INTEGRA - 1993.05

INTEGRA
INTEGRA
 

シャシー



Chassis
 

シャシー操行イメージ
 

あたかもクルマとドライバーが
一体となったような、リニアリティある
シャシー性能の追求。
ニュー・インテグラに求めた走る楽しさの具現化を図るため、シャシー開発においては、人とクルマのコミュニケーションを大切にしました。
クルマが走るとき、たとえば加速感、ステアリングの操舵感、シフトチェンジフィーリング、車体の剛性感など、そこには必ず人間に対するさまざまな動的メッセージが生まれ、ドライバーは意識する、しないに拘わらず、それらのメッセージを体感しながら、目や耳からの情報も含めて総合的にクルマをコントロールしています。このメッセージが的確であるか否かは、運転すること、操ることの楽しさに深く関わっています。
そこで、ニュー・インテグラのシャシーはまずメリハリのある明快な動的メッセージを積極的にドライバーに伝えるものでありたいと考えました。その上で、ドライバーの意志に応え、まるで人とクルマが一体となったように走り、曲がり、止まることのできる性能をめざしました。
この実現に向け“高い安定性”と“リニアな応答性”の高次元での両立を核に、シャシー開発に臨みました。
 
シャシーの考え方  
速く心地よい、スポーツの足を求めて。
さらに進化した4輪ダブルウイッシュボーン・
サスペンション。
サスペンションはホンダ熟成の4輪ダブルウイッシュボーン。フロントにはL字型ロアアームを、リアにはコンペンセーターアーム付きのロアアームをもつレイアウトを基本にしながら、ドライバーへの確実なインフォメーション、応答性に優れた正確なコントロール性、高い安定性、外乱に対するタフネス確保をテーマに、徹底して磨き上げました。さらに、乗り心地についても、クルマとの一体感を得られるようなしなやかで心地よいスポーティな乗り味を追求。ダブルウイッシュボーンならではの設計自由度の高さを活かし、人とクルマが一体となったようなリニアリティのある足に仕上げています。
 

フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
(Si VTEC)

フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
(Si VTEC)

 
制動時の高い安定性を実現する、
フロントL字型ロアアーム。
ひとつのビームに一体で取付けられたL字型のロアアーム方式を採用。挙動変化を抑え、安定した制動姿勢を維持。ブレーキング時の高いコントロール性を得ています。また、タイヤからの前後入力を受け止める点を剛性の高い位置に設定することが可能となり、キャビンへの振動伝達を最小限に抑えて乗り心地の向上にも寄与しています。

フロントサスブレーキング時挙動図
フロントサスブレーキング時挙動図

 
直進性を向上する、
フロントのネガティブスクラブ・オフセット。
荒れた路面での走行時や、左右でμが異なる路面でのブレーキング時など、タイヤが外乱を受けた場合にもクルマの挙動を安定させるために、フロントにネガティブスクラブ・オフセットを採用しました。
 
外乱に対しても高いタフネスを発揮する
低ロールセンター高。
各リンクの取付け角の変更によってフロントのロールセンター高を46mm下げる(リアは-17mm)とともに、リバウンドストロークを25mm増加しました。この結果、コーナリング時にも適度なロールを保ち、高い接地性を維持。トラクション性能を高め、荒れた路面でも素直で安定したコーナリングをもたらすと同時に、ステアリングからの確かなインフォメーションを確保します。

低ロールセンター高解説図
低ロールセンター高解説図

 



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