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世界ツーリングカー選手権

round 09

SCHEDULE

September 13 2015, RACE WTCC Race of Japan

日本日本

Honda Civic WTCCが2戦連続両レースで表彰台を獲得
レース2ではモンテイロ選手が優勝し、Honda Civic WTCCは日本ラウンドで3年連続優勝を飾る

2015年9月13日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)  天候:曇り一時雨
気温:26℃  コースコンディション:ドライ

世界ツーリングカー選手権(WTCC)第9戦日本ラウンドは決勝レースを迎えました。ツインリンクもてぎは朝から厚い雲に覆われ、レースが開始される午後2時には、時折り細かい雨が落ちてくるコンディションとなりました。

  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手(中央)ティアゴ・モンテイロ選手(中央)
  • ティアゴ・モンテイロ選手(#18)ティアゴ・モンテイロ選手(#18)
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手ガブリエーレ・タルクィーニ選手
  • ノルベルト・ミケリス選手(左)、ガブリエーレ・タルクィーニ選手(右)ノルベルト・ミケリス選手(左)、ガブリエーレ・タルクィーニ選手(右)
  • ノルベルト・ミケリス(#5)、ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)ノルベルト・ミケリス(#5)、ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#2)

レース1は午後2時15分、小雨が上がったドライコンディションでスタートが切られました。ポールポジションからスタートした「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」のノルベルト・ミケリス選手は、スタート直後にトップを奪われ2番手となります。「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」のガブリエーレ・タルクィーニ選手は6番手から、ティアゴ・モンテイロ選手はエンジン交換のため最後尾となる17番手からのスタートでしたが、ともに好スタートを切りポジションアップに成功。タルクィーニ選手は、オープニングラップで3番手に上昇し、2番手のミケリス選手の背後からトップ争いに加わりました。モンテイロ選手も周回ごとに順位を上げ、5周目には入賞圏内となる10番手となりました。

ミケリス選手は、序盤こそトップに1秒差以内まで迫りました。しかし、後半タイヤが苦しくなり2位でフィニッシュし、追撃及ばず。タルクィーニ選手は3番手を守りきり、Honda Civic WTCCが2-3フィニッシュを達成しました。モンテイロ選手は9位となり、ポイント獲得を果たしています。

レース1終了の頃から雨が降り始めましたが、レース2がスタートする午後3時25分には、雨は上がり路面もほぼドライコンディションに回復しました。

リバースグリッドにより、モンテイロ選手が3番手、タルクィーニ選手が5番手、ミケリス選手が10番手からのスタートです。好スタートを決めたモンテイロ選手は、第1コーナーまでにトップの座を奪いました。その後も快調なペースで2番手以下を引き離します。序盤から中盤にかけて、2番手より1秒近く速いペースで走行し、終盤10周目には10秒差でトップを独走、今季2勝目を獲得しました。

オープニングラップで4番手に上がったタルクィーニ選手は、激しいポジション争いを展開します。3周目の第1コーナーで先行するマシンと接触し、ポジションを5番手に落としました。その後もライバルとの接近戦はチェッカーフラッグまで続き、ライバルとほぼ並んでゴールラインを通過。4番手と0.089という僅差の5番手となりました。

ミケリス選手は、スタート後の混乱でハーフスピンし後方に下がりましたが、すぐにポジションを回復。7周目には7番手まで上昇しましたが、9周目にマシントラブルでピットに戻ります。その後、コースに復帰し14位で完走を果たしました。

レース後、タルクィーニ選手の接触に30秒加算のペナルティが科され、タルクィーニ選手の正式結果は12位となりました。

Honda Civic WTCCは今季3勝目、3人のドライバーが全員表彰台に上がる結果を残しました。また、 WTCC日本ラウンドにおいて2013年ミケリス選手、2014年タルクィーニ選手に続き、3年連続の勝利となりました。

第9戦日本ラウンドの結果、Hondaはマニュファクチャラーズ選手権で487ポイントを獲得し2位を保っています。また、ドライバーズ選手権では、ミケリス選手が141ポイントで5位、タルクィーニ選手が138ポイントで6位、モンテイロ選手が124ポイントで7位、ジロラミ選手が5ポイントで18位となっています。

また、ファクトリードライバー以外の選手に与えられる「ヨコハマ・トロフィー」選手権においてミケリス選手は、レース1、レース2ともに1位となり、124ポイントでランキングトップを守っています。

