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環境TOPICS

2017.03.14 update

2016年度「生産領域グリーン大会」を開催。
全国の8事業所で実践された14テーマの環境取り組みを発表。

取材日:2017年2月17日

2017年2月17日、東京都港区のHonda青山本社ビルで、優れた環境取り組みを共有、水平展開するための事例発表会「生産領域グリーン大会」が開催されました。今回は全国の製作所が属する生産領域の発表会です。8事業所から14テーマが発表され、ホンダエンジニアリング株式会社の生産技術部 車体生産技術ブロックのテーマが最優秀賞を受賞しました。

2016年度「生産領域グリーン大会」を開催。全国の8事業所で実践された14テーマの環境取り組みを発表。

2016年度「生産領域グリーン大会」を開催。全国の8事業所で実践された14テーマの環境取り組みを発表。

生産領域の優れた環境取り組みを共有し、国内外の事業所への水平展開を推進。

Honda青山本社ビルにて、8事業所から14テーマの取り組み事例が発表された
Honda青山本社ビルにて、8事業所から14テーマの取り組み事例が発表された
グリーンファクトリー推進センター 服部武久センター長
グリーンファクトリー推進センター 服部武久センター長

  Hondaでは、環境負荷低減を効率よく進めるために、グループ内で実施されている優れた環境取り組みの共有と水平展開を目的とした事例発表会「Hondaグリーン大会」を1999年から開催しています。
 この発表会では、生産や販売、輸送などの企業活動の各領域で「領域大会」を開催。そして3年に一度、各領域大会で発表された事例から優秀事例を選抜し、全領域で「本選大会」を行います。
 2017年の1月には本選大会と世界大会を同時開催した「Hondaグリーン大会2016」が開催されたばかりです。しかし、3年に一度の大会が終わったということは、次なる本選大会に向けた領域大会が始まるということ。そして、いち早く領域大会を開催したのが生産領域でした。

 本大会の事務局長を務めるグリーンファクトリー推進センターの服部武久センター長は開会の挨拶にて「今、日本の事業所がそうであるように、グローバルの事業所でも環境負荷低減への取り組みが高い水準でなされており、今後、さらに低減するための施策が枯渇していくことが考えられます。だからこそ新しい大きな取り組みを常に日本から発信していきたい」と述べ、大会への期待を寄せました。

最優秀賞に選ばれたのは、プレス工程での材料歩留まりの向上を目指した取り組み。

取り組みの成果を分かりやすくまとめ、発表を行う
取り組みの成果を分かりやすくまとめ、発表を行う
発表後には、テーマに対して各事業所の環境責任者らがコメント
発表後には、テーマに対して各事業所の環境責任者らがコメント
最優秀賞に輝いたホンダエンジニアリング(株)の安藝隆裕と審査委員長の島原俊幸執行役員
最優秀賞に輝いたホンダエンジニアリング(株)の安藝隆裕と審査委員長の島原俊幸執行役員
総評を述べる島原執行役員
総評を述べる島原執行役員
参加者全員での集合写真
参加者全員での集合写真

 2016年度の「生産領域グリーン大会」にエントリーされたテーマは8事業所から14テーマ。省エネだけでなく、廃棄物の低減やデジタル化によるペーパーレスへの取り組み、さらには燃料電池の生産工程における水素燃料の使用量低減など、多様な環境課題の解決を図ったテーマが揃いました。

 そのなかで最優秀賞を受賞したのは、ホンダエンジニアリング(株)の生産技術部 車体生産技術ブロックが取り組んだテーマ「アウターブランク材の歩留まり向上技術による副産物削減」です。
 このテーマに着目したのは、ドアのパーツのプレス工程から排出される鉄スクラップの量が多く、材料歩留まりに改善の余地があると感じられたため。材料となるシート状の鉄板からパーツを切り出した残りがスクラップとなりますが、パーツの形状から残る面積、つまり廃棄分が大きかったのです。そこで無駄が出ないようパズルのように2つ分のパーツを組み合わせることを考えましたが、組み合わせた形状を切り出すには大きな金型が必要になり、既存のプレス機に収まりません。
 これを解決するために開発したのが、大きな金型を2つに分け、ひとつのプレス機内でカットするパターンを交互に切り替える技術。カットパターンが異なる2つの金型で、ラインを流れていくシート状の鉄板を交互にカットすることで、プレス機よりも大きな形状を切り出すことに成功したのです。これによりプレス機自体を大きなものに新調することなく、既存設備を活用しながら年間で529tの鉄スクラップの削減を達成しました。また、大型のプレス機(4.5m)の中でカットパターンを切り替えるのは世界初の技術として特許も取得しています。
 この技術が世界初のものであることと共に高く評価されたのは、無駄がある、もったいないという発想から、金型や材料の形状に制約があるなかで知恵を絞って最大限の効果を生んだことです。
 この最優秀賞の取り組みのほかには、特別賞として4テーマが選ばれました。

