Honda CIVIC CVCC - 1973.12

CIVIC
CIVIC CVCC 1973.12
CVCCとは リーンアプローチ(Lean Approach)
 CVCCへの出発点では、従来エンジンに対する検討結果から、何とか、従来エンジンの特性から脱却したところにベースを置く方法、すなわち代替エンジン(Alternative Engine)の中で排気対策を達成しようという強い動機が先行していました。
 一般に知られるように、燃料が化学的に完全燃焼するための空気と燃料の重量比である理論混合比(ガソリンの場合は約15)を境にして、排気対策として、どんな空燃比(A/F)を主にするかでリッチアプローチ、リーンアプローチと二大別していますが、この意味するところは、図に示される様にCO、HC、NOx三者を同時に対策する手法として、リッチ側とリーン側とに考えられるからです。
 前にものべましたが、従来エンジンではもっともスムーズに運転できる範囲は、空燃比が10から15の間のリッチ側であり、リーン側のA/Fでは従来型エンジンでは混合気が薄すぎて、安定した着火および作動が得られない運転不能の領域なのです。
 しかしながら、図に示す傾向からみても、マスキー法に要求される極く低いCO、HC、NOx三者のレベルを同時に達成するために、このリーンな範囲を使用することは魅力のあることといえるのです。
 また従来エンジンによるリッチアプローチは、燃焼室内の燃焼自体が、本来、酸素不足の状態で燃焼が終るので、排気弁を出た後どうしても、空気を補充し、後処理装置(サーマルリアクターまたは触媒コンバーター)を使用して再反応処理を行なう必要があります。
空燃比に対するエミッション特性
 これに反して、CVCCの場合は、はじめから酸素が充分多い状態(リーンな混合気)で燃焼がはじまり、燃焼が進行後にも燃焼ガスと空気がよく混じった状態で排気されるので、燃焼室内の燃焼はもちろんのこと、排気ポートから出た後でも充分、酸化反応され、テールパイプから出てくる時は、ほとんど無害になってしまいます。
 したがって、この場合は特別の空気ポンプやサーマルリアクターまたは、触媒コンバーターなどの後処理装置を必要としないのです。

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