CITY TURBO II - 1983.10


CITY

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TURBOII ENGINE-3



空冷式インタークーラー
INTERCOOLER
 
小型・高出力のハイパーターボエンジンの排気量をそのままに、出力・トルクを向上させようとするためには、もっと多くの燃料と空気をシリンダーの中に送り込み、効率よく燃焼させればいいわけです。しかし、ターボチャージャーで過給するのにも、おのずから限界があります。
そこで、シティターボIIは、ホンダのレーシング技術から生まれ、あのホンダF-1にも搭載されている、小型・高効率のインタークーラーを装備しました。
ターボチャージャーで過給するために圧縮され、温度が上昇した吸入空気は、図1のように、細かいフィンの中に、もうひとつのインナーフィンを持った、アルミ製のインタークーラーの中へ導かれます。その際、最も風圧の高くなる、ボディ前面の風圧分布を有効利用したインタークーラーダクトで集められた走行風が、フィンのスキ間を通過。軽量で、熱伝導率の高いアルミニウムの表面から熱をうばい、吸入空気を45℃も冷却します。この結果、吸入空気の体積を縮小、空気密度を高めてシリンダーへの充填効率を向上させているのです。
これにより、無鉛ガソリン車で世界最高の過給圧0.85kg/cm2という数値を達成。小型で、わずか1.2Lのエンジンから、最高出力110馬力、最大トルク16.3kg-mというパワーを引き出すことに成功しました。同時に、吸入空気温度を下げることで、ノッキングが発生しにくく燃焼効率も向上。思いきった高出力化と低燃費化を実現しています。

図2は、圧縮比と過給圧の限界(ノッキングの発生しない範囲での最大過給圧)との関係を示しています。燃焼室のアンチノック性能にかかわらず、圧縮比を下げるほど過給圧を上げられることがわかります。

図3は、圧縮比とその限界過給圧を組み合わせた場合の、最大出力向上率を示したものです。圧縮比を下げ、過給圧を上げていく方が、ある圧縮比までは出力が向上することがわかります。 
 

 無鉛ガソリン車で、世界最高の過給圧
0.85kg/cm2

空冷式インタークーラーシステム図

図1
空冷式インタークーラーシステム図

 

燃焼室形状とインタークーラー効果

図2
圧縮比と過給圧の限界

 
図3
圧縮比とその限界過給圧



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