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世界ツーリングカー選手権

round 11

SCHEDULE

November 1 2015, RACE WTCC Race of Thailand

タイタイ

初開催のタイ・ラウンド、タルクィーニ選手は後方グリッドからのスタートながら、レース1、2ともに入賞を果たす

2015年11月1日(日)・予選、決勝  会場:チャーン・インターナショナル・サーキット(4.554m)  天候:晴れ
気温:予選/28℃、決勝/30℃  コースコンディション:ドライ

世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、第11戦タイ・ラウンドを迎えました。初開催となるタイでの戦いは、予選、決勝ともに日曜日に行われました。

  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手ガブリエーレ・タルクィーニ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手(#18)、ノルベルト・ミケリス選手(#5)ティアゴ・モンテイロ選手(#18)、ノルベルト・ミケリス選手(#5)
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手

タイ・ラウンドの舞台となるチャーン・インターナショナル・サーキットは、昨年オープンし、日本のSUPER GTが開催されているコースで、長い2本のストレートと、フラットで滑りやすい路面が特徴です。新しいサーキットで、WTCCに参戦するほとんどのドライバーにとって、今回が初めてのレースとなります。

Honda Civic WTCCは「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」のガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手、ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)のノルベルト・ミケリス選手の3台が、このタイでの戦いに挑みました。なお、今回Civic WTCCには前戦同様に40kgのウエイトハンデが課せられています。

午前10時から開始された20分間のQ1では、Civic WTCC勢は、滑りやすい路面に苦しめられ、なかなかタイムを伸ばせませんでした。モンテイロ選手が1分38秒830、ミケリス選手が1分38秒930でQ2に進出しましたが、タルクィーニ選手は1分39秒161で12番手に終わりました。続いて行われたQ2では、モンテイロ選手が1分38秒551、ミケリス選手が1分38秒642と、ともに予選タイムを更新したものの、ポジションは変わらず。モンテイロ選手が9番手、ミケリス選手は10番手で予選を終えました。

午後4時20分から行われたレース1では、モンテイロ選手が9番手、ミケリス選手が10番手からのスタートとなります。タルクィーニ選手は前戦中国でのペナルティにより、今回のレース1で5グリッド降格となりますが、他にグリッドダウンしたマシンがあったため15番手からのスタートとなりました。スタート直後、中団グループと下位グループで多重クラッシュが発生しました。このアクシデントに巻き込まれたミケリス選手は、マシンのフロント部に大きなダメージを負いピットイン。レース2に向けて、マシンの修復作業に取り掛かりました。このアクシデントでセーフティカーが導入されましたが、これらのアクシデントをうまく避けたモンテイロ選手は6番手、タルクィーニ選手は8番手までポジションを上げています。3周に渡ってセーフティカーの先導で周回を重ねた後、レースは再開されました。中団で激しいバトルを展開したタルクィーニ選手は前車の隙をつき、6周目に6番手、10周目には5番手まで順位を上げます。モンテイロ選手も接近戦を展開しますが、ポジションを落としてしまいます。11周目には、レース2に向けて安全策をとったモンテイロ選手は後車に先行を許し8番手に後退しました。セーフティカーの導入によって16周となったレース1で、タルクィーニ選手はスタートから10もポジションを上げて5位、モンテイロ選手は7位となりました。

午後5時30分から開始されたレース2は、コースに照明が灯り、WTCC初のトワイライトレースとして行われました。ミケリス選手はレース1でのアクシデントによりサスペンションやラジエターの交換作業を行い、ギリギリでレース2に間に合わせることができました。そのミケリス選手がポールポジションから、モンテイロ選手は2番手、タルクィーニ選手は10番手からのスタートです。フロントローからスタートした2台のCivic WTCCは、そのポジションを守りきり、接近したトップ争いを展開します。しかし、3周が終了した時点で、マシンに不調が出たミケリス選手はピットイン。首位の座をモンテイロ選手に明け渡しました。トップに立ったモンテイロ選手は、その後快調に周回を重ねます。好スタートを切ったタルクィーニ選手は、1周目に8番手、2周目に7番手、4周目には5番手と着実にポジションを上げました。その後3台による激しい3位争いに加わったタルクィーニ選手は、一進一退のバトルを展開。11周目には再び5番手に回復しましたが、12周目に赤旗が出され、レースは終了となりました。暗さにより危険と判断されたための赤旗で、正式結果はレギュレーションにより、赤旗が提示される2周前の順位が採用されることになりました。