コメント

ティアゴ・モンテイロ選手(9位/優勝)
「レース1では最後尾からのスタートでしたが、レース2ではHondaのホームコースで優勝できて、本当にすばらしい週末になりました。不利な状況から始まったので、ルールを有利に利用し、状況を改善に集中しました。レース2はとても大事で、チャンスはあると思っていました。スタートでうまく飛び出すことができたので、タイヤをケアしながら、後続との差を広げるためにできるだけプッシュしました。今週末はマシンにとても自信が持てました。マシンの全体的なバランスは最高で、アップデートによって競争力が上がったのは明らかです。(ノルベルト)ミケリス選手と(ガブリエーレ)タルクィーニ選手がレース1でいい走りをしたので、私はレース2でいい結果をだそうと燃えていました。Honda R&D、JASの努力とサポートにとても感謝しています。ホームコースでの優勝が彼らの努力の賜物です」

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(3位/12位)
「レース1は最高のスタートを切ることができました。最初の数コーナーで他のマシンとバトルをし、いいペースを発揮して第5コーナーまでには3番手に上がっていました。そして、(ノルベルト)ミケリス選手のすぐ後ろにつけました。最初の数周は、私もかなり速かったのですが、ミケリス選手の後ろで動きが取れなくなりました。スリップストリームの中にいても、同じマシンと戦うのは厳しかったです。彼は全くミスをしなかったので、パスするチャンスを見つけることができませんでした。でも、それ以上は無理だったと思うので3位で満足しています。レース1は私たちにとって非常に大事だったのに、優勝できなくて残念です。レース2は、スタート順はレース1よりさらによかったのですが、第1コーナーにむけてうまく突っ込めませんでしたが、いいバトルができて、楽しめました」

ノルベルト・ミケリス選手(2位/14位)
「(レース1では)もっといいスタートができると思っていました。悪くはありませんでしたが、ライバルにかなり勢いがありました。レーススピードをもっと出して、追い抜くチャンスを狙いたかったのですが、ライバルたちがミスをしなかったので、オーバーテイクすることができませんでした。ポールポジションを獲りながらも、優勝できなかったのは少し残念ですが、この結果でマシンがよくなったことを証明できたと思います。重要なのはこれを続けていくことです。レース2は、普通のスタートでした。混みあっていて、前のマシンを避けなければならなかったので、かなり後方に下がりました。追い上げて7位まで順位を上げましたが、ターボに問題が起こりピットに戻りました」

アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表
「優勝できて大変うれしく思います。両レースとも、スタートがカギでした。マシンのバランスは非常によく、3人のドライバーがポディウムに立ちました。ペースもかなりよく、金曜日の走行からずっと我々の競争力は高かったと思います。その結果、Q1以外はすべて最速タイムでした。そして今日、我々は両レースで最速ラップを記録しました。非常に満足していますし、Hondaのホームコースですから、とても大切でした。今週末に懸命に努力し、サポートしてくれたエンジニアやHondaの皆を含め、スタッフ全員に心から感謝しています」

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「レース1では、(ノルベルト)ミケリス選手はとても惜しい結果でした。レース1での勝利が一番の目標でしたので、スタートだけが悔やまれます。しかし、レースペースはよく、2、3位を獲れたことで、マシンのポテンシャルが上がってきたことは証明できたと思います。そしてレース2では、モンテイロ選手がしっかりスタートを決め、安定した走りで優勝しました。レース1では最後尾スタートという厳しい戦いでしたが、レース2で見事にばん回してくれたことをうれしく思います。Civic WTCCはホームである日本での戦いにおいて、3年連続で勝利を飾ることができました。ドライバー、チーム、そして応援いただいたファンの皆さんに感謝します。シーズン終盤に向けて、さらにマシンの熟成を進め、好結果を続けることができるようがんばります」

決勝リザルト

レース1
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
137J.ロペスシトロエン1325'46.796
25ノルベルト・ミケリスHonda13+3.081
32ガブリエーレ・タルクィーニHonda13+4.314
433M.キン・ハシトロエン13+10.421
568Y.ミュラーシトロエン13+11.812
69S.ローブシトロエン13+12.108
 
918ティアゴ・モンテイロHonda13+23.409
レース2
順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
118ティアゴ・モンテイロHonda1325'53.893
27H.ヴァレンテシボレー13+9.222
312R.ハフラーダ13+10.938
49S.ローブシトロエン13+11.703
533M.キン・ハシトロエン13+12.894
63T.チルトンシボレー13+17.474
 
122ガブリエーレ・タルクィーニHonda13+41.792
145ノルベルト・ミケリスHonda11 +2Laps

ポイントスタンディング

ドライバー
順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1J.ロペスシトロエン351
2Y.ミュラーシトロエン277
3S.ローブシトロエン253
4M.キン・ハシトロエン169
5ノルベルト・ミケリスHonda164
6ガブリエーレ・タルクィーニHonda153
 
7ティアゴ・モンテイロHonda151
18ネストール・ジロラミHonda5
19リカルド・ライデルHonda4
マニュファクチャラー
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1シトロエン787
2Honda560
3ラーダ270