INSPIRE/VIGOR - 1992.01

INSPIRE/VIGOR
FACTBOOK
INSPIRE VIGOR

FF MIDSHIP


エンジンの大排気量化やボディのワイド化を進めながらも、
あくまでFFとして理想的な
前後重量配分《60(フロント):40(リア)》に変化がないこと。
それが2.5Lインスパイア&ビガー開発の基本でした。

FFのあたらしい方向を確立した
ホンダ独自の〈FFミッドシップ方式〉をさらに洗練熟成させました。
FFミッドシップは、FFが本来持ち合わせている数かずの利点、たとえば優れた直進安定性や走破性、軽量化からくる走りと低燃費の両立、リアサスペンション・チューニングの高い自由度などを継承し、新たに新世代の駆動方式として独自に開発したものです。
その最大の特長は、エンジン&トランスミッションの重心を前車軸の後方に置くことで、FFとして理想的な重量配分フロント60:リア40を実現することにあります。
具体的には、エンジンとトランスミッションを縦置にし、デフギヤをエンジン中央の左側に配置し、ミッションからの出力をエクステンションシャフトによってデフギヤに伝達させています。しかも、ドライブシャフトはエンジンの下に通すのではなく、クランクケースを貫通させるという画期的な構造です。
そしてこの最適な前後重量配分が、このクラスでそこなわれがちなハンドリングをいっそう軽快にし、乗る人の感性に合致した気持のよい走りをもたらすとともに、エンジンによるボディ振動を大幅に低減。さらにはエンジンの35°傾斜レイアウトと相まって低重心化と低ボンネット化を可能にし、しかも最小回転半径を大きくすることなくロングホイールベース化も実現してくれるものです。エグゼクティブのための豊かな走りと美しくセンスのよいスタイリングのために、きわめて適したパワープラントと言えます。
2.5Lインスパイア&ビガーは、こうした革新的な技術を背景に、これからのエグゼクティブ・カーにふさわしくエンジンからシャシー、ボディに至るまで、さまざまな要件を洗い直すところから始めました。その結果、トータルに、そして高次元でバランスのとれたFFミッドシップ・3ナンバーを完成させています。

FF MIDSHIP STRAIGHT-5
FF MIDSHIP STRAIGHT-5



← 前のページへ --- 目次へ --- 次のページへ →