モトクロス世界選手権第6戦イタリアGPが、ファエンツァで行われました。新型コロナウイルス感染症の流行によって、開催日程が大幅に見直された結果、最新のレースカレンダーではイタリアのコースで9戦(ファエンツァ×3戦、マントバ×3戦、ピエトラムラタ×3戦)が予定されています。いずれもラトビアで実施されたトリプルヘッダーと同様に、各会場で集中開催(日曜/水曜/日曜)されます。
前戦から3週間ぶりのグランプリとなりましたが、ティム・ガイザー(Team HRC)は母国スロベニアで単独練習を積んで今大会に備えました。ミッチェル・エバンス(Team HRC)はラトビアからイタリアに移動し、こちらもトレーニングと走り込みを行ってきました。特にエバンスの場合は、負傷からの復調過程にあるため、インターバルを活用できたことが幸いだったようです。
午前中に行われた計時予選では、ガイザーが3番手、エバンスは13番手となるタイムで決勝に駒を進めました。
レース1のグリッドは、ガイザーが中央からややアウト側、エバンスはほぼ中央からスタート。エバンスは6番手、ガイザーは19番手と出遅れましたが、オープニングラップを終えると、ガイザー9番手、エバンス11番手と入れ替わりました。序盤の混戦が落ち着くと、中盤からはゴーティエ・ポーリン(ヤマハ)とガイザーの5番手争いが続きましたが、その過程でガイザーが転倒。最終ラップにはペースが落ちて8位でチェッカーを受けました。僚友のエバンスは中盤8番手を走行した後、ロマン・フェーヴル(カワサキ)に抜かれて9位となりました。
レース2では、ガイザーが6番手スタートからクレモン・デサール(カワサキ)、アントニオ・カイローリ(KTM)を相手にデッドヒートを展開。5~6番手のポジションを奪い合う激戦が続きました。レースが残り1分を切った時点で、トップから6番手のガイザーまで7秒という接近戦でしたが、パッシングポイントの少ないコースでは劇的なポジションアップは望めず、ガイザーは5位でフィニッシュ。エバンスはスタート11番手から7位まで追い上げ、復調ぶりをアピールしました。
ティム・ガイザー(8位/5位 総合3位)
「最初のうちはまずまずのフィーリングでした。タイムドプラクティスのコースコンディションはよかったし、レース中もいい状態に保たれていました。ただし、ここは抜きにくいコースなので、鍵はスタートの良し悪しにありました。ところが今日は、2レースとも大事なスタートを決めることができなかったんです。出遅れてしまったので、集団の中から這い上がらなければならなかったのですが、レース1では2度も転倒したこともあって、ポジションアップもままならず、とてもがっかりしました。レース2のほうがペースもよく、乗れていました。トップから5位までタイム差が少ない接戦でしたが、仕掛けたくてもできなかったというレースでした。ここファエンツァではあと2戦あるので、今日のことは忘れて次のレースに集中したいと思います。チームがいつものようにマシンを準備してくれることが分かっているので、水曜日に結果を残すだけです」
ミッチェル・エバンス(9位/7位 総合12位)
「ファエンツァの初戦は好感触でした。依然としてレースごとに向上することを目指していますが、今日もまた達成できたと思います。レース1で9位、レース2で7位だったので、リザルトにはとても満足しています。最初の2戦はトップ10を目指して、その後じっくりとトップ5に入りたいと考えていたのですが、上位のライダーはすごく速いペースで走っているので、まだまだですね。それでも正しい方向に進んでいますし、毎レース乗れてきている実感があるので、今日の経過については非常に満足しています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 35'19.086 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 17 | +04.449 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +05.809 |
4 | 61 | J.プラド | KTM | 17 | +18.901 |
5 | 21 | G.ポーリン | ヤマハ | 17 | +20.460 |
6 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 17 | +27.508 |
8 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | +34.581 | |
9 | 43 | ミッチェル・エバンス | 17 | +39.860 | |
15 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 17 | +1'14.633 | |
22 | 92 | バレンティン・ギロド | 17 | +1'42.723 | |
24 | 201 | ザッカリー・ピション | 17 | +1'49.326 | |
28 | 555 | アルテム・グリエフ | 16 | +1Lap | |
30 | 45 | ダビデ・デ・ボルトリ | 10 | +7Laps | |
31 | 297 | アントン・ゴール | 8 | +9Laps | |
33 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 6 | +11Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 35'18.731 |
2 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 17 | +01.973 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +07.461 |
4 | 3 | R.フェーヴル | カワサキ | 17 | +09.053 |
5 | 243 | ティム・ガイザー | 17 | +09.691 | |
6 | 61 | J.プラド | KTM | 17 | +23.291 |
7 | 43 | ミッチェル・エバンス | 17 | +45.795 | |
12 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 17 | +1'04.954 | |
18 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 17 | +1'35.006 | |
29 | 555 | アルテム・グリエフ | 16 | +1Lap | |
31 | 201 | ザッカリー・ピション | 12 | +5Laps | |
32 | 45 | ダビデ・デ・ボルトリ | 11 | +6Laps | |
33 | 297 | アントン・ゴール | 9 | +8Laps | |
34 | 92 | バレンティン・ギロド | 5 | +12Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 263 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 203 |
3 | 243 | ティム・ガイザー | 196 | |
4 | 27 | A.ヤシコニス | ハスクバーナ | 186 |
5 | 91 | J.シーワー | ヤマハ | 178 |
6 | 259 | G.コルデンホフ | ガスガス | 173 |
11 | 89 | ジェレミー・ファン・フォルベーク | 104 | |
12 | 43 | ミッチェル・エバンス | 92 | |
20 | 6 | ブノワ・パトゥレル | 45 | |
27 | 151 | ハリー・クラス | 11 | |
30 | 53 | ディラン・ウォルシュ | 9 | |
31 | 92 | バレンティン・ギロド | 9 | |
38 | 297 | アントン・ゴール | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 270 |
2 | 231 | |
3 | ヤマハ | 217 |
4 | カワサキ | 202 |
5 | ハスクバーナ | 189 |
6 | ガスガス | 187 |