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モトクロス世界選手権

round 02

SCHEDULE

March 9 2014, RACE FIM Motocross World Championship Thailand

タイタイ

ナグルがレース1を6位、レース2を4位で終え、ランキング2位をキープ

2014年3月9日(日)・決勝  会場:シーラチャー  天候:晴れ  気温:33℃  観客:16000人

2014年FIM世界選手権モトクロス第2戦タイGPが、シーラチャーで開催されました。Team HRCのマキシミリアン・ナグルとイブジェニー・バブリシェフは、表彰台こそ獲得できなかったものの、非常に難しい条件の中で健闘をみせました。当地特有の蒸し暑い気候のもと、最高峰のMXGPクラスでは、ナグルがスタートの出遅れから総合4位までばん回し、バブリシェフは足首の痛みに歯を食いしばりながら総合6位を獲得。総合優勝は、ディフェンディングチャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)でした。

  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • マキシミリアン・ナグルマキシミリアン・ナグル
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ
  • イブジェニー・バブリシェフイブジェニー・バブリシェフ

パタヤ市に程近いシーラチャー・サーキットは、2つの丘をジグザグに行ったり来たりするレイアウトで、スムーズなハイスピードコース。土質はソフトで掘れやすく、大きなジャンプと広いコーナーで構成されているため、あまりタイム差が生まれないのが特徴で、ライバルとの距離を詰めたり、引き離すことが難しいコースです。

前週にロサイルで行われたカタールGPで、Honda移籍後初めて表彰台に登壇したナグルは、自信と前向きな気分とともにタイへ移動してきました。ナグルは予選中にワダチでリアブレーキペダルを曲げてしまい、不運なリタイアを喫します。このため、決勝レースでは、長い登り坂のストレートに向かうスターティンググリッド選びが不利になってしまいました。

さらに、タイには成分が異なるガソリンが持ち込まれることが、FIMと各チームの間で合意されていましたが、これに30℃を超える高温が作用して、ほかのチームやメーカーはエンジン不調に見舞われました。ナグルはCRF450RWを状況に応じて最適化しようと試みていましたが、得意のロケットスタートを実現するまでの性能は引き出すことができませんでした。両レースを通じて後方から追い上げる試練を受けたたナグルでしたが、彼のスピードは突出しており、30分プラス2周で競われるレース1では6位までばん回。レース2では4位まで順位を上げました。これによって、ナグルはMXGPクラスのポイントランキング上で、首位カイローリに16点差の2位につけています。

バブリシェフは、開幕戦で勇敢な走りを披露したあとの貴重な日々で、負傷中の右足首を癒やしました。バブリシェフは足を引きずりながらCRF450RWにまたがり、右コーナーにおけるハンディを感じながらも、猛暑の中で任務を遂行。スムーズでハイスピードだったレース1では、苦戦して11位にとどまりましたが、レース2ではチームメイトのナグルを追走し、バンプやワダチをうまく利用してリズムをつかんだ結果、7位に入りました。

MXGPの表彰台には、総合優勝のカイローリ、総合2位のクレメント・デサール(スズキ)、総合3位のジェレミー・バン・ホービーク(ヤマハ)が登壇しました。

MX2クラスでは、ヨーロッパチャンピオンのティム・ガイザー(Team Gariboldi)が苦戦。レース1では12位、レース2ではメカニカルトラブルによって、追い上げの途中でリタイアを余儀なくされてしまいました。スロベニア人のガイザーは、HRCの支援を受けてCRF250RWを駆り、現在ランキング12位につけています。日本から世界選手権に参戦する唯一のライダーであるチームメートの山本鯨は、レース1で20位に入り1ポイントを獲得しましたが、レース2では転倒でヒザを傷めてリタイアとなりました。

FIMモトクロス世界選手権の第3戦は、3週間後にブラジルのテーマパーク、ベトカヘロ内に設けられたコースで開催されます。今年はブラジルで2大会が行われる予定で、次回のブラジルGPはHondaがスポンサーとなっています。

コメント

マキシミリアン・ナグル(MXGP 6位/4位 総合4位)
「今日は自分のライディングにとても満足しています。レース1では、ほぼ最後尾の予選ポジションから6位までばん回しましたが、少々マシンにトラブルが発生しました。レース2でもスタートで出遅れましたが、4位まで追い上げることができました。自分としては乗れていたのですが、だれもが同じようなマシントラブルを抱えていたようです。私の前を走っていた(ケビン)ストリボス(スズキ)と、(スティーブン)フロサール(カワサキ)は、ガソリンの違いと気温の高さによってエンジンが不調になり、ジャンプが飛べなくなったほどでした。彼らを抜いた次の周に自分も同様のトラブルに見舞われ、スローダウンしなければなりませんでした。難しかったですが、その割にはいい大会だったと思います。ランキングでは好位置を失っていないので、とてもうれしいです」

イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 11位/5位 総合6位)
「レース1ではあまり調子がよくなくて、ラインもあまり多くなかったです。スタートの出足も決まらず、15番手あたりでした。右コーナーにうまくスライドさせて進入することができず、ずいぶん抜かれましたし、飛び出した石で足を打ち、かなりひどい痛みでした。11位に入ってポイントを獲得できたのは大事なことです。レース2では中盤にマックス(ナグル)に抜かれましたが、そこからは彼についていきました。もっといいラインがありましたし、ワダチもあったので、レース2の方がハイペースで走ることができました。困難だったのは気温の高さで、とても信じられない暑さでしたが、今年からレース時間が5分短縮されたので助かりました。もう一つの問題は、集団に飲み込まれた序盤の数周です。ケガをしている足にぶつけられるのが怖くて、だれにも近寄らないように、そしてできるだけ冷静でいるように努めました。火曜日には治療を受けて、ブラジルGPに向けてコンディションを整えたいです」

ティム・ガイザー(MX2 12位/22位 総合18位)
「レース1ではあまりいいスタートが切れず、15番手くらいでした。何人かを抜いて12位でフィニッシュしました。それほど悪くなかったのですが、もっと上位に入れることは確かです。レース2でもスタートがうまく決まりませんでしたが、いくつかのコーナーを直線的にクリアしてトップ10に食い込みました。(アレッサンドロ)ルピーノ(カワサキ)をかわしたあと、8周目にマシンの調子がおかしくなってリタイアしました。シリーズポイントを考えるとよくないことですので、非常にがっかりしました。ブラジルGPを待ちたいと思います」

決勝リザルト

MXGP(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1222A.カイローリKTM1834:26.300
225C.デサールスズキ18+14.798
389J.バン・ホービークヤマハ18+31.856
421G.ポーリンカワサキ18+37.008
522K.ストリボススズキ18+44.884
612マキシミリアン・ナグルHonda18+50.347
 
9121ザビエル・ブーグHonda18+1:10.985
11777イブジェニー・バブリシェフHonda18+1:30.022
1434ジョエル・ローランツHonda18+1:45.334
18 62 クレメン・ガーチャー Honda 17 +1Lap
19 51 イェンス・ゲッテマン Honda 16 +2Laps
20 46 アーノン・テプリブHonda 16 +2Laps
21 48 ジャクリット・スクスリパイサンHonda 15 +3Laps
MXGP(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1222A.カイローリKTM1835:05.060
225C.デサールスズキ18+13.336
389J.バン・ホービークヤマハ18+30.809
412マキシミリアン・ナグルHonda18+47.127
5777イブジェニー・バブリシェフHonda18+1:00.667
647 T.ウォータースハスクバーナ18+1:01.753
 
10121ザビエル・ブーグHonda18+1:22.690
1234ジョエル・ローランツHonda18+1:42.364
1962クレメン・ガーチャーHonda17+1Lap
20 46 アーノン・テプリブHonda 16 +2Laps
24 48 ジャクリット・スクスリパイサンHonda 5 +13Laps
MX2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
184J.ハーリングスKTM1834:33.175
2259G.コルデンホフスズキ18+05.414
3200A.トヌスカワサキ18+07.604
4122D.フェランディスカワサキ18+13.176
5911J.ティクシーKTM18+21.196
699M.アンスティヤマハ18+28.504
 
12243ティム・ガイザーHonda18+1:03.531
20400山本鯨Honda17+1Lap
24 155 大塚豪太 Honda17+1Lap
29141マキシム・デスプレイHonda13+5Laps
MX2(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
184J.ハーリングスKTM1835:13.794
299M.アンスティヤマハ18+07.774
3461R.フェーヴルハスクバーナ18+17.075
4259G.コルデンホフスズキ18+20.185
5122D.フェランディスカワサキ18+26.701
6911J.ティクシーKTM18+30.492
 
11141マキシム・デスプレイHonda18+1:12.072
21 155 大塚豪太Honda 9 +5Laps
22243ティム・ガイザーHonda8+10Laps
27400山本鯨Honda5+13Laps

ポイントスタンディング

ライダー(MXGP)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1A.カイローリKTM92
2マキシミリアン・ナグルHonda76
3G.ポーリンカワサキ75
4J.バン・ホービークヤマハ72
5C.デサールスズキ71
6イブジェニー・バブリシェフHonda51
 
10ジョエル・ローランツHonda38
13ザビエル・ブーグHonda31
21クレメン・ガーチャーHonda9
23 イェンス・ゲッテマン Honda 8
24 アーノン・テプリブHonda 2
マニュファクチャラー(MXGP)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM92
2Honda76
3カワサキ75
4スズキ73
5ヤマハ72
6ハスクバーナ43
7TM42
ライダー(MX2)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1J.ハーリングスKTM97
2D.フェランディスカワサキ74
3G.コルデンホフスズキ69
4R.フェーヴルハスクバーナ66
5A.トヌスカワサキ65
6J.ティクシーKTM59
 
12ティム・ガイザーHonda33
16マキシム・デスプレイHonda22
25山本鯨Honda2
マニュファクチャラー(MX2)
順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1KTM97
2カワサキ83
3スズキ69
4ハスクバーナ68
5ヤマハ58
6Honda43
7TM3