NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
CHASSIS


直接サスペンションを取り付けた、
高精度の大型一体サブフレーム。
世界でも例のない、オールアルミ製の大型一体サブフレーム。
しかも、徹底して贅肉を落としたアルミ鋳造ビームや軽量アルミプレスビーム、アルミ押し出しフレームなど、使用部位の目的に応じて構造とアルミ材そのものを使い分けることで、大幅な軽量化を可能にしています。
構造的には、アッパーアームとロアアームを、一体のサブフレームに取り付けることにより、サスペンションの高い精度を確保。
また、形状の自由度の高い鋳造ビームとサスペンション取り付け点をダイレクトにつなぐアルミロッドにより、充分な剛性も実現しています。

リアサブフレーム
リアサブフレーム

エンジンのあらゆる方向への動きも
がっしり支える、4点式エンジン・マウント。
大容量の防振ゴムを介し、左右2点、前後2点でサブフレーム及びボディ上にエンジンを支持する、新設計のエンジン・マウントです。
急発進やコーナリング時のスロットルワークによるエンジンの動きを規制し、初期からしっかりとおさえこむ特性を各ラバーに与えることにより、スポーツカーらしい、よりダイレクトな走行フィーリングを達成しました。

ハンドリング性能を重要視。
過酷なテストを経て完成した、
前後異サイズタイヤ。
前後異サイズタイヤ NSXは、スタビリティと旋回性能を向上させるため、前後異サイズのタイヤを採用しました。これは、前後輪にかかるそれぞれの荷重を考慮し、前後タイヤのコーナリングパワーのバランスを追求することによって生まれたシステムです。
タイヤサイズの選択にあたっては、まず、NSXの重量と高性能車にふさわしい充分な容量をもつブレーキサイズの決定から始めました。
次いで、重量配分の大きいリアタイヤを、横G1.5Gまでのハードコーナリングを想定しても充分に性能の余裕がある225/50ZR16に決定。これに対してフロントには、荷重配分にふさわしいベストバランスのコーナリングパワーをもつタイヤとして、205/50ZR15に定めました。
ここまでバランスにこだわってフロントタイヤを決定したのは、単に外径合わせだけで定めた場合、M・R方式の重量配分では荷重に対しフロントタイヤの性能が勝り、直進安定性、旋回性能ともに不安定となってしまうからです。
一般的には、これを補うために、フロント・サスペンションやステアリング系の剛性を下げ、フロントをにぶくする手法が用いられますが、ステアリングに対する反応が不確かなものになりがちです。
このためNSXでは、フロント・サスペンションとステアリングの剛性を高くし、正確でダイレクトな手応えを得るため、フロント15インチ・リア16インチという、リム径までも変えた前後異サイズタイヤを開発したのです。
この結果、シャープで軽快でありながら、充分な高性能と、安定性のある旋回性能がもたらされました。また、小径のフロントタイヤはパッケージング上もきわめて有効であり、良好な視界や異和感のないペダルレイアウトも可能にしています。
さらにこのシステムは、前後が異サイズであるだけでなく個々のタイヤが左右非対称であり、4輪すべてが専用設計という、まったく例をみない画期的な方法が用いられています。

駆動力を確実に路面に伝える、
NSX専用の偏平50タイヤ&軽量アルミ鍛造ホイール。
運動性能及びブレーキ性能を向上させるため、専用の偏平50タイヤとアルミ鍛造ホイールを新たに開発しました。
アルミ鍛造ホイールは、その断面を小さくできることと、軽量かつ高強度という特性をもっており、4輪で約6kgの軽量化を実現。バネ下重量を軽減するとともに、キングピン・オフセットを小さくすることにも、貢献しています。高いグリップ性能をもつ高性能タイヤと相まって、NSXの圧倒的な駆動力をフルに引きだします。

コンパクトで収納性に優れた
フォールディングタイプのスペアタイヤ。
通常の格納時には、ショルダー部を折りたたむことにより外径を小さくでき、いざという時にはコンプレッサーで復元できる、フォールディングタイプ。ホイールは軽量の鋳造アルミ。サイズは15インチとし、前後輪ともに空気圧の調整のみで対応できる設定です。   フォールディングタイプのスペアタイヤ




←前のページへ---目次へ---次のページへ→