INTEGRA - 1993.05

INTEGRA
INTEGRA
 

トランスミッション



Transmission
 
 

内装
 

1.8L DOHC VTECのエンジン性能を
フルに生かしきる、ダイレクトな
操作感あふれるマニュアルトランスミッション。
「ニュー・インテグラの“走快”な走りを満喫するためには、できればマニュアル車に乗っていただきたい」。トランスミッションの開発には、そんな思いを込めて取り組みました。
めざしたのは、ドライバーと駆動系の一体感の実現。1.8L DOHC VTECエンジンの性能を最大限に生かしきるメカニズムの進化はもちろん、扱いやすく、しかもダイレクトに伝わる操作感といった、数値に表わせない感覚的な性能を向上させることでした。
軽量・コンパクトな1.6L DOHC VTECエンジン用のトランスミッションをベースに、より扱いやすく、よりシフトフィーリングやクラッチフィーリングの良い操作系に熟成。スポーツマインドあふれるマニュアルトランスミッションに仕上げています。
マニュアルトランスミッション
Photo:Si VTEC
ドライバーと駆動系の一体感を演出する、
ショートストローク・高剛性シフトレバー。
スポーツマインドを深めるには、よりダイレクト感のある操作フィーリングを獲得する必要があります。そのため、シフトレバーの開発には、次の点に取り組みました。
シフトレバーのレシオを、5.9→4.7にショートストローク化。
剛性アップのために、チェンジロッド径をアップし、各ジョイントのスパンを広げ、ブッシュを一体成型化することで節度感を向上。
新デザインのシフトノブを採用し、操作性・操作感を向上。
これらの結果、ショートストローク・高剛性のシフトレバーを実現。スピーディで歯切れのよいシフトチェンジを可能にしています。
 
1.8L DOHC VTECエンジンとの
高バランスを実現したギアレシオ設定。
1.6L DOHC VTECの従来モデルに対し、2〜5速を約7%ハイレシオにセッティングしました。その結果、高速走行時のエンジン回転数を抑えることで静粛性や燃費の向上を実現しながら、鋭い加速性を獲得しています。

 

1速

2速

3速

4速

5速

減速比

旧インテグラ
(XSi)

3.230

2.105

1.458

1.107

0.848

4.400

新インテグラ
(Si VTEC)

3.230

1.900

1.360

1.034

0.787

4.400

 

棒グラフ
 

エンジンパワーに対応するために、
細部にわたる耐久信頼性の向上。
デファレンシャルの左右にテーパーローラーベアリングを採用し、より大きな耐荷重性能を確保しました。さらにカウンターシャフト用ベアリングの表面に特殊処理を施し、潤滑性能を向上。エンジンパワーに対してデファレンシャルの大型化も図りました。また、クラッチフィーリングを向上させるために油圧コントロールレリーズを採用し、操作性を高めています。同時にクラッチペダルの振動を低減し、高回転・ハイパワーに対応した設定を行なっています。
 
より人間の感覚に近いシフトフィーリングを
めざした、オートマチックトランスミッション。
1.8L DOHC VTECエンジンのオートマチックトランスミッションには、ローホールド機構付7ポジション電子制御4速オートマチックPROS(プロス)MATEC(マチック)(TypeII)を採用。より人間の感覚に近いシフト制御を実現しています。
■PROSMATEC(TypeII)
オートマチック車のドライバビリティの向上をめざした、知能的な変速スケジューリングシステム、PROSMATEC(TypeII)。D4レンジでの走行において、クルマの走行状況と人間の運転状況をコンピュータが判断し、一部ファジー理論を応用して最適なシフト制御を行ないます。たとえば、登坂路を走行した場合、3速—4速のシフトアップポイントを、ファジー理論に従って無段階に制御。勾配の度合いをきめ細かく判断し、不本意な自動変速を防ぎます。
また、降坂路においては、4速で走行している場合はブレーキ操作の際に3速にシフトダウンし、適度なエンジンブレーキ効果を発揮します。
さらにニュー・インテグラでは、30km/h以下で急な降坂路の場合、2速にまでシフトダウンし、より効果的なエンジンブレーキが得られるよう、新たな制御を加えています。
 

変速パターンの一例です

PROSMATEC:PROGRESSIVE SHIFT SCHEDULE MANAGEMENT TECHNOLOGY
(プログレッシブ・シフト・スケジュール・マネジメント・テクノロジー)

■大容量トルクコンバータ
1.8L DOHC VTECエンジンの低速トルクアップに対応し、トルクコンバータ容量(ポンプ吸収トルク)を大幅アップ。発進時やアクセル踏み込み時の滑り感を低減し、リニアでダイレクトな加速フィーリングを実現しています。
■ギアレシオのワイド化
オートマチックトランスミッションのギアレシオをワイド化し、力強い加速性を確保するとともに、ロックアップ制御のきめ細かい設定とあわせて静粛性や燃費の向上も実現しています。

 

1速

2速

3速

4速

減速比

旧インテグラ
(XSi)

2.647

1.566

1.111

0.810

4.428

新インテグラ
(Si VTEC)

2.722

1.468

0.975

0.638

4.357

ギアレシオのワイド化-某グラフ
 

■ECUの統合化
PGM-FIのECUとオートマチックトランスミッションのECUを、演算処理能力を向上させた1つのユニットに統合。これにより、電源回路、共有入力回路の1本化および、通信回路の削減によるシステムのスリム化が図れ、制御の精度アップと信頼性の向上を実現しています。
 



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