これにより、モンテイロ選手はトップ、タルクィーニ選手は6位、ミケリス選手はピットイン後再びレースに復帰して13位完走という結果になりましたが、レースの後の車検において、モンテイロ選手のマシンの最低地上高が基準を満たしていなかったため、失格という裁定が下されました。また、これによりタルクィーニ選手、ミケリス選手の順位は1つ繰り上がり、タルクィーニ選手は5位、ミケリス選手は12位が最終順位となりました。

第11戦タイ・ラウンドの結果、Hondaはマニュファクチャラーズ選手権で664ポイントを獲得し2位となっています。また、ドライバーズ選手権では、タルクィーニ選手が191ポイントで5位、ミケリス選手が172ポイントで6位、モンテイロ選手が171ポイントで7位となっています。

また、ファクトリードライバー以外の選手に与えられる「ヨコハマ・トロフィー」選手権において、ミケリス選手は152ポイントでランキングトップを守りましたが、ポイントを大きく加算することができなかったため、タイトル決定は最終戦に持ち越されることとなりました。

コメント

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(5位/5位)
「ひどい予選でしたが、終わってみれば多くのポイントを獲得することができました。レース1は、後方スタートから5位になることができて本当によかったです。最初のアクシデントは私のすぐ横で起きたので、巻き込まれずに済んで運がよかったです。その後、2度目のアクシデントも起きましたが、それも避けることができ、順位を大きく上げることができました。レース2でのマシンは絶好調で、ライバルとのバトルを楽しむことができました。最終的にポイントを獲得することができました」

ティアゴ・モンテイロ選手(7位/失格)
「レース2ですが、実は今回はいいスタートを切ることができませんでした。少しホイールスピンして、ミケリス選手に逃げられました。でも、後続が近づいてきたので、好機を狙ってパスし、引き離さなければなければならないと思っていました。毎周回が予選のアタックラップのように、夢中でプッシュしました。その後、急に暗くなっていってブレーキングポイントを見つけるのがどんどん難しくなりました」
(その後、モンテイロ選手はレース2のリザルトから除外されました)

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「初めてのタイのコースは、コース幅が広いためレイアウト上はタイトに見えるコーナーもスピードが乗り、長い直線もあるのでマシンのパワーが重要でした。また、路面がきれいでフラットなこともあり、ずいぶん滑りやすくグリップしにくい印象でした。そのためセッティングが難しく、最高速では引けをとらなかったものの、予選ではタイムを伸ばせず非常に残念な結果に終わりました。次はシーズン最終戦で、また初めてのコースとなりますが、マシンの熟成を進め、よい結果で締めくくれるようがんばります」

予選リザルト

順位 No. ドライバー マシン タイム
137J.ロペスシトロエン1'37.916
29S.ローブシトロエン1'38.185
368Y.ミュラーシトロエン1'38.231
433M.キン・ハシトロエン1'38.333
525M.ベナーニシトロエン1'38.166
67H.ヴァレンテシボレー1'38.224
 
918ティアゴ・モンテイロHonda1'38.551
105ノルベルト・ミケリスHonda1'38.642
132ガブリエーレ・タルクィーニHonda1'39.161

決勝リザルト

レース1
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
137J.ロペスシトロエン1629'10.403
29S.ローブシトロエン16+1.380
333M.キン・ハシトロエン16+6.376
425M.ベナーニシトロエン16+7.202
52ガブリエーレ・タルクィーニHonda16+14.500
612R.ハフラーダ16+15.177
 
718ティアゴ・モンテイロHonda16+18.493
145ノルベルト・ミケリスHonda1+15Laps
レース2
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
19S.ローブシトロエン1016'41.918
233M.キン・ハシトロエン10+5.722
337J.ロペスシトロエン10+10.534
43T.チルトンシボレー10+11.753
52ガブリエーレ・タルクィーニHonda10+12.014
612R.ハフラーダ10+12.609
 
125ノルベルト・ミケリスHonda10+33.000
1818ティアゴ・モンテイロHonda0 -

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1J.ロペスシトロエン441
2S.ローブシトロエン329
3Y.ミュラーシトロエン324
4M.キン・ハシトロエン213
5ガブリエーレ・タルクィーニHonda191
6ノルベルト・ミケリスHonda172
 
7ティアゴ・モンテイロHonda171
19ネストール・ジロラミHonda5
21リカルド・ライデルHonda4
マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1シトロエン974
2Honda664
3ラーダ337