FACT BOOK
CIVIC/CIVIC HYBRID
CIVIC/CIVIC HYBRID 2005.9.22
Driving パワートレイン
走りの歓びと環境への配慮を徹底追求した高知能パワートレイン。
出力・トルクを高めながら高水準の環境性能を実現する、次世代パワーユニット。
力強く爽快な走りを生む高い出力・トルクと、低燃費や低排出ガスといった環境性能をこれまでになく高いレベルで両立する、2つの新しいパワーユニットを新開発。知能化技術をさらに進化させた次世代パワーユニットが、心おきなくドライブを楽しめる優れた走行性能と環境性能を発揮します。
1.8L i-VTECエンジン
(5AT/5MT)
新Hondaハイブリッドシステム
「3ステージ i-VTEC+IMA」

(ホンダマルチマチックS)
目標
テーマ
採用技術
走行性能と
環境性能を
高次元で
両立する、
次世代
パワーユニット
高出力・
高トルク化
●可変管長インテークマニホールド
●ピストンオイルジェット(高圧縮比化)
3ステージ i-VTECエンジン
●高回転用吸気バルブ制御
●大径吸・排気バルブ
●大径ロングインテークマニホールド
●大径スロットルボディ
IMA
●モーター高効率化
●PCU(パワーコントロールユニット)高効率化
●バッテリー高効率化
低燃費化
●新開発 i-VTECシステム(可変吸気量制御)
●フリクション低減
3ステージ i-VTECエンジン
●全気筒休止バルブ制御
●DBW ●フリクション低減 
●アイドル停止
IMA
●モーターアシスト力増加
●モーターのみでの走行モード(低速クルーズ時)
排出ガス
クリーン化
●高精度空燃比制御
●エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッド
●シリンダーヘッド直下2ベッドキャタライザー
3ステージ i-VTECエンジン
●高精度空燃比制御
●エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッド
●2つの高密度キャタライザー
軽量・
コンパクト化
●アルミロッカーアーム
●エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッド
●樹脂ヘッドカバー
●高強度熱間鍛造クラッキングコンロッド
●細幅カムチェーン
●オイルポンプ内蔵チェーンケース
3ステージ i-VTECエンジン
●エキゾーストマニホールド一体型シリンダーヘッド
IMA
●PCU(パワーコントロールユニット)部品削減
●バッテリーのセル配列最適化
力強い走りとクルーズ走行時の圧倒的な低燃費を両立。しかも優れたクリーン性能も達成した、新開発「1.8L i-VTEC」エンジン。(シビック)
Honda独創のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を進化させ、低負荷走行時に吸気バルブの閉じるタイミングを遅くする、新開発i-VTECシステムを搭載。バルブ制御と同時に、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)によってスロットルバルブを最適に制御する「可変吸気量制御」により、吸気抵抗によるエネルギー損失(ポンピングロス)を大幅に低減。エネルギー効率を高め、クルーズ走行時の燃費性能を大きく向上しました。そのうえで、吸気効率や圧縮比の向上などにより、103kW[140PS]、174N・m[17.7kg・m]を発揮するとともに、徹底したフリクション低減や高精度の空燃比制御などにより17.0km/L(5AT車、10・15モード)の低燃費を実現。「平成22年度燃費基準+5%レベル」を達成しました。しかも、優れた排出ガスクリーン性能も実現し、国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得しています。 ※5MT車は「平成22年度燃費基準達成車」
■1.8L i-VTECエンジン(カットモデル)
1.8L i-VTECエンジン(カットモデル)
■1.8L i-VTECエンジン性能曲線図
1.8L i-VTECエンジン性能曲線図
1.8L i-VTECエンジン
最高出力 103kW[140PS]/6,300rpm
最大トルク 174N・m[17.7kg・m]/4,300rpm
燃料消費率 17.0km/L(5AT車)/16.2km/L(5MT車)
