールセンターの低下により、特に横力が大きく加わる外輪のジャッキアップ・フォースが減少し、旋回限界性能やライントレース能力を向上させています。



一つ一つの効果がトータル・ポテンシャルを引き上げる。
新設計のサスペンション・ジオメトリーを採用。

フロントサス
リアサス
フロント・サスペンションとリア・サスペンションが、基本的に同一の構造となっている新プレリュードは、サスペンション・ジオメトリーの見直しについても同様に行い、それぞれの性格に応じてポテンシャルを高めました。
■フロント・ベストキャスター/トレール
ハイパー4WSとのマッチングを考慮し、フロント・サスペンションのハイキャスター/ロートレール化をさらにすすめ、トレール量は6.8mmに設定しました。また、スクラブオフセット量も減少させ、操舵時のしなやかな応答性とリニアなステアリングフィールを得ました。

キャスター/トレール
■リア・マイナスキャスター/トレール
リア・サスペンションについては、トレール量が-37mmと、キャスター軸の延長線が接地点よりも後方に位置するマイナス・トレールを採用。コーナリング中に発生するタイヤサイドフォースによって、タイヤをトーイン方向にコントロールするとともに、ブッシュの最適化など、サスペンション全体の接地感を向上させています。
■ロング・ホイールストローク
懐の深い、しなやかな乗り味をさらに高めるために、前後のサスペンションは、ホイールストロークを大幅に拡大。とくにリバウンド側のストロークを重視(旧型比/フロント+43mm、リア+25mm)し、コーナリング時の路面追従性などと、タイヤ接地性の向上を図りました。

ネガティブ・スクラブオフセット
■フロント・ネガティブ・スクラブオフセット
フロント・サスペンションのスクラブオフセットを見直し、オフセット量をマイナス方向(-1.0mm)とした、ネガティブ・スクラブオフセットを採用し、路面の状態が変化するスプリットμ路でのブレーキスタビリティを向上させました。また、キングピンオフセットも同時に減少させることで、ステアリングへと伝わるキックバックの低減を実現しています。

■リア・ロアアーム・ブッシュチューニング
ロアアームの2つのブッシュ特性を見直し、それぞれを大幅に差別化。サイドフォースによるトーイン量の最適化を図り、リアのしっかり感を向上。レーンチェンジの際の応答性や、旋回時のブレーキング性能もより向上させました。
■操縦安定性と乗り心地を高次元で両立する
 HPV(ホンダ・プログレッシブ・バルブ)ダンパー。

キャビテーションが発生しにくく、高い応答性をもつガス封入式ダンパー。これに、路面からの微振動はスムーズに吸収し、大きな振動はしっかり抑えるHPVの採用とフロントダンパーのシリンダー径を拡大することで、乗り心地の向上と同時に、ロールの収束性やタイヤの接地性も向上、安定性を高めています。



トータルシャシー性能を高める、高剛性テクノロジー。
■新開発の大容量ドライブシャフト・インボードジョイント。
■大幅に剛性を向上させた新開発の大径ステアリングシャフト。



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