ASCOT, ACCORD, ACCORD INSPIRE, VIGOR - 1989.09

ASCOT/ACCORD/INSPIRE/VIGOR
ASCOT/ACCORD/INSPIRE/VIGOR
 
メカニズム/アコード&アスコット

ENGINE&TRANSMISSION

静粛性こそセダンの新しいエンジン性能。振動・騒音を発生源から断った2次バランサー機構を新採用。

2.0LクラスのFF車のパワーユニットに求められる条件、それは限られたスペースに納まるコンパクトさや、前後輪への重量配分を適正化し、すぐれたドライバビリティを生む軽量さ、そしてハイパフォーマンスを生む効率の高さです。それゆえにホンダは、4気筒エンジンの小型・軽量・高効率を磨きつづけているのです。それらの3つの要素を極限まで追求し大きな成果を得たいま、もうひとつの大きな性能「静粛性」にチャレンジしました。


2次バランサー機構
2次バランサー機構

2次バランサー
2次バランサー


クランクシャフト解析例
クランクシャフト解析例

エンジン&トランスミッション解析例
エンジン&トランスミッション解析例



4気筒の領域を超えた高次元の静粛性。
新開発の2次バランサー機構を全タイプに搭載。
4気筒エンジンでありながら、V6エンジンなどの領域に踏み込んだ「上質さ」を可能にした新しいメカニズムが、この2次バランサーです。その構造はきわめてシンプルです。クランク軸を挟むようにして平行に2本のバランサーをセット。
これを歯付ベルトを介して(一方はさらにリバースギアを介して)それぞれを外側にむけてクランク軸の2倍の速さで回転。ピストンなどの往復部慣性力により発生する2次振動を打ち消し、4気筒のレベルをはるかに超えた低振動・静粛性を実現しました。この2次バランサーを始めとして、ピストンの形状や、カムプロフィール、そしてタイミングベルトの歯形形状なども、徹底追求。
エンジン・トータルで低振動・静粛化を図っています。


新開発の電子制御式複合エンジンマウントをオートマチック車に採用。
従来の複合エンジンマウントをより知能化させた電子制御式エンジンマウントは、マウント本体のダンパー機能を、エンジンの回転数に合わせて自動的に制御させるシステムです。特に信号待ちなどで、ドライブレンジにシフトしたまま、ブレーキを踏んで停車している時のオートマチック車特有のアイドリング振動を吸収しています。高周波をカットするダイナミックダンパーを装着した左右のメインマウント(慣性主軸式エンジンマウント)と、エンジン右後部にセッティングされたこの電子制御式エンジンマウント、そしてエンジン前部にワインドストッパーとして配置されたラバーマウント。このホンダ独自のマウントシステムにより、発進時や制動時、さらには走行時のエンジンのトルク変動をスムーズに制御し、ノイズやバイブレーションを低減しています。


電子制御式複合エンジンマウント構造図 電子制御式複合エンジンマウント構造図

電子制御式複合エンジンマウント構造図



軽量・高剛性・新設計のアルミ製シリンダーブロックを全エンジンに採用。
NEWアコード/アスコットは、2.0L DOHCはもとより、1.8L SOHC16バルブにいたるまで、すべてのエンジンをアルミ化。軽量化を徹底しました。一方、エンジンの振動・騒音、そして耐久性と密接な関係のある剛性の向上にも積極的に取り組み、ディープ・スカート形状を採用しました。構造設計の段階からコンピュータ解析を駆使し、理想的な形状と剛性を算出。2次バランサーを内蔵したシリンダーブロックとしては、驚異的ともいえる小型・軽量化を実現しながらも、連続高速回転にも余裕をもって応える高い信頼性を兼ね備えた構造となっています。


アルミ・シリンダーブロック
アルミ・シリンダーブロック

シリンダーブロック断面 旧モデル比較(DOHC)

軽量エキゾーストマニホールド(DOHC)
軽量エキゾーストマニホールド(DOHC)



軽量エキゾーストマニホールド
最適な形状による軽量エキゾーストマニホールドを全車に採用。特にロストフォーム製法によるDOHCのものは5.7kgと従来に比べ実に40%もの大幅な軽量化がなされています。


高効率・信頼性をめざした数々の新技術。
エンジン本体はもとより、補機類にいたるまで、高効率・高精度、そして高い信頼性への数々の改良を実施しています。

高強度細軸バルブ(吸気バルブ/SOHC)
高強度細軸バルブ(吸気バルブ/SOHC)

高強度細軸バルブ(SOHC)
ビッグボアによるバルブの大径化をはかりながら、ステム径を細軸化。高回転に対応する軽量バルブを実現。

軽量焼結カムプーリー(SOHC)
新設計により高い信頼性を確保したまま、30%の軽量化を達成。

コイル一体式小型ディストリビューター
点火システムを一体化することで、小型・軽量化および、高精度や、信頼性を確保。

ACジェネレーターコントロールシステム
電気負荷や走行条件に応じて発電電圧を12.5Vと14.5Vに切り替える方式。燃費向上に寄与。

可変吸気ダクト(2.0L DOHC、2.0L SOHC+PGM-FI)
吸気ダクトを2分割し、その一方を中低速域で閉じて、吸気音の低減を図る。




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