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2017.02.09 update

鳥取県にて、スマート水素ステーションなどを導入した
水素エネルギー教育拠点「鳥取すいそ学びうむ」が完成。

取材日:2017年1月27日

2017年1月27日、鳥取県鳥取市の鳥取ガスグループ敷地内で、水素エネルギーの教育拠点となる「鳥取すいそ学びうむ(とっとり水素学習館)」の完成を記念した「水素エネルギー推進フォーラム」が開催され、セレモニーや施設紹介、セミナーが行われました。この施設にはスマート水素ステーション(SHS)、燃料電池自動車(FCV) 「クラリティ FUEL CELL」、V2H※1対応DC普通充電器「Power Manager」といったHonda製品が導入されています。Hondaはフォーラムへの協力を通して、大勢の来場者に水素社会の実現に向けた取り組みを発信しました。

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V2H=Vehicle to home。FCVなどの電動車から家庭への電力供給

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鳥取県にて、スマート水素ステーションなどを導入した水素エネルギー教育拠点「鳥取すいそ学びうむ」が完成。

再生可能エネルギーの利用をさらに推進するため、水素エネルギーの教育拠点を整備。

太陽光パネル、SHS、プレゼンテーション学習エリア、スマートハウスで構成された「鳥取すいそ学びうむ」
太陽光パネル、SHS、プレゼンテーション学習エリア、スマートハウスで構成された「鳥取すいそ学びうむ」
導入されたSHSと「クラリティ FUEL CELL」
導入されたSHSと「クラリティ FUEL CELL」
SHSに電力を供給する太陽光パネル。周囲には降雪が残る
SHSに電力を供給する太陽光パネル。周囲には降雪が残る

 鳥取県は太陽光や風力、水力をはじめ、バイオマスや温泉熱など、多種多様な再生可能エネルギーを積極的に活用している県です。県が使用する電力量に対して再生可能エネルギーによる発電が占める割合は31%(平成26年度)と、西日本ではトップクラスの利用率となっています。
 しかし、太陽光は天候に発電量が左右されるうえ夜間は発電できず、風力は風が吹かなければ発電できません。こうした不安定な側面のある再生可能エネルギーによる電力供給をさらに推進するには、エネルギーの貯蔵が不可欠。そこで鳥取県はエネルギーの大量保存に適した水素に電力を変換して活用する、水素社会の実現に向けた取り組みを進めています。

 その水素エネルギーを県民に普及啓発するための教育拠点として完成したのが「鳥取すいそ学びうむ(とっとり水素学習館)」です。この施設は鳥取県の「水素エネルギー実証(環境教育)拠点整備プロジェクト」を推進する協定に基づき、鳥取県、鳥取ガス株式会社、積水ハウス株式会社、Hondaの4者によって整備されました。ここでは太陽光発電の電力からSHSによって水素を製造し、FCV「クラリティ FUEL CELL」に供給。さらに敷地内の積水ハウス(株)の展示場がスマートハウス化されており、FCVなどから住宅への電力供給を行います。また、水素エネルギーのノウハウ蓄積を見据え、県内のインフラ企業である鳥取ガス(株)がSHSの運営を担当します。
 このように再生可能エネルギーを活用した水素ステーションと住宅、FCVを水素エネルギーを活用して一体整備するプロジェクトは、これが全国初。体験型の学習エリアも設置しており、この施設を通して水素エネルギーへの理解を促進することを目指しています。

完成セレモニー、施設紹介、セミナーが行われた「水素エネルギー推進フォーラム」。

平井伸治鳥取県知事
平井伸治鳥取県知事
Honda 寺谷公良執行役員
Honda 寺谷公良執行役員
鳥取県と鳥取ガス(株)が1台ずつ「クラリティ FUEL CELL」を導入。 左:株式会社ホンダカーズ鳥取の大月徹会長から平井知事へ 右:寺谷執行役員から鳥取ガス(株)の児嶋太一社長へゴールデンキーを受け渡し
鳥取県と鳥取ガス(株)が1台ずつ「クラリティ FUEL CELL」を導入。
左:株式会社ホンダカーズ鳥取の大月徹会長から平井知事へ
右:寺谷執行役員から鳥取ガス(株)の児嶋太一社長へゴールデンキーを受け渡し
スマートハウスに到着した「クラリティ FUEL CELL」
スマートハウスに到着した「クラリティ FUEL CELL」
プレゼンテーション学習エリアにて、Hondaスタッフの説明に聞き入る平井知事と児嶋社長
プレゼンテーション学習エリアにて、Hondaスタッフの説明に聞き入る平井知事と児嶋社長

 多くの関係者が出席した完成セレモニーでは平井伸治鳥取県知事が主催者挨拶にて、「鳥取すいそ学びうむ」を設置した意義を語りました。
「エネルギーの安定供給を考えると、我々自身で自分たちのエネルギーを持続可能な形で将来に向けて用意していかなければなりません。鳥取県は再生可能エネルギーによる発電施設を拡大してきましたが、それをさらに前進させるために水素エネルギーへの取り組みをスタートさせました。次の未来を目指して挑戦していきたいと思います」
 Hondaからは日本本部長を務める寺谷公良執行役員が登壇し、「Hondaが取り組んできた再生可能エネルギーによる水素を『つくる・つかう・つながる』というスキームを、鳥取県の皆様と一緒に行えることを大変嬉しく思います」と述べ、鳥取県の取り組みに期待を寄せました。

