PRELUDE - 1991.09

PRELUDE
Prelude

ENGINE

高回転・高出力化テクノロジーを実現した、精緻な技術と新素材。


2次バランサー内蔵、大幅な軽量化と高剛性を実現したFRM(繊維強化合金)アルミシリンダーブロック。
ファイバー・レインフォースド・メタル
FRM:Fiber Reinforced Metal
(ファイバー・レインフォースド・メタル)
DOHC VTECには、NDC(ニューダイキャスト)製法による軽量・高剛性のクローズドデッキ・FRMアルミシリンダーブロックを採用しています。これは、シリンダーブロックの鋳造成型時に、従来使用されてきた鋳鉄ライナーに代わり、シリンダー内面にアルミナ+カーボンのセラミック繊維を分散させて加圧成型。アルミとセラミック繊維からなるFRM層をシリンダー内面に形成し、耐磨耗性・耐焼き付き性に優れた繊維強化合金層をもつ、スリーブレスシリンダーブロックです。この画期的な複合金属技術を実現するために、ホンダは、独自のNDC製法(中圧・低速充填鋳造)をはじめ、製造プロセスを徹底して追求。セラミック繊維の均一分散化や、安定した繊維強化合金層の形成などに成功。シリンダー内面のFRM化によって、大幅な軽量化、ボア間の肉厚の薄肉化が可能となり、エンジン外形サイズを変えることなく、ボア径アップ、IN&EXバルブ径アップを実現。ショートストローク化とともに、高回転・高出力化に大きく寄与しています。さらにクローズドデッキ、ディープスカート構造と相まって小型・軽量化の実現と、高出力にも余裕を持って応える高強度を達成しています。


レーシングエンジンにも匹敵する、高回転・高負荷対応。
超精密鏡面仕上げクランクシャフトを採用。

レーシングエンジン
エンジンの高回転化にともない、軸受負荷の急激な増加にも対応。クランクシャフトの軸表面に、レーシングエンジンにも匹敵する超精密鏡面仕上げを施すことで、耐磨耗性、耐熱信頼性を一段と向上させました。



新開発の高効率アルミラジエター。
軽量・コンパクト化と冷却性能の向上も同時に実現。

高耐蝕性アルミ合金材料の開発により、ラジエターの耐久信頼性を向上。同時にラジエターコアのフィン形状等を最適設計。冷却効率の向上をはかるとともに、大幅な軽量化とコンパクト化を実現。(オートマチック仕様車に採用)


高出力、高回転化に対応して冷却性能を向上、ピストン冷却用一体式オイルジェット。
クーリングオイルラインおよびジェット部分をシンプルに一体化。ピストンの内側に直接オイルを噴射することで、ピストンの耐久性を向上させ燃焼安定性に貢献。さらにピストンの軽量化を可能にし、高回転・高出力エンジンの限界性能を向上させています。


全域スムーズ&パワフル。
高出力・高回転技術を投入した2.2L DOHC 16バルブエンジン。



高い吸・排気効率を発揮する、4シリンダーDOHC 16バルブ方式を採用。
新開発2.2L高性能スポーツエンジン。

新プレリュードがめざす爽快な走りを実現する、もうひとつの高性能。新開発の2.2L DOHC 16バルブエンジン。コンパクトで燃焼効率にすぐれたセンタープラグ・ペントルーフ形燃焼室、ハイバルブリフト、そして高度な吸・排気チューンなど、ホンダDOHCスポーツエンジンの高回転・高出力技術を惜しみなく投入。特性を生かしながら、2.2Lのポテンシャルを存分に引き出したパワフルなエンジンです。さらに、DOHC VTEC搭載車と同様に、低速域と高速域、各々でプライマリーとセカンダリーという2つのポートを切り換える可変デュアルインテークマニホールドを採用。低速から高速まで、自然吸気ならではの心地よい吹け上がりと、トルクフルな走りを実現。豊かな出力特性を発揮します。


滑らかな吹け上がりと静粛性。
アルミシリンダーブロック内蔵2次バランサー機構。



2本のバランサーをクランクシャフトの2倍速で回転。
直列4気筒エンジン特有の2次慣性力に対処。
振動、こもり音を低減する2次バランサー機構。

ピストンなど往復運動部の慣性力によって発生する直列4気筒エンジン特有の2次慣性力を打ち消す2次バランサーを全車に採用。シリンダーブロックに内蔵され、クランクシャフトの両側に平行な状態でセットされた2本のバランスシャフトをクランクシャフトの2倍の速度でそれぞれ逆方向に回転。2次慣性力を打ち消し、振動・騒音を低減させました。
2次バランサー機構 2次バランサー機構イラスト



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