 大会の最後に、審査委員長を務めた島原俊幸執行役員は「短時間の発表のなかでは、すべての取り組みがあたかもスムーズに進行したように聞こえましたが、実際はいろいろな課題にぶち当たり、思うように進まないこともあったと思います。それでもあきらめず、高い志を持って進めてきた結果が本日の発表だと感じました。この気持ちを胸に、また来年もHondaのグローバル環境スローガンである『子どもたちに青空を』のもと、環境取り組みを推進していただければと思います」と締めくくりました。

生産領域グリーン大会の受賞者

最優秀賞

発表者
ホンダエンジニアリング(株) 生産技術部 車体生産技術ブロック 安藝隆裕

「アウターブランク材の歩留まり向上技術による副産物削減」

「2つの異なるカットパターンを実現した金型で交互にカットするという技術を、既存のプレス機の中という限られたスペースで、耐久性や剛性を考えながらつくり上げたという特徴を、分かりやすく説明できたのが、受賞につながったのだと考えています。今後は、他事業所の方たちの発想や着眼点を参考に、環境に貢献できる新たな技術を見つけていきたいと思います」

ホンダエンジニアリング(株) 生産技術部 車体生産技術ブロック 安藝隆裕

特別賞

発表者
熊本製作所 生産業務室 総務ブロック施設管理グループ 上田涼子

「廃ガソリンの再利用による廃棄物量削減」

 完成車の検査に使用したガソリンを捨てるのはもったいないという観点から、廃ガソリンの再利用に挑戦し、構内車での利用を実現。「この取り組みは実は過去にトライされていたテーマでしたが、その時は廃ガソリンの劣化が原因で構内車燃料としての再利用ができませんでした。今回、多くの方に協力いただき、劣化の原因を明確にし、管理をすることで再利用できるようになったことを嬉しく思います」

熊本製作所 生産業務室 総務ブロック施設管理グループ 上田涼子

特別賞

発表者
パワートレインユニット製造部 真岡パワートレイン工場 トランスミッション部品モジュール 保坂佳寿

「設備潤滑見直しによる副産物発生量の削減」

 ギヤ加工ラインで用いる潤滑油は、使用後に廃油となる。その廃油を最小限に抑えるための施策を検討。潤滑油の種類を変更することで使用量を減らし、廃油量低減につなげた。「設備には潤滑油が必要ですが、その量を単純に減らすのではなく、仕様を変えることに着目したことを評価いただいたのだと思います」

パワートレインユニット製造部 真岡パワートレイン工場 トランスミッション部品モジュール 保坂佳寿

特別賞

発表者
鈴鹿製作所 健康管理センター 財満康允

「システム健診による帳票削減展開」

 健康診断で用いる帳票用紙をタブレットに置き換えることで、用紙の使用を約70%削減。さらに手作業によるヒューマンエラーのリスクも低減した。「Hondaでは全事業所に健康管理センターがあります。その各健康管理センターへのシステム検診の導入を進めることで、さらに大きな削減効果を得られると考えています」

鈴鹿製作所 健康管理センター 財満康允

特別賞

発表者
トランスミッション製造部 品質管理室 浜松トランスミッション製品技術ブロック 鈴木久徳

「CVTスチールベルト試験方法変更によるエネルギー低減」

 エンジンを使用しない試験機の導入に加え、サイズ違いのCVTを1台の設備で対応させる治具を開発。導入設備の削減、エネルギー使用量削減につなげ、環境影響を最小限に留めた。「今回ガソリンを使わず、しかも1台で複数種類のCVTテストに対応する独自の試験機を導入した点を評価いただけたと考えています」

トランスミッション製造部 品質管理室 浜松トランスミッション製品技術ブロック 鈴木久徳

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