さて、BBSならではのダイナミックな鍛造工程は、さらに2次鍛造、3次鍛造と繰り返されるのだが、これでもまだようやくホイールのディスク面(メッシュが刻まれたホイールの外側の面)と、外側のリムが成形されるだけで、インナーリムの方は、“スピンニング”と呼ばれる次なる行程を待たねばならない。スピニングとは、ディスク面のまわりに残されたアルミの塊を円筒状に絞り上げる工程。鍛造工程を経た材料を回転させ、鋼鉄製ローラーを十数トンもの力で型に沿わせて押しつけて延ばしていくのだ。これでほぼホイールの形に仕上げ、約12時間に及ぶ熱処理工程でホイールに硬度と靭性を与え、そのあと機械加工でインナーリム側を成型し、ショットピーニングと呼ばれる、小さな鋼球を打ちつけて表面硬化と耐久性を与える工程などを経て仕上げられる。
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