 セレモニーに引き続き行われたのが、施設や設備を紹介しながら水素エネルギーの活用例を示すデモンストレーションです。SHSから「クラリティ FUEL CELL」に水素を充填し、スマートハウスへと走行。到着後は、HondaのV2H対応DC普通充電器「Power Manager」を介して「クラリティ FUEL CELL」が発電した電気をスマートハウスに供給しました。これにより水素を家庭で活用するための一連の流れを紹介。水素によるエネルギーの地産地消が可能であることを訴求しました。
 続いて、SHSの隣に整備されたプレゼンテーション学習エリアをお披露目。自転車による自家発電で水素をつくったり、その水素を利用してドローンを飛ばすなど、子どもから大人まで楽しみながら水素エネルギーを体験し、学べることを紹介しました。

鳥取県 生活環境部 環境立県推進課 次世代自動車普及促進総括 足立浩司課長補佐
鳥取県 生活環境部 環境立県推進課 次世代自動車普及促進総括
足立浩司課長補佐
セミナー会場には大勢の聴衆が詰めかけた
セミナー会場には大勢の聴衆が詰めかけた
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 岡部昌規主任研究員
(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンター 岡部昌規主任研究員
Honda スマートコミュニティ企画室 湯浅慶子主任
Honda スマートコミュニティ企画室 湯浅慶子主任

 鳥取県の生活環境部 環境立県推進課 次世代自動車普及促進総括の足立浩司課長補佐は「鳥取すいそ学びうむ」の役割をこう話します。
「私たち鳥取県では家庭での省エネにつながるV2Hシステムの導入を推進したいと考えています。しかし、そのシステムで用いる水素というエネルギーがどんなものなのか、どう暮らしに役立つのか県民の皆様にはまだまだ知られていません。この施設は水素エネルギー、そしてクルマと住宅の新しい使い方を知っていただくための拠点です。子どもから大人まで多くの方に訪れていただき、ご理解いただければと思います」

 デモンストレーションの後には、鳥取ガス(株)本社の会議室にて、水素エネルギーの理解促進を図るセミナーが県内のエネルギー関連企業や一般の方々を対象に開催されました。
 次世代自動車の普及に向けた取り組みやスマートハウスにおける水素の活用が紹介される中、Hondaは水素を「つくる・つかう・つながる」コンセプトやFCV、SHSなどの関連製品を詳しく紹介。(株)本田技術研究所 四輪R&Dセンターの岡部昌規主任研究員が登壇し、水素社会の実現に向けたHondaの取り組みを来場者に説明しました。

 フォーラム終了後、説明スタッフとして現場で対応したHonda スマートコミュニティ企画室の湯浅慶子主任は、「鳥取すいそ学びうむ」への期待を次のように語りました。
「鳥取県の水素社会を目指す活動に協力するという形で、Hondaの水素を『つくる・つかう・つながる』製品を導入させていただきました。この施設ではスマートハウスと一体で整備されていますから、生活の中での水素エネルギーの活用方法を非常に分かりやすく実感いただけると思います。またSHSは日本海側かつ中国地方では初めての導入ですから、降雪も多い寒冷地での稼働を実証する意味合いもあります」

 新たな地域で始まった水素エネルギーの普及啓発や実証。こうした取り組みの積み重ねが、水素エネルギーの可能性を大きく拓き、水素社会に対する理解促進につながっていきます。Hondaはこれからも水素の「つくる・つかう・つながる」製品を通して水素社会の実現を目指していきます。

「鳥取すいそ学びうむ」の一般公開は4月頃を予定
鳥取ガス(株)に導入いただいた「クラリティFUEL CELL」。水素のPRに活用していくとのこと
鳥取ガス(株)に導入いただいた「クラリティFUEL CELL」。水素のPRに活用していくとのこと
V2Hの解説エリアにて、Hondaのスタッフがクルマと住宅間で電力をやりとりできることを説明
V2Hの解説エリアにて、Hondaのスタッフがクルマと住宅間で電力をやりとりできることを説明
プレゼンテーション学習エリアに設置されたコンテナハウス
プレゼンテーション学習エリアに設置されたコンテナハウス
コンテナハウス内に用意した多彩な教育コンテンツを報道陣に紹介
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鳥取ガス(株)に導入いただいた「クラリティFUEL CELL」。水素のPRに活用していくとのこと
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V2Hの解説エリアにて、Hondaのスタッフがクルマと住宅間で電力をやりとりできることを説明
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プレゼンテーション学習エリアに設置されたコンテナハウス
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コンテナハウス内に用意した多彩な教育コンテンツを報道陣に紹介
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