モトクロス世界選手権第18戦ガルダ・トレンティーノGPが、イタリアのピエトラムラタで行われました。今季はレースカレンダーが何度もアップデートされてきましたが、当初計画されていたアルゼンチンGPがキャンセルされたため、このトリプルヘッダーの3戦目(日曜/水曜/日曜)がシリーズ最終戦となりました。
前戦で4度目の王座(MX2=2015、MXGP=2016、2019、2020)に就いたティム・ガイザー(Team HRC)は、通算総合優勝回数を28勝と積み上げたことでアンドレ・マラーベ(500ccチャンピオン=1980、1981、1984)の27勝を抜き、Team HRCに所属したライダーの中で最多勝記録を樹立しています。
タイトなテクニカルコースとして知られるピエトラムラタは、トリプルヘッダー最終日ということもあって、荒れたハードパック路面には小石の露出も目立っていました。ガイザーは計時予選をクレバーに走り、1分43秒443でゲートピック5番手となりました。
決勝レース1では、スタート2番手につけたガイザーが、3周目にトップに立ちました。背後にはロマン・フェーヴル(カワサキ)が迫り、6周目には逆転されました。フェーヴルを追うガイザーは、1秒前後のビハインドで機をうかがいましたが、テールトゥノーズでラスト3周に突入した際にミスがあり、2位でフィニッシュしました。
レース2では、1コーナーを5番手でクリアしたガイザーでしたが、オープニングラップの巧みなさばきにより2番手に躍進。2周目にはジェレミー・シーワー(ヤマハ)をかわして、レースリーダーとなりました。やがて2番手がフェーヴルに入れ替わり、レース1同様のトップ争いになりました。10分を経過する頃は3秒ほどでしたが、ガイザーはマージンを徐々に広げて独走。最終的に15.9秒差でチェッカーを受けたガイザーが、総合優勝(2位/1位)を飾り、自身の通算記録を29勝と更新しました。
ティム・ガイザー(2位/1位 総合優勝)
「何度もコメントしてきたことですが、水曜日に4回目の世界タイトルを獲得したことがうれしくてたまりません。今日のプランはただレースを楽しむことでしたが、思い通りになりました。シーズン最後の大会で総合優勝できるとは、これ以上のリザルトはありません。多大な尽力によってハードワークを続けてくれたチームスタッフ全員に対し、心から感謝の意を表したいと思います。3月に開催されたイギリスGPとオランダGPでは順調でしたが、長い休止期間を経て再開した頃は、あまり乗れていなくて戸惑いました。シーズン後半にはスピードや安定性が復活し、タイトルを獲ることができました。今日のレース1ではトップ争いの相手と同じペースで走っていたのですが、第3セクションでは自分のタイムが遅くて、どこだか知りませんが抜かれてすぐにはアタックを仕掛けず、しばらく後をつけて様子を見ることにしました。結局抜き返すことができず、2位でフィニッシュしました。レース2では好スタートを切って、早めにトップに立ちました。またしても同じペースの走行になったのですが、3~4秒差をつけたので追い上げは難しかったはずです。その後たぶん彼にミスがあったのか大差になったので、勝つことができました。シーズン最終戦で総合優勝できたので完璧です」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 19 | 33'44.705 |
2 | 243 | ティム・ガイザー | 19 | +1.946 | |
3 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 19 | +27.592 |
4 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 19 | +29.763 |
5 | 4 | A.トヌス | ヤマハ | 19 | +36.843 |
6 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | +47.636 |
8 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 19 | +1'08.856 | |
10 | 92 | バレンティン・ギロド | 19 | +1'12.032 | |
19 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 18 | +1Lap | |
24 | 201 | ザッカリー・ピション | 10 | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 19 | 33'53.636 | |
2 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 19 | +15.977 |
3 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 19 | +19.364 |
4 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 19 | +23.276 |
5 | 189 | B.ボジャーズ | KTM | 19 | +27.880 |
6 | 32 | B.ファン・ドニンク | ヤマハ | 19 | +31.674 |
13 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 19 | +1'13.254 | |
21 | 201 | ザッカリー・ピション | 18 | +1Lap | |
24 | 92 | バレンティン・ギロド | 10 | +9Laps | |
25 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 6 | +13Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | 720 | |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 618 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 599 |
4 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 572 |
5 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 505 |
6 | 61 | J.プラド | KTM | 476 |
9 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 316 | |
14 | 43 | ミッチェル・エバンス | 228 | |
24 | 92 | バレンティン・ギロド | 88 | |
25 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 82 | |
28 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 67 | |
38 | 201 | ザッカリー・ピション | 12 | |
39 | 151 | ハリー・クラス | 11 | |
40 | 991 | ネイサン・ワトソン | 10 | |
46 | 555 | アルテム・グリエフ | 2 | |
48 | 297 | アントン・ゴール | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 764 |
2 | 757 | |
3 | ヤマハ | 690 |
4 | カワサキ | 661 |
5 | ガスガス | 486 |
6 | ハスクバーナ | 383 |