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環境TOPICS

2017.03.13 update

水素・燃料電池展「FC EXPO 2017」に出展。
施設への水素関連商品の導入で実現する水素版VPPを提案。

取材日:2017年3月1日

2017年3月1日〜3日、東京ビッグサイトにてリードエグジビションジャパン株式会社が主催する「スマートエネルギーWeek 2017」が開催されました。Hondaは、この「スマートエネルギーWeek 2017」内の「FC EXPO 2017〜第13回【国際】水素・燃料電池展〜」に出展。水素を「つくる・つかう・つながる」商品を施設に導入することで実現する水素版VPPを提案しました。また、専門技術セミナーでの講演や燃料電池自動車(FCV)「クラリティ FUEL CELL」の試乗会なども実施しました。

VPP:ヴァーチャル・パワー・プラント=仮想発電所

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水素・燃料電池展「FC EXPO 2017」に出展。コンビニエンスストアを水素ステーション化する提案を実施。
オープニングセレモニーではエネルギー業界のトップ50名によるテープカットを実施
オープニングセレモニーではエネルギー業界のトップ50名によるテープカットを実施
「FC EXPO 2017」にも各国から大勢のビジネスマンが来場
「FC EXPO 2017」にも各国から大勢のビジネスマンが来場
壁面パネルにコンビニエンスストアを描き、ブースを店舗の駐車場に見立てた
壁面パネルにコンビニエンスストアを描き、ブースを店舗の駐車場に見立てた
コンパクトサイズのSHSは駐車場の一画に設置可能。水を電気分解し水素を製造
コンパクトサイズのSHSは駐車場の一画に設置可能。水を電気分解し水素を製造
コンビニエンスストア前に駐車した「クラリティ FUEL CELL」
コンビニエンスストア前に駐車した「クラリティ FUEL CELL」
「Power Manager」とともに、外部給電器「Power Exporter 9000」も展示
「Power Manager」とともに、外部給電器「Power Exporter 9000」も展示
Honda スマートコミュニティ企画室 湯浅慶子主任
Honda スマートコミュニティ企画室
湯浅慶子主任
水素版VPPのイメージをパネルで表現。商業施設をはじめ多くの施設で水素関連商品を導入いただくことがエネルギーのさらなる安定化につながる
水素版VPPのイメージをパネルで表現。商業施設をはじめ多くの施設で水素関連商品を導入いただくことがエネルギーのさらなる安定化につながる
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 守谷隆史上席研究員
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 守谷隆史上席研究員
国内外から来場したお客様がセミナーの聴衆席を埋めた
国内外から来場したお客様がセミナーの聴衆席を埋めた
HySUTブースでは「クラリティ FUEL CELL」のカットモデルに注目が集まる
HySUTブースでは「クラリティ FUEL CELL」のカットモデルに注目が集まる
Hondaは3台の「クラリティ FUEL CELL」をFCV試乗会に出展
Hondaは3台の「クラリティ FUEL CELL」をFCV試乗会に出展

Hondaの水素関連商品で構築する水素版VPPを
コンビニエンスストアでの活用事例を通して紹介。

 創エネ・蓄エネ・省エネ技術の総合展「スマートエネルギーWeek 2017」。本展には、31カ国1,570社ものエネルギー関連企業が出展し、水素・燃料電池、太陽光、風力、バイオマスなどのエネルギー9分野の商談展が開催されました。Hondaが出展した水素・燃料電池分野の「FC EXPO 2017〜第13回【国際】水素・燃料電池展〜」は、水素・燃料電池関連の企業280社が出展。会場には真剣な眼差しでビジネスチャンスを求めるビジネスマンが国内外から訪れていました。

