
このたび東日本大震災により、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈り申しあげます。また、被災された皆様に対し、謹んでお見舞い申しあげます。被災された皆様の一日も早い復旧を衷心よりお祈り申しあげます。
弊社においては、栃木地区の事業所の従業員1名が残念ながら亡くなられ、施設についても、一部事業所で天井の落下や壁の崩壊といった被害によって、一時的な事業活動の停止を余儀なくされました。対策本部を中心に全社をあげての復旧対応を進めた結果、震災から約3週間後には、開発・生産・営業の各部門において事業再開に一定のめどをつけることができました。その後、不安定な部品供給により5割操業が続いていた四輪車生産も部品の安定供給のめどが立ち、国内は6月下旬から正常化し、海外は8月から9月にかけておおむね正常化する見通しです。世界中でお待ちいただいているお客様に一日でも早く商品をお届けできるよう挽回を図ってまいります。
一方で、被災されたお取引先や販売会社に対しては、安定した部品の生産活動とお客様への販売・サービス活動が一刻も早く復旧できるよう、Hondaとして可能な限りの支援をおこなってまいりました。今後も事業の本格回復に向け、お取引先、販売会社と一体となった取り組みを継続してまいります。
2020年に向けてHondaが進むべき方向性
さて、Hondaを取り巻く経営環境は、地球規模の環境意識の高まり、世界経済の構造変化により、世界中の四輪車市場における「小型車志向」がこの数年で一気に加速しました。Hondaの次なる成長・発展のためには、こうした時代の変化へ迅速に対応することが必要不可欠です。すなわち、社会やお客様の視点に立ち、先進の環境技術を開発・商品化し、新興国市場の事業強化や小型化への対応をいち早く進めたうえで、磐石な企業体質を構築することが経営の最重要課題であると認識しています。以上の認識に基づき、2010年6月にHondaの「次の10年の方向性」として、「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」という2020年ビジョンを定め、活動を展開しています。
「良いもの」とは、お客様が必要なものをHonda独自の技術や知恵・工夫で魅力的な商品として具現化したものです。その「良いもの」を、お待たせすることなく「早く」、そしてお客様に「買って良かった」と喜んでいただける価格でご提供することが、今後のHondaの進むべき道と認識しています。また、「CO2排出量を大幅に低減しなければ、パーソナルモビリティメーカーとしてのHondaの将来はない」という強い危機感をもっており、その想いを「低炭素」という言葉に込めました。
Hondaは、これまでにも二輪・四輪・汎用という幅広い商品の技術進化によってCO2低減に寄与し、そして薄膜太陽電池やコージェネレーションシステムといった、エネルギーを創り出す商品を通して環境負荷低減に取り組んできました。今後も環境技術を進化させ、より早く普及させることで、環境負荷低減に向けた取り組みを加速します。
2011年度は、この2020年ビジョン実現に向けた礎を築く重要な年と認識しており、震災による多少の遅れはあるものの、その取り組みを何ら変更するものではありません。むしろこのような未曾有の困難な状況にある今こそ、私たちの原点であるHondaフィロソフィーに立ち返り、すべてのお客様に喜んでいただける商品を提案し続けることが何よりも大切だと考えています。
地球環境のために全力をつくします
2020年ビジョンに基づき、2011年6月にHondaの環境への取り組みにおける新たな指針として「Honda環境ビジョン」を策定し公表しました。この環境ビジョンとして掲げた「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現に向け、「2020年製品CO2低減目標」を定めるとともに、生産時やサプライチェーンを含めた企業活動全体での温室効果ガス低減をはじめとするあらゆる環境負荷の最小化に向けた取り組みを強化していきます。
これは、Honda独自の技術をさらに進化させ、お客様にパーソナルモビリティによる移動の喜びを提供することと、自ら持続可能な社会の実現をめざす、という2つのテーマを同時に推進していくという決意表明でもあります。このビジョンを世界共通の行動指針として、全世界で環境・エネルギー技術のトップランナーをめざし、Hondaは果敢にチャレンジしていきます。
今後もHondaは技術を進化させ、お客様に「Hondaがあってよかった」、「ワクワクして楽しい」と言っていただける魅力ある商品を“低炭素”で提供し続けていきます。
そして販売会社、お取引先、従業員と一体となって経営体質を強化し、社会に還元することが日本経済の復興に寄与することにつながると信じています。またそれが社会に在る企業としての責任だと認識しています。
Hondaはこれからも総合力を結集して「存在を期待される企業」をめざしていきます。

