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モトクロス世界選手権

SCHEDULE
round 11

 

June 22 2014, RACE FIM Motocross World Championship Germany

ドイツドイツ

ナグルがケガからの復帰戦のレース1で優勝し、総合2位を獲得

2014年6月22日(日)・決勝  会場:トイチェンタル  天候:曇り、晴れ  気温:18℃  観客:3万1000人

FIMモトクロス世界選手権第11戦となるドイツGPが、ハレ市の郊外にあるトイチェンタルで開催されました。会場となったのは、起伏に富んだ硬質路面のタルケッセル・サーキットで、昨年の第67回モトクロス・オブ・ネイションズの開催地でもあります。

  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグル(#12)マキシミリアン・ナグル(#12)
  • ティム・ガイザーティム・ガイザー
  • ティム・ガイザーティム・ガイザー
  • ティム・ガイザーティム・ガイザー

曇り空でおだやかな天候のもと、3万1000人の大観衆が見守る中で、HondaはMXGPとMX2の両クラスで見事な表彰台登壇を達成。Team HRCのマキシミリアン・ナグルは、右手舟状骨の骨折から鮮やかなカムバックを遂げ、地元の熱狂的なファンの前でワークスマシンCRF450RWをMXGPクラス総合2位に導きました。MX2クラスでは、ティム・ガイザー(Team Gariboldi)が、今シーズン2度目、そしてキャリア2度目となる総合2位への入賞でポディウムに立ちました。

Team HRCのテントには、ライダーはナグルしかいませんでした。先週の日曜日に行われたイタリアGPで、チームメートのイブジェニー・バブリシェフが脚を2ヶ所骨折し、手術のために戦列を離脱。今季チームが襲われている、信じがたいような負傷の連鎖に直面しながらも、スタッフはナグルの復帰を喜んでいました。ナグルは、当初前戦のマジョーラでカムバックする予定でしたが、腕に軽い感染症があったため、今週末のトイチェンタルまで復帰を1週間延期していました。

関節に痛みの残るナグルにとって、逆バンクでワダチだらけのコーナーや巨大なジャンプで構成されているタルケッセルは、決して簡単なコースではありませんでした。しかし、土曜日の予選レースでは、3位に入って日曜への準備を整えました。

レース日は明け方から曇っており、風も吹いていました。30分プラス2周で競われるレース1で、ナグルはホールショットから独走ペースをつかみ、コース全周を埋め尽くしたファンを驚かせました。クレメント・デサール(スズキ)のマークを振りきり、フィニッシュジャンプでチェッカーフラッグを受けたナグルは、開幕戦カタールGP以来の優勝。レース2ではスタートがうまくいきませんでしたが、手堅く7位でフィニッシュし、総合2位を獲得しました。この総合成績は、3月にロサイルで行われたカタールGP以来の、ナグルがTeam HRCで記録したベストリザルトでした。

無得点のグランプリが5戦続きましたが、ナグルは2014シーズンを再開できたことに満足しています。ただし、終盤戦で本領を発揮するには、ドイツとベルギーの国内選手権でライディングにもっと磨きをかける必要があるといいます。ナグルは現在MXGPランキング8位につけていて、トップ5からは37ポイント差です。

MXGPクラスを制したのはデサール、3位にはジェレミー・ファンホービーク(ヤマハ)が入りました。

MX2クラスでは、ガイザーが土曜の予選レースでデュラン・フェランディス(カワサキ)を追走して抜き去り、すばらしいポテンシャルを披露。予選2番手という成績は彼のここまでのベストパフォーマンスでした。

スロベニア出身のガイザーは、“路面電車の軌道”と呼ばれるタルケッセルのコースで効果的なラインを見つけ、日曜日の表彰台へ照準を定めました。ティーンエイジャーのルーキーはファクトリーマシンCRF250RWを駆り、ジェフリー・ハーリングス(KTM)には離されたものの、両レースともに2位フィニッシュし、総合2位。彼がトロフィーを獲得するのは、先月のイギリスGPで初めてポディウムに立って以来2度目です。総合3位には、フランス人のジョルディ・ティクシー(KTM)が入賞しました。

ガイザーはあと6戦を残す現時点で、MX2ランキング6位、トップのフェランディスに対して30ポイントのビハインド。チームメートの山本鯨は、7日前にマジョーラで背中に火傷を負ったため、今大会への参戦は見合わせました。

