モータースポーツ > 世界ツーリングカー選手権 > 2013シーズンに向けて

ティアゴ・モンテイロ選手

2013年3月1日(金)

2013シーズンに向けて

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(左)、ティアゴ・モンテイロ選手(右) ティアゴ・モンテイロ選手 ガブリエーレ・タルクィーニ選手 ノルベルト・ミケリス選手(マシンは2012年スペック)

Honda Racing Team JASは、最終テストのあと、2013年のFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に挑みます。WTCCは、3月24日にイタリアで開幕し、11月17日にマカオで行われる最終戦まで続きます。

Hondaは、ワークスチームとして2台体制でレースに臨みます。ドライバーは、2009年のWTCCチャンピオンであるガブリエーレ・タルクィーニ選手(イタリア)と、ティアゴ・モンテイロ選手(ポルトガル)です。(株)本田技術研究所がCivic WTCCのパワーユニットとなる4気筒の1.6リッター直噴ターボガソリンエンジンを開発し、(株)M-TECがサポートします。

チームは昨年末に好調なスタートを切り、2012年シーズンは、終盤の3レースに参戦しました。11月のマカオラウンドでは、モンテイロ選手がウオームアップ走行で2番手となるラップタイム(2分31秒844)を記録し、決勝では初めての表彰台を獲得しました。

その後、Civic WTCCは、昨年12月に栃木県の本田技術研究所で3日間の風洞実験を実施し、今年1月と2月にはバレンシアとアラゴンでテストを行いました。

また、2013年のHonda Racing Team JASは、ハンガリーのプライベートチームであるZengő Motorsport(ゼングー・モータースポーツ)とともに、レースを戦います。Zengő Motorsportは、今年初めに、Honda Civic WTCCでWTCCに参戦することを発表しました。ドライバーはノルベルト・ミケリス(ハンガリー)です。Zengő Motorsportのマシンは、ワークスチームがレースで使用するCivic WTCCと同じスペックで、J.A.S. Motorsportが組み立てます。

さらに、2013年のWTCCヨーロッパラウンドのパドックには、Hondaのお客さまとレースの楽しさを共有するという理念に基づき、「Hondaファンゾーン」を開設し、観戦される皆さまに対し、レースの世界をより身近に感じていただく機会を提供します。

※写真はイタリア・クレモナにあるサーキットでのテストの模様です。

アレッサンドロ・マリアーニ|Honda Racing Team JAS チーム代表

「2013年のレースにつながる、Hondaとチームが成し得たすばらしい成果と、レースで培われたスピリットを誇りに思っています。このスピリットは、これから大きな目標に挑む上で不可欠です。新たに参入するチームにとって、WTCCで優勝することは極めて難しいことだと認識していますが、全世界のHondaファンとレースファンのために、全力で取り組みます」

アンドレア・アダモ|Honda Racing Team JAS チーフデザイナー

「Civic WTCCは徹底的にテストを行い、数々の改良を加えました。まず、マシンの空力性能を向上させ、サスペンションの設計も強化し、さらにマシンのフロント構造にも改良を加えました。また、ブレーキには、AP Racingと協力して製作した前後のキャリパーを採用しました」

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「WTCCは、テール・トゥ・ノーズのせめぎ合いが最大で20分間も続く、エキサイティングなスプリントレースです。車間が50cmにも満たないほどに肉薄する前のマシンを追い越すには、ドライバーはチャンスに一瞬で反応しなければならず、そのためにはエンジンやマシンが瞬時に反応してくれなければなりません。これを実現するために、開発ではマシンの操作性の向上に重点を置きました。エンジンの微調整も行って、ドライバーによるコントロール性能を高め、ドライバーがマシンを意のままに操ることができるようにしました。特に、ターボチャージャーのタービン回転数の微調整、ターボブースト(過給圧)の制御、およびエンジン回転数の上昇という点において、さまざまな改善が施されています。また、吸気ポートの形状の改善にも取り組み、インテークマニホールドの長さを最適化するとともに、点火システムについても改良を施しました」

世界ツーリングカー選手権(WTCC)概要

・WTCCは、FIA世界ツーリングカー選手権(FIA World Touring Car Championship)の略称です。
・車両のスペックは、FIAのスーパー2000規定に基づいています。
・参戦するすべての車両は、4つ以上のシートを装備した量産車をベースとしています。
・エンジンレギュレーションは、1.6リッター直噴ターボガソリンエンジンです。
・各レースは50〜60kmの距離で展開されます。
・1シーズンに、12カ国で2レースずつ開催され、計24レースが行われます。

詳細はwww.fiawtcc.com(英語)をご覧ください

2013 Honda Civic WTCCスペック

エンジン
形式 直列4気筒直噴 インタークーラーターボガソリンエンジン
排気量 1.6リッター
潤滑方式 ドライサンプ
車両重量および寸法
重量 1100kg
全長 4300mm
全幅 1830mm
ホイールベース 2605mm