モータースポーツ > モトクロス世界選手権 > 第1戦 カタール > 決勝
March 1 2014, RACE FIM Motocross World Championship Qatar
カタール
2014年3月1日(土)・決勝 会場:ロサイル 天候:晴れ 気温:16℃ 観客:7000人
2014年FIMモトクロス世界選手権が開幕し、ロサイル・サーキットで行われたナイトレースとしてカタールGPにおいて、マキシミリアン・ナグル(Team HRC)がレース1優勝、総合ランキング2位という好成績で発進しました。
全18戦からなるシリーズの初戦、MXGP(昨年までの10年間、MX1と呼ばれていたクラス)の総合優勝はゴーティエ・ポーリン(カワサキ)でしたが、ナグルは7000人の観客(金曜・土曜の合計数)が見守る前で、HRCによって新調されたばかりのCRF450RWを駆って、レース1で優勝。レース2では4位フィニッシュを決め、総合2位につけました。
ナグルにとっては、2011年以来久々となるFIMモトクロス世界選手権での表彰台登壇となりました。ナグルが2013年にHondaに加入して以来初めて、そしてTeam HRCにとっても2011年以降初の表彰台獲得ともなりました。
カタールの首都ドーハからほど近く、MotoGP開幕の地として知られるロサイル・サーキットは、2年連続でモトクロス世界選手権の開幕戦を開催し、今年はMXGP、MX2、ウィメンズの3クラスにおいてレースが行われました。前年よりも照明設備が増強されたこともあって、ナイトレースの見どころに満ちたレイアウトとなりました。
一方、コース自体には昨年とさほど変化がなく、荒れたハードパック路面にジャンプを数多く配置したハイスピードコースとなりました。観客数の少ないグランプリではあったものの、どのようなレースの開幕戦においてもつきものの神経を削る心理戦が繰り広げられました。
今大会の主役はナグルでした。昨年の開幕戦ではウイルス性内臓疾患で体調を崩し、Honda加入1年目の序盤を棒に振ってしまったナグルでしたが、今年はその記憶を消すために万全のコンディションで臨みました。ナグルはレース1(従来は35分プラス2周だったが、今年から30分プラス2周に改められた)で最高のスタートを切り、後続に対して余裕が持てるほどのリードを築きました。レース終盤になって、2013年ワールドチャンピオンのアントニオ・カイローリ(KTM)からの追撃を受けましたが、ナグルは2秒弱の余裕を持ってチェッカーフラッグを受けました。
レース2では、序盤から荒々しい走りでマシンを飛ばす、ポーリンとスティーブン・フロサール(カワサキ)にナグルはついていけず、慎重な走りでポジションをキープすることにしました。3位のカイローリに続いて、4位でフィニッシュしたナグルは、MXGP総合2位を獲得しました。
ナグルのチームメート、イブジェニー・バブリシェフ(Team HRC)は、総合9位という結果で一日を終えました。バブリシェフは、右ヒザのねんざがまだ完治しないままの状態でドーハを訪れ、開幕戦に出場しました。右コーナーが多いレイアウトのため、本領を発揮することができなかったようです。特に、レース2では足が接触するほど激しいバトルがあって苦戦しました。彼は痛みをこらえながら、8位/9位でフィニッシュしました。今後はヒザの回復に向けて、否応なしに時間との闘いになることでしょう。
MX2クラスのTeam Gariboldi(チーム・ガリバルディ)には、ヨーロッパ選手権チャンピオンのティム・ガイザーと、GPルーキーの山本鯨が新加入し、ガイザーはCRF250RW、山本はCRF250Rで参戦しました。ガイザーは総合9位、山本は総合22位に入りました。また、総合優勝はチャンピオンのジェフリー・ハーリングス(KTM)でした。
Team HRCのライダーがこの初戦で獲得した総合順位は、このまま各自のランキングとなります。競技参加者たちはこれからタイのバンコクに飛び、3月9日の日曜日にシーラチャーで2度目の開催となるタイGPに臨みます。
マキシミリアン・ナグル(MXGP 優勝/4位 総合2位)
「私が最後に優勝したのはずいぶんと前のことなので、自分にとってはもちろん、Hondaにとっても、関係者の皆さんにとっても、今回レース1で勝てたことはとてもうれしいことだと思います。レース1の結果を下回りたくありませんでしたので、レース2の前は少しナーバスになってしまいましたが、なんとか好スタートを決めることができました。大会期間中はずっと自分の走りに満足していましたし、すべてが完ぺきでした。走行セッションを重ねるたびに少しずつセッティングを変えて、少しずつ向上させることができました。マシンセッティングの方法として、ベストなやり方でした。モトクロス世界選手権のMXGPクラスともなると、トップ争いをするライダーにはほとんど差がありません。同等のスピードを持つライバルを抜くためには、相手がミスをしてくれるのを待つか、自分の勢いが上回るスポットを見つけないといけません。ただ、それは非常に難しいことですから、スタート時に前に出ることが重要になります。レース2ではスターティングゲートを飛び出すタイミングはよかったのですが、1コーナーまでのストレートでスピードが少し足らず、ホールショットをとることができませんでした。いずれにしても、レース2における4位という結果には満足しています。開幕戦での高得点によって、理想的な形で新しいシーズンを迎えることができたからです」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 8位/9位 総合9位)
「今大会でよかったことと言えば、スタートぐらいでしょうか。スピードもありました。すべてが悪くはなかったのですが、滑りやすい路面に手を焼いてしまいました。右コーナーが多いコースレイアウトだったので、ケガした方の足をうまく使えず、身体に食い込むような鋭い痛みがありました。ケガを押して出場し、トップライダーのペースに合わせようとして戦いました。レース1ではなんとか8位に入れましたが、そこまでが精一杯でした。そして、レース2では右足首を2回もひねってしまいました。レース序盤での競り合い中に、2人の選手にブロックパス(相手の走行ラインをふさいだまま走り、ブロックすること)を仕掛けられ、マシンが足に接触し、悔しくて歯を食いしばりながらゴールしました。この先、シーズンは長いですが、現時点での状況は非常に厳しいです。足首をねんざしてから2週間経過してもこの状況ですから、完治までまだ何日もかかると思います」
山本鯨(MX2 22位/20位 総合22位)
「とても疲れましたが、いい経験になりました。コースは難しかった半面、とてもおもしろく、楽しめました。MX2には、世界レベルの速いライダーが大勢いるので、もっと練習して成長する必要があると痛感しています。来週はタイGPですが、暑さでスタミナを消耗するライダーが出てくるはずですから、そこに自分が食い込んでいくチャンスがあると思っています」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | マキシミリアン・ナグル | Honda | 18 | 34:57.925 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +01.942 |
3 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 18 | +07.827 |
4 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 18 | +15.643 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 18 | +26.612 |
6 | 100 | T.サール | カワサキ | 18 | +31.196 |
8 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 18 | +34.386 |
10 | 34 | ジョエル・ローランツ | Honda | 18 | +50.077 |
18 | 51 | イェンス・ゲッテマン | Honda | 17 | +1Lap |
19 | 62 | クレメン・ガーチャー | Honda | 17 | +1Lap |
21 | 121 | ザビエル・ブーグ | Honda | 9 | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