2週連続でイタリアGPとドイツGPを消化したあと、短いブレイクを挟んでチームはスウェーデン(7月6日)、フィンランド(7月13日)の北欧2連戦に臨みます。

コメント

マキシミリアン・ナグル(MXGP 優勝/7位 総合2位)
「僕が今大会の表彰台に上がるなんて、自分自身も含めてだれも予想できなかったと思います。カムバックするからには、トップを走れる速さと強さがなければいけないと思っていました。体調が万全じゃないという理由だけで、中団のどこかに埋もれてしまうのは嫌だったからです。レース1では絶好のスタートが決まって、そこからは自分のハイペースを安定して保ちながらも攻め続けました。クレメント(デサール)が接近してくるのを見て、この先疲れるのではないかと心配しましたが、とにかく飛ばし続けました。レース後にはとても疲労を感じましたが、地元の大観衆の前で勝つことは、特別なことでした。レース1にすべてを注ぎ込みましたし、もし勝てたら、あとはどうなっても構わないと思っていました。レース1とレース2の間は十分に回復しましたが、レース2のスターティングゲートに向かいながら、早くも疲れを感じていました。負傷欠場から復帰するときは、いつも自分の体力やスピードがどのくらいのレベルなのか分からなくて、気持ちをコントロールするのが難しいです。自分が十分に速くて強いことは、今日のレースで証明できたと思います。休んでいる間はテストができませんでしたが、これからばん回してマシンの性能も向上できると信じています。これからは、ほぼ毎週グランプリがありますし、それ以外のレースにも出場します」

ティム・ガイザー(MX2 2位/2位 総合2位)
「両方のレースについて、とても満足しています。どちらもスタートに成功して3番手でしたが、レース2ではブトロンを抜いて2位を獲得しました。ジェフリー(ハーリングス)は今日も速すぎました。今まではどちらかが悪くて、もう一方がまあまあということが多かったのですが、土曜も日曜もよかったのは、これが初めてのような気がします。今は身体も調子がよくて、毎戦どんどん上向きになっています」

決勝リザルト

MXGP(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
112マキシミリアン・ナグルHonda2035'05.736
225C.デサールスズキ20+01.314
3183S.フロサールカワサキ20+09.685
489J.バン・ホービークヤマハ20+10.918
5222A.カイローリKTM20+11.663
624S.シンプソンKTM20+43.193
 
2062クレメン・ガーチャーHonda20+1'38.109
27 251 フィリップ・スレッソン Honda 12 +8Laps
MXGP(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
125C.デサールスズキ2035'11.077
222K.ストリボススズキ20+06.867
389J.バン・ホービークヤマハ20+18.229
4222A.カイローリKTM20+23.148
524S.シンプソンKTM20+26.615
619D.フィリッパーツヤマハ20+28.055
 
712マキシミリアン・ナグルHonda20+29.208
2562クレメン・ガーチャーHonda2+18Laps
MX2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
184J.ハーリングスKTM2035'05.455
2243ティム・ガイザーHonda20+21.320
3122D.フェランディスカワサキ20+23.651
4911J.ティクシーKTM20+23.844
5461R.フェーヴルハスクバーナ20+44.408
692V.ギロドKTM20+47.939
 
14210フセヴォロド・ブリリャコフHonda20+1'23.807
21346 トーマス・キュア・オルセンHonda19+1Lap
22107ラーズ・ヴァン・バーケルHonda19+1Lap
23141マキシム・デスプレイHonda19+1Lap
MX2(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
184J.ハーリングスKTM2034'28.150
2243ティム・ガイザーHonda20+41.321
3911J.ティクシーKTM20+51.532
492V.ギロドKTM20+52.224
559A.トンコフハスクバーナ20+56.392
6461R.フェーヴルハスクバーナ20+58.995
 
14210フセヴォロド・ブリリャコフHonda20+1'25.402
24141マキシム・デスプレイHonda19+1Lap
25107ラーズ・ヴァン・バーケルHonda19+1Lap
26346トーマス・キュア・オルセンHonda19+1Lap

ポイントスタンディング

ライダー(MXGP)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリKTM477
2C.デサールスズキ452
3J.バン・ホービークヤマハ440
4K.ストリボススズキ350
5S.シンプソンKTM242
6S.フロサールカワサキ237
 
8マキシミリアン・ナグルHonda205
10イブジェニー・バブリシェフHonda184
13ザビエル・ブーグHonda159
14ジョエル・ローランツHonda158
27クレメン・ガーチャーHonda27
30マルク・ド・ルーバーHonda13
33ジェレミー・デリンスHonda12
34イェンス・ゲッテマンHonda11
36セイドリック・ソーベイラスHonda8
40フィリップ・スレッソンHonda6
46 アンジェロ・ペレグリーニ Honda2
48アーノン・テプリブHonda2
マニュファクチャラー(MXGP)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM477
2スズキ468
3ヤマハ440
4カワサキ405
5Honda340
6ハスクバーナ214
7TM211
ライダー(MX2)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ハーリングスKTM494
2A.トヌスカワサキ389
3J.ティクシーKTM369
4R.フェーヴルハスクバーナ358
5D.フェランディスカワサキ343
6ティム・ガイザーHonda313
 
20マキシム・デスプレイHonda75
25フセヴォロド・ブリリャコフHonda27
28山本鯨Honda17
30シモン・マレットHonda14
35ヘクター・アスンソンHonda4
40アレッサンドロ・アンジェロHonda2
41ラーズ・ヴァン・バーケルHonda2
マニュファクチャラー(MX2)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM524
2カワサキ448
3ハスクバーナ366
4スズキ327
5Honda323
6ヤマハ290
7TM6