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Honda Face Top > Case64:(株)本田技術研究所 鷹栖プルービンググラウンド EPISODE-1

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(株)本田技術研究所 鷹栖プルービンググラウンド さらなる省エネを目指すために。自分たちの事業所の現在位置の把握が必要でした。

北海道に位置する広大な総合テスト施設、鷹栖プルービンググラウンド。

 株式会社本田技術研究所 鷹栖プルービンググラウンド(PG)。北海道の旭川市に隣接する上川郡鷹栖町に位置するこの事業所は、790ヘクタール(約790万m2)の広大な敷地を誇るHondaの総合テスト施設です。ここには50を超えるテストコースや多彩なテスト設備が設けられており、クルマやバイクといったHonda製品の厳しいテストが日々行われています。
 また、鷹栖PGは非常に積極的に省エネをはじめとする環境負荷の低減に取り組んでいる事業所でもあります。施設全体の敷地は広大とはいえ、そのほとんどはテストコース。省エネの取り組みの中心となるのは、約50人が常駐している管理棟です。その中で鷹栖PGのスタッフらは知恵を絞り、次々と環境取り組みを行っているのです。

 例えば管理棟の建屋自体にも、環境負荷を低減するためのさまざまなアイデアが盛り込まれています。
 北海道の土地柄を活かしたものも多く、地中熱を利用した省エネタイプの空調の導入や、冬の寒さを活かして地下に設けた氷貯蔵槽に100トンを超える巨大な氷塊を作成しておき、夏にその氷から融け出す冷水を冷媒として利用する「氷冷房」など例に事欠きません。
 そして設備面に加え、夜間や休日は可能な限り機器を主電源からオフにして待機電力をとことんカットするなど、その運用面でも妥協なく環境取り組みを進めています。

> CASE40でも鷹栖PGの取り組みを紹介しています。あわせてご覧ください。

鷹栖PGの航空写真。約790万m<sup>2</sup>の広大な敷地に50以上のテストコースがレイアウトされている

鷹栖PGの航空写真。約790万m2の広大な敷地に50以上のテストコースがレイアウトされている

鷹栖PGの管理棟。約50人の常駐スタッフに加え、テストに訪れる技術者らが利用する

鷹栖PGの管理棟。約50人の常駐スタッフに加え、テストに訪れる技術者らが利用する

三重の窓ガラスをはじめ、徹底した断熱・蓄熱設計がなされている

三重の窓ガラスをはじめ、徹底した断熱・蓄熱設計がなされている

地中熱を利用した空調など、省エネ設備の心臓部が揃う機械室

地中熱を利用した空調など、省エネ設備の心臓部が揃う機械室

地下に広がる氷貯蔵槽。床のように見える白い部分が、100トン超の巨大な氷塊の上面

地下に広がる氷貯蔵槽。床のように見える白い部分が、100トン超の巨大な氷塊の上面

(株)本田技術研究所 PG管理室 PG鷹栖ブロック 設備管理グループ 藤井仁 技術主任

(株)本田技術研究所 PG管理室 PG鷹栖ブロック
設備管理グループ 藤井仁 技術主任

〈管理棟のエネルギー使用量〉

〈管理棟のエネルギー使用量〉

東京都の環境局が公表している「低炭素ベンチマーク[2012年度実績版]」のトップクラスの数値28.6を参考に、関東と北海道の年間使用エネルギー量の比率1.83を掛け合わせた。その数値52.3を鷹栖PGがベンチマークとすべき値とした。

鷹栖PGはどれだけ省エネな事業所なのか。現状を知り、次の目標を明確にしたかったのです。

 「私たちの事業所は省エネという観点では世の中でどんな立ち位置なのか? それを知りたいと思いました」
 そう話すのは、これまでいくつもの環境取り組みを考案し、実施してきた藤井仁(ふじいひとし=本田技術研究所 PG管理室 PG鷹栖ブロック 設備管理グループ 技術主任)です。
「鷹栖PGではこれまでさまざまな取り組みを重ね、やり切ったと自負できるほど環境負荷低減を図ってきました。今後も、省エネに取り組むにあたって私たちの現在位置を知り、目指すべき場所を明確にしたかったのです。そこで一般的な事業所やオフィスビルがどれだけエネルギーを使用しているのか、最も優れたビルはどのくらい省エネなのか、ベンチマークにできるデータを探しました。しかし、北海道の省庁にも問い合わせましたが、道内では参考にできるデータが見当たりませんでした。そんな時、東京都が公表していた『低炭素ベンチマーク』というデータを見つけ、そのトップクラスがひとつの指標となりうるだろうと考えたのです」(藤井)

 「低炭素ベンチマーク」とは東京都が算出した指標で、これを用いて自社の事業所のCO2排出レベルを自己評価できるというもの。そのデータには、東京都のオフィスビルの延床面積当たりの年間CO2排出量が記載されていました。藤井がベンチマークとして捉えたのは、その中でもトップクラスの数値です。しかし、東京都と北海道、単純に比較することはできません。北海道では厳しい冬を乗り越えるため、暖房に大きなエネルギーを使うなど、地域の特性を考慮する必要があります。
 そこで藤井が見出したのは、関東と北海道の年間使用エネルギー量の比率を利用し、東京都の低炭素ビルの数値を北海道のオフィスビルにとって妥当な数値に換算する方法でした。
 そして算出した北海道トップクラスの数値は52.3kg/m2・年。これは年間で事業所の延床面積1m2あたり52.3kgのCO2を排出するという数値です。対して鷹栖PGの年間CO2排出量は52.7kg/m2・年と、トップクラスからわずかに離れていました。藤井はこの0.4kg/m2という差を2015年度に0.2kg/m2、2016年度にさらに0.2kg/m2と改善していくことを計画します。
「これまで施策を重ねて省エネを行ってきましたから、私たちの事業所も北海道の平均よりは上のレベルだろうという自負はありました。その感覚通り、実際にはじき出したトップクラスとの差はわずか。どうせならその数値をクリアしたいと思いましたが、1年に0.2kg/m2ずつと言っても、これまで継続的に取り組んできていることを考えるとなかなか厳しい数値です。けれど、やらないという選択肢はありませんでした。それは意地やプライドと言ってもいいかもしれません。トップクラスまで隔たりがある。その現状を放置しようものなら気になって気になって眠れなかったと思います」(藤井)

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