モータースポーツ > 世界ツーリングカー選手権 > 第4戦 ハンガリー > 決勝
2013年5月5日(日)・決勝
会場:ハンガロリンク(4.381km)
天候:晴れ
気温:レース1/23℃、レース2/25℃
コースコンディション:ドライ
晴天に恵まれたハンガロリンクには、ハンガリー出身で予選2番手となったZengő Motorsportのノルベルト・ミケリス選手を応援する多くのファンが詰めかけ、スタンドを埋め尽くしました。午前8時45分から行われたウォームアップセッションでは、ミケリス選手が駆るHonda Civic WTCCがトップタイムをマークし、ファンの期待はさらに高まりました。
午後0時35分にスタートが切られたレース1は、2番手スタートのミケリス選手、3番手スタートのCastrol Honda World Touring Car Teamのガブリエーレ・タルクィーニ選手がオープニングラップでもポジションをキープし、トップを目指し追撃態勢に入ります。しかし、4番手からスタートしたティアゴ・モンテイロ選手(Castrol Honda World Touring Car Team)は、スタート直後のターン2で後続車と接触し、ポジションを大きく落としました。そのあと2周目に、接触時のマシントラブルが原因でコースアウトし、リタイアとなりました。
トップを追うミケリス選手はその差を詰めながら、後続を引き離していきます。トップに迫るミケリス選手には、スタンドから大声援が送られます。しかし、プッシュし続けるもののパスするには至らず、僅差の2位で12周のレースをフィニッシュしました。
タルクィーニ選手は、ペースが上がらず、前を行く2台からは引き離されましたが、安定したドライビングで後続のアタックを抑えます。そして、3位のポジションを守りきり、チェッカーフラッグを受けました。レース1で、Honda Civic WTCCは2-3位の表彰台を獲得しました。
レース2はリバースグリッドのルールにより、ミケリス選手は8番手、タルクィーニ選手は7番手からのスタートとなります。モンテイロ選手はレース1でダメージを受けたマシンの修復をギリギリまで行い、ピットスタートとなりました。
午後2時50分にレース2がスタンディングスタートによって始まりました。好スタートを切ったタルクィーニ選手でしたが、スタート直後のターン3で他車と接触。スピンしたあと、タイヤバリアにクラッシュし、そのままリタイアとなりました。タルクィーニ選手はこの激しいクラッシュにより、検査のために病院へ向かいました。
このアクシデントで、4周にわたってセーフティカーが導入され、レース周回は14周となりました。レースが再開された5周目開始時点で、ミケリス選手は11番手とポジションを落としていましたが、レース再開後すぐに9番手、6周目には8番手とポジションを上げました。そのあとも上位進出を目指して激しくプッシュしますが、ポジションは変わらず8位でレースを終えました。最後尾からのレースとなったモンテイロ選手も、上位を目指しポジションを一つずつ上げ、14周のチェッカーフラッグを13位で受けました。
シリーズポイントはタルクィーニ選手が114ポイントでランキング2位。ミケリス選手とモンテイロ選手はともに48ポイントで10位と11位になっています。Hondaはマニュファクチャラーズポイントを332に伸ばし、1位をキープしています。
ノルベルト・ミケリス選手(2位/8位)「レース1では完ぺきにタイヤを管理できました。レースが終わるまで、競争力のあるスピードを保てることは分かっていました。残念ながらトップの選手がいいスタートを切ったので、スタート直後にトップを奪うことはできませんでしたが、2位はゼングー・モータースポーツにとってすばらしい結果です。私の目標は表彰台に立つことでしたが、実現できてうれしく思います。優勝ができなくてファンに申し訳ありませんが、表彰台もいい結果ですし、Hondaと私自身のシリーズポイント争いのために、さらにポイントを加算することができました」
ガブリエーレ・タルクィーニ選手(3位/リタイア)「まだ開発途中の新しいHonda Civic WTCCで、また表彰台に立ててうれしく思います。全体的なパフォーマンスはよかったのですが、ペースは上がりませんでした。レースの大半は、後続からポジションを守ることに費やしましたが、それからも最後は抜け出すことができました」(レース1終了後のコメント)
ティアゴ・モンテイロ選手(リタイア/13位)「レース1では、混み合ったスタートの中、最初の方のコーナーで接触がありました。なんとかマシンを立て直すことができましたが、ステアリングとブレーキにダメージを受けたようで、マシンのコントロールを失い、タイヤバリアをよけることができませんでした。チームがマシンを修復してくれたおかげで、レース2に出走できました。集団の真ん中でHonda Civic WTCCを走らせ、激しいトラフィックの中での挙動を学ぶことができたのは、いい経験になったと思います。小さなすき間を縫うような走りで、少しでも多くポイントを取り、表彰台を狙うために争わなければなりませんでした。WTCCの激しい戦いを甘く見てはいけません。マシン、チーム、ドライバーのすべてが、少しでもいい結果を狙って、最高のレベルで戦うレースです」
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー「エンジンのパフォーマンスは3台とも同じでした。今日は長いホームストレートを含むセクター1のスピードを上げるため、ターボチャージャーのセッティングを向上させました。その結果、昨日よりタイムがよくなったと思います」
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | Y.ミュラー | シボレー | 12 | 23:17.125 |
2 | 5 | ノルベルト・ミケリス | Honda | 12 | +0.617 |
3 | 3 | ガブリエーレ・タルクィーニ | Honda | 12 | +12.670 |
4 | 1 | R.ハフ | セアト | 12 | +13.573 |
5 | 25 | M.ベナーニ | BMW | 12 | +13.861 |
6 | 15 | T.コロネル | BMW | 12 | +14.133 |
RT | 18 | ティアゴ・モンテイロ | Honda | 1 | DNF |
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ハフ | セアト | 14 | 29:35.871 |
2 | 25 | M.ベナーニ | BMW | 14 | +0.426 |
3 | 9 | A.マクドウォル | シボレー | 14 | +4.043 |
4 | 14 | J.ナッシュ | シボレー | 14 | +4.465 |
5 | 12 | Y.ミュラー | シボレー | 14 | +4.783 |
6 | 15 | T.コロネル | BMW | 14 | +5.490 |
8 | 5 | ノルベルト・ミケリス | Honda | 14 | +7.232 |
13 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | Honda | 14 | +14.886 |
RT | 3 | ガブリエーレ・タルクィーニ | Honda | 0 | DNF |
順位 | ドライバー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | Y.ミュラー | シボレー | 160 |
2 | ガブリエーレ・タルクィーニ | Honda | 114 |
3 | R.ハフ | セアト | 68 |
4 | T.チルトン | シボレー | 67 |
5 | J.ナッシュ | シボレー | 65 |
6 | T.コロネル | BMW | 64 |
10 | ノルベルト・ミケリス | Honda | 48 |
11 | ティアゴ・モンテイロ | Honda | 48 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 332 |
2 | ラーダ | 179 |