「平成22年度燃費基準+5%達成車」(5AT車)
「平成22年度燃費基準達成車」(5MT車)
国土交通省「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定
*ネット値 ※10・15モード走行(国土交通省審査値)
吸気バルブの閉じるタイミングを切り換え、
全域での高いエネルギー効率を実現する、 新開発 i-VTECシステム。
新開発 i-VTECシステムは走行状況に応じ、DBWによってスロットルバルブを制御するとともに、新開発のVTEC機構によって吸気2バルブのうち1バルブの閉じるタイミングを切り換え、クルーズ時などの低負荷走行時にはポンピングロスを低減するように制御し、発進・加速時など高い出力・トルクを必要とするときには、吸気充填効率が最大となるように制御。これまでポンピングロスにより悪化していた低負荷走行時のエネルギー効率も大幅に向上することで、トルクフルで力強い走りと、1.8Lガソリンエンジンで世界最高レベルの低燃費を両立しました。特にクルーズ時には1.5Lガソリンエンジン同等の燃費性能を発揮します。 ※Honda調べ
■バルブタイミングイメージ
■バルブタイミング切り換えによる
シリンダー内圧力・容積変化イメージ
バルブタイミングイメージ/バルブタイミング切り換えによるシリンダー内圧力・容積変化イメージ
■吸気バルブの閉じるタイミングを遅くし、ポンピングロスを低減することでクルーズ燃費を向上。
通常、クルーズ時(低負荷走行状態)などのスロットルバルブ開度が小さいときには、吸気経路が狭められるためポンピングロスが大きくなります。新開発i-VTECシステムは、低負荷走行時などでもDBWによってスロットルバルブ開度を大きめに制御し、スムーズに吸気。そして、新開発のVTEC機構によって、吸気バルブを通常の圧縮開始時期よりも遅く閉じることで、一度シリンダー内に吸い込んだ混合気の一部を吸気ポートに戻します。その結果、スロットルバルブ開度を小さくすることなく吸気量の制限を実現。吸気抵抗の減少により、ポンピングロスを最大16%低減でき、その分エネルギー効率が向上したことで、通常ガソリンエンジンに対してより少ない燃料で低負荷走行に必要なトルクを発生。クルーズ時の燃費性能を大きく向上します。 数値はHonda測定値
■クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ
クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ クルーズ時の吸気バルブ/スロットルバルブ制御イメージ
スロットルバルブ開度を大きめに制御し、スムーズに吸気 ピストンが下死点を過ぎ、上昇をはじめても吸気バルブを閉じない 一度吸い込んだ混合気の一部を吸気ポートに押し戻してから吸気バルブを閉じ、クルーズに必要な混合気量に調整
■走行状況や負荷に応じて知能的にバルブ作動を制御。
新開発i-VTECシステムは、スロットルバルブ開度や車速、エンジン回転数、ギアの状態などから走行状況を検知し、知能的にバルブタイミングの切り換えを行います。バルブタイミングの切り換えは、吸気側に備えたアイドル/加速用とクルーズ用のロッカーアームを、シンクロピストンによって連結/分離することで行います。シンクロピストンの連結/分離には低回転域での切り換えを可能にする油圧回路を採用しています。
[クルーズ用バルブタイミングへの切り換え条件]
・車速:10km/h以上
・エンジン回転数:1,000〜3,500回転
・トランスミッションのギア:3速以上
■各バルブタイミング作動領域
各バルブタイミング作動領域
■i-VTEC機構作動イメージ
i-VTEC機構作動イメージ
アイドル/加速用ロッカーアームとクルーズ用ロッカーアームは分離した状態。アイドル/加速用カムでバルブを駆動 アイドル/加速用ロッカーアームとクルーズ用ロッカーアームをシンクロピストンで連結。クル−ズ用カムでバルブを駆動
■バルブタイミングの切り換えによるトルク差を制御し、スムーズな作動を実現。
スロットルバルブ開度が一定の状態でバルブタイミングの切り換えを行うと、エンジントルクが急激に変化してショックが生じるため、DBWでスロットルバルブ開度を適切に制御することでトルク差を抑制。乗員に切り換えによる違和感を感じさせないスムーズな作動を実現しています。

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