CITY - 1982.09

CITY
CITY

シティはニュースにあふれてる。

こいつはホンダに違いない!
こいつは
ホンダに違いない!
ヨーロッパ各地で、シティターボは異常なほどの興奮と関心を集めました。
「いったい、どこのクルマだ!」「なぜ、そんなに走るんだ?」「エンジンを見せてくれ!」といった声から、ついには「オレのと替えてくれ!」と叫びだす人まで。

ヨーロッパの人々の、シティに対する興味の示し方は、まったく想像を超えるものでした。 ユニークなデザイン、スペースの広さ、小さいくせにめっぽう走る、といった点が若い人を中心に熱い視線を集めました。 たとえば—わざわざストップを命じエンジンルームを見せてほしいと迫ったスイスのパトロールカー。業務そっちのけで近づいてきたオーストリア国境の税関係員。対抗車線からUターンして見に来たイタリアの警官。 奥さんを通訳にいろいろ聞きだしにかかったイタリアの男性。どうしてこんなに速い?と質問を繰り返した西ドイツのご婦人、などなど。なかでも印象的だったのは、信号で横につけたクルマから、興奮した声で“どこのクルマだ”と聞き、次いで“ホンダだろ!”とニヤリとした男性。ユニークなクルマ、高性能のクルマ=ホンダ、というイメージが、あのF-1レース・F-2レースを制覇したホンダのイメージと強烈に結びついていたようです。
 
ヨーロッパ走行写真


アメリカの、あのロード&トラック誌が、日本でしか発売されていないシティを紹介し、「ホンダシティは、あなたのクルマの定義を一変させるだろう」と絶賛。と、これを読んだ読者から続々、熱いメッセージが届きました。
シティは、国を越えてニュースになるクルマなのです。

シティをとりあげた筆者は、まずその冒頭で「ホンダシティはアメリカでは売られていない。だから、いつクルマを買うことが出来るかということについて、ホンダに手紙を出したり、ディーラーを困まらせたりしないでほしい」と断わりをしたうえで、シティがいかに素晴らしいかを書いています。
ところが、この記事が掲載されてすぐ、アメリカの各州から編集室に宛てて、次々と手紙が舞い込みました。
「シティは、アメリカ車の未来だ」「アメリカが受け入れることの出来る最初のクルマだ」といった意見から、「我々は全員シティが必要なんだ!」という絶叫型。「私の悩みは、シティを手に入れるまで止まらないでしょう」という嘆願型。「ホンダシティ、いいぞ、いいぞ、いいぞ!」の応援型。さらには「6500ドルで私は買いたい」という現実型まで。
国は違え、いいクルマを求める気持は変わらない。すぐれたクルマは、何よりも雄弁だ。
ホンダはまとめて送られてきた手紙の束を前に、いよいよファイトを燃やしたものでした。



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