 Hondaが展示ブースで行ったのは、水素版VPPの提案です。VPPとはヴァーチャル・パワー・プラントの頭文字をとったもので仮想発電所の意味。エネルギーマネジメント技術を活用し、地域に散在する再生可能エネルギー発電設備や蓄電池などのエネルギー設備をネットワークで繋ぎ、あたかも一つの発電所のように機能させることを示しています。このVPPによって得られるのは電力の安定化や設備導入における経済的メリット。HondaはそのVPPに水素の活用を取り入れることを提案しました。
 水素版VPPでは、地域の施設に導入したスマート水素ステーション(SHS)により再生可能エネルギーで水素を製造。その水素は長期の貯蔵やFCVによる運搬もでき、FCVの移動先では電源としても利用が可能となります。これらを活用し、再生可能エネルギーの余剰電力を水素に変えて地域で運用することで、低炭素で経済的な電力安定の実現を目指します。具体的な導入先としては、全国のコンビニエンスストアや道の駅などの小規模な商業施設などを想定しています。

 今回の展示ではこうした提案を視覚的に伝えるために、ブースそのものをコンビニエンスストアの駐車場に見立て、その一画にSHSを配置。そして店舗の屋上に設置した太陽光パネルで発電した電気の余剰分を使ってSHSで水素を製造し、FCVを介して充填された水素を電気として活用する事例を表現しました。
 また、店舗にV2H対応DC普通充電器「Power Manager」を取り付ければ電気自動車(EV)への充電に加え、EVやFCVから店舗への電力供給が可能。災害時に停電が起こった際には、自治体などから駆け付けたFCVに電力を供給してもらうことで、店舗の食品や飲料などを保存し、地域に提供することができます。展示では「Power Manager」と店舗前に駐車した「クラリティFUEL CELL」とを接続し、それを紹介しました。
 このように施設が水素関連商品を導入することで、水素の充填を目的としたお客様の集客につながったり、災害時のエネルギー供給を行ったり、さらにはVPPの一部となるなどさまざまな役割を担う「街づくりの拠点」として地域にとって欠かせない存在になることができます。

 Honda スマートコミュニティ企画室の湯浅慶子主任は、商業施設へのSHS導入の提案がFCVの普及にも大きな意味を持つと語ります。
「これまでは自治体の温暖化対策や防災面における取り組みとして水素関連商品を活用いただいてきました。これを継続しながらも、さらに広く一般のお客様にFCVを利用していただくには、身近で人が集まりやすく、誰もが利用可能な街中の施設で水素を供給できるようになることが重要だと考え、今回の提案を行っています」
 ブースを訪れたお客様の中には商業施設や企業の方も多く、コンパクトで導入しやすいSHSに大いに関心を示していました。

セミナーでの講演やカットモデルの展示、
試乗会などを通して水素社会の普及啓発を推進。

 また、同時開催された「FC EXPO 2017」の専門技術セミナーでは、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社との3社合同で「燃料電池自動車(FCV)現状と普及展望〜国内メーカー〜」と題した講演を行いました。Hondaからは株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンターの守谷隆史上席研究員が登壇。「Hondaの燃料電池自動車開発と水素社会に向けて」というテーマで、水素社会への取り組みや「クラリティFUEL CELL」におけるFCスタックの小型化、耐久性向上、コストダウンを実現した独自技術について発表しました。

 加えて、HySUT(一般社団法人水素供給利用技術協会)ブースに「クラリティFUEL CELL」のカットモデルを展示するとともに、HySUTのFCV試乗会に3台の「クラリティFUEL CELL」を提供。お客様自らがFCVを運転し、走りを体感できるとあって人気が高く、外国からのお客様も目立ちました。

 今回の「FC EXPO 2017」は、こうした水素社会の普及啓発や水素エネルギーの認知拡大の取り組みに加え、施設への水素関連商品の導入による水素版VPPの構築という実用的な提案に踏み出すことができた展示会と言えます。Hondaは水素エネルギーのさまざまな活用方法を示し、導入いただく企業や団体を広げていくことで、水素社会の実現に向けて取り組んでいきます。