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世界ツーリングカー選手権

フル参戦2年目となるHonda Civic WTCCが、全12大会中9大会で表彰台を獲得
Hondaのホームコースの鈴鹿では、2年連続となる勝利を挙げる

Hondaにとってフル参戦2年目として迎えた、2014年のFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、ワークスチームのCastrol Honda World Touring Car Teamが、引き続きガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手のコンビで参戦。また、昨年はノルベルト・ミケリス選手を擁するZengő Motorsportのみだったプライベートチームには、メディ・ベナーニ選手がドライバーを務めるProteam Racingが加わりました。Honda勢は、ワークスとプライベーター合わせて、計3チーム4台でシーズンをスタートさせました。

14年シーズンは、レギュレーションが改正されたことにより、各チームともエンジンと車体の大幅な見直しを行いました。Hondaは、エンジンの軽量化や燃料系の改善などにより、昨年を超える380馬力以上の出力を実現。また、車体にエアロ系のパーツを追加するなど、空力性能も向上させて、マシンの見た目も昨年より大幅に変わりました。

Honda Civic WTCC勢は、シーズン開幕戦で3台が入賞する上々の滑り出しをみせると、続くフランスラウンドでは、タルクィーニ選手とモンテイロ選手が、早くも今季初の表彰台を獲得します。ハンガリーラウンドでは、レース1でモンテイロ選手が3位表彰台を獲得。レース2では7番手スタートながらも、2コーナーまでに5台をオーバーテイクする立ち上がりで、2番手まで浮上し、その後はトップを脅かす走りをみせ、2位でフィニッシュしました。以降も、シーズン折り返しとなるロシアラウンドまでに、4台すべてがポディウムへの登壇を果たすなど、Honda Civic WTCCが優勝争いのできるマシンであることを示しました。

今季初の優勝を目指すHonda Civic WTCCは、アルゼンチンラウンドのレース1で、ミケリス選手が4番グリッドから好スタートを切り2番手に浮上。レース前半から好走をみせるも、トップを奪うにはあと一歩及びませんでした。その一歩の差を埋めるため、サマーブレイク中は幾度もテストを行い、データを分析してエンジンのアップグレードを図るなど、チーム一丸となって勝利に向けた準備を進めました。

ドライバーにとって、そしてチームにとっても待望の表彰台中央への登壇は、中国(上海)ラウンドで果たされました。レース2のリバースグリッドにより、ポールポジション(PP)スタートとなったベナーニ選手がオープニングラップでトップをキープすると、4番手、5番手スタートのタルクィーニ選手とモンテイロ選手もスタートダッシュを決め、Hondaが1-2-3態勢でレースを進めます。途中、トラブルでタルクィーニ選手がリタイアとなりますが、快調にラップを刻んだベナーニ選手は、見事トップでチェッカーフラッグを受け、タルクィーニ選手に代わって2番手を守りきったモンテイロ選手が2位表彰台を獲得。Hondaの今季初優勝を1-2フィニッシュで飾りました。

初優勝で勢いに乗ったHonda Civic WTCCは、中国(上海)ラウンドの翌々週に、Hondaのホームコースで開催された日本ラウンドでもその速さをみせます。タルクィーニ選手が、リバースグリッドのレース2で得たPPからトップを快走。サマーブレイクで得たデータをもとにアップグレードされたマシンのポテンシャルを、フルに発揮してポール・トゥ・ウインを飾りました。上海からの2大会連続の優勝は、鈴鹿での2年連続勝利でもありました。

最終戦マカオラウンドでも、ミケリス選手が2位、タルクィーニ選手が3位と、Honda勢は3大会連続で表彰台を獲得。Honda Civic WTCCは、全12大会中9大会で表彰台登壇を果たして、2014年シーズンを終えました。

2014 ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2
1J.ロペスシトロエン4625251801225418851811525525031825525252151252515525852510
2Y.ミュラーシトロエン3362150525185251031425001218525184151531823150401031018
3S.ローブシトロエン2954182501883624253126215104151031280101511203156488
4ノルベルト・ミケリスHonda 201 0 2 0 2 6 4 0 8 1 2 15 0 2 12 0 2 6 0 6 6 2 18 6 0 8 10 2 10 12 0 12 15 2 1812
5ティアゴ・モンテイロHonda 1860101041521518060101536008121101000006180220120
6ガブリエーレ・タルクィーニHonda1820004151211240404184180144041240108008250150
 
11メディ・ベナーニHonda85060001001000006400150000240200125000 0 0 0

マニュファクチャラー

順位 マニュファクチャラー 総合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2 Q2 R1 R2
1シトロエン10039434354343943339439433774043943439404074333943279432793730
2Honda7105271272527527375275273373027527275302272320527435274353323
3ラーダ4251181532018110101101181011810118181182612235110181181811835

ポイント配分表

決勝順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
ポイント 25 18 15 12 10 8 6 4 2 1
予選順位 1番手 2番手 3番手 4番手 5番手  
ポイント 5 4 3 2 1

特集コンテンツ

WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート
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Honda Racing Gallery
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選手紹介

カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チームCastrol Honda World Touring Car TeamDRIVERS

ガブリエーレ・タルクィーニ

ガブリエーレ・タルクィーニ#2
Gabriele Tarquini

生年月日:1962年3月2日
出身地:イタリア

1984年、カート世界選手権でチャンピオンを獲得後、翌85年に国際F3000選手権へ参戦。87年にオゼッラからF1世界選手権デビューを果たし、翌88年から92年までF1にフル参戦しました。94年にはツーリングカーレースに転向し、同年の英国ツーリングカー選手権でタイトルを獲得したほか、 2003年にはヨーロッパツーリングカー選手権でもチャンピオンとなりました。

WTCCには、現行の形式が始まった05年からフル参戦を継続中で、09年には念願の世界タイトルを獲得。

13年はHonda Civic WTCCのステアリングを握り、第3戦スロバギアラウンドのレース1と第9戦アメリカラウンドのレース2で優勝。計2勝を挙げて総合2位に入りました。14年も引き続きCastrol Honda World Touring Car Teamから参戦し、第11戦日本ラウンドのレース2での優勝を含め、5度の表彰台登壇を果たしました。

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主な戦績

1984カート世界選手権 チャンピオン
1985国際F3000選手権 6位
1986国際F3000選手権 10位
1987F1世界選手権 30位、国際F3000選手権 8位
1988F1世界選手権 23位
1989F1世界選手権 27位、イタリアスーパーツーリング選手権 5位
1990F1世界選手権 32位
1991F1世界選手権 30位
1992F1世界選手権 32位、イタリアスーパーツーリング選手権 5位
1993イタリアスーパーツーリング選手権 3位
1994英国ツーリングカー選手権 チャンピオン
1995イタリアスーパーツーリング選手権 7位
1996FIA国際ツーリングカー選手権 14位
1997英国ツーリングカー選手権 6位
1998ドイツスーパーツーリング選手権 7位
1999ドイツスーパーツーリング選手権 4位
2000英国ツーリングカー選手権 6位
2001ヨーロッパスーパーツーリング選手権 3位
2002ヨーロッパツーリングカー選手権 14位
2003ヨーロッパツーリングカー選手権 チャンピオン
2004ヨーロッパツーリングカー選手権 3位
2005世界ツーリングカー選手権 7位
2006世界ツーリングカー選手権 5位
2007世界ツーリングカー選手権 8位
2008世界ツーリングカー選手権 2位
2009世界ツーリングカー選手権 チャンピオン
2010世界ツーリングカー選手権 2位
2011世界ツーリングカー選手権 5位
2012世界ツーリングカー選手権 4位
2013世界ツーリングカー選手権 2位
2014 世界ツーリングカー選手権 6位
ティアゴ・モンテイロ

ティアゴ・モンテイロ#18
Tiago Monteiro

生年月日:1976年7月24日
出身地:ポルトガル

1997年にフランスポルシェカップでチャンピオンとなり、翌98年はフランスF3選手権に参戦。2002年に国際F3000選手権にステップアップしたのち、03年にアメリカへ渡り、CARTシリーズに参戦しました。翌04年にヨーロッパへ戻り、ミナルディのテストドライバーを経て、05年ジョーダンGPでF1世界選手権にデビュー。この年のアメリカGPでは、ポルトガル人ドライバーとして初の表彰台(3位)を獲得しました。

07年よりWTCCに参戦し、同年のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。12年の日本ラウンド(鈴鹿)からHonda Civic WTCCで戦い、最終戦のマカオラウンドではレース1で3位表彰台を獲得しました。

2013年は全ラウンドをHonda Civic WTCCで参戦し、第11戦中国ラウンドのレース2での優勝を含む5度の表彰台登壇を果たしました。14年もCastrol Honda World Touring Car Teamから参戦し、5度の表彰台登壇を果たして総合5位。第3戦ハンガリーラウンドではレース1、レース2と連続で表彰台を獲得しました。

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主な戦績

1998 フランスF3選手権 16位
1999 フランスF3選手権 6位
2000 フランスF3選手権 2位
2001 フランスF3選手権 2位
2002 国際F3000選手権 13位
2003 CARTシリーズ 15位
2004 ワールドシリーズ by ニッサン 2位
2005 F1世界選手権 16位
2006 F1世界選手権 21位
2007 世界ツーリングカー選手権 11位(ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得)
2008 世界ツーリングカー選手権 12位
2009 世界ツーリングカー選手権 9位
2010 世界ツーリングカー選手権 5位
2011 世界ツーリングカー選手権 6位
2012 世界ツーリングカー選手権 9位
2013 世界ツーリングカー選手権 8位
2014 世界ツーリングカー選手権 5位

ゼングー・モータースポーツZengő MotorsportDRIVERS

ノルベルト・ミケリス#5
Norbert Michelisz

生年月日:1984年8月8日
出身地:ハンガリー

2006年、07年にハンガリー国内のワンメイクレースでチャンピオンとなって頭角を現すと、09年のヨーロッパツーリングカー選手権でランキング3位を獲得。10年よりWTCCへの参戦を開始しました。最終戦のマカオラウンドで初優勝を飾るなど、デビューイヤーから活躍をみせ、参戦初年度のドライバーを対象とした「ルーキーチャレンジ」で最優秀ドライバーに選出されました。

12年には、母国開催となったハンガリーラウンドで勝利。さらには、プライベーターに所属するドライバーの中でトップの選手に与えられる、「ヨコハマトロフィー」を獲得しました。

13年はHonda Civic WTCCで参戦。第10戦日本ラウンドのレース1で勝利を挙げるなど活躍し、総合6位に入りました。14年もZengő Motorsportより参戦し、プライベーターながらHonda Civic WTCCのドライバーの中で最上位となる総合4位となりました。

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主な戦績

2006 ハンガリースズキスイフトカップ チャンピオン
2007 ハンガリールノークリオカップ チャンピオン
2008 ハンガリーセアトレオンスーパーカップ 2位
2009 ハンガリーセアトレオンスーパーカップ チャンピオン、ヨーロッパツーリンカー選手権 3位
2010世界ツーリングカー選手権 9位(ルーキーチャレンジ1位)
2011世界ツーリングカー選手権 9位
2012世界ツーリングカー選手権 6位(ヨコハマトロフィー獲得)
2013世界ツーリングカー選手権 6位
2014 世界ツーリングカー選手権 4位

プロチーム・レーシングProteam RacingDRIVERS

メディ・ベナーニ#25
Mehdi Bennani

生年月日:1983年8月25日
出身地:モロッコ
趣味:カート、スカッシュ、ジム
URL:http://www.mehdibennani.com/

2000年にモロッコカート選手権で総合優勝を果たし、翌01年にヨーロッパカート選手権で総合2位を獲得。04年にアジア フォーミュラBMW選手権で総合2位を獲得すると、05年からワールドシリーズ・バイ・ルノーに参戦。07年にはユーロF3000選手権に参戦しました。

08年はモロッコサーキットレース選手権で7勝して総合優勝。09年も同選手権に参戦し、5勝して2年連続でタイトルを手にするとともに、世界ツーリングカー選手権にも参戦を果たしました。翌年から世界ツーリングカー選手権にフル参戦し、10年は総合19位、11年は総合16位、12年は第5戦ハンガリーのレース2で3位に入賞して初表彰台を獲得するなどの健闘で総合10位になりました。

13年は総合12位に終わりましたが、14年からはHonda Civic WTCCに乗り換えて、第10中国(上海)ラウンドで自身初となるWTCCでの優勝を手にし、総合11位となりました。

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主な戦績

2000 モロッコカート選手権 優勝、モロッコフィアットパリオトロフィー 19位
2001 ヨーロッパカート選手権 2位
2002 モロッコ国際カートレース 優勝
2004 アジアフォーミュラBMW選手権 2位
2005 ワールドシリーズ・バイ・ルノー 参戦
2006 ワールドシリーズ・バイ・ルノー 参戦
2007 ヨーロッパフォーミュラ3000 参戦
2008 モロッコサーキットレース選手権 優勝、ポーヒストリカルグランプリ 2位
2009 世界ツーリングカー選手権 参戦
2010 世界ツーリングカー選手権 19位
2011 世界ツーリングカー選手権 16位
2012 世界ツーリングカー選手権 10位
2013 世界ツーリングカー選手権 12位
2014 世界ツーリングカー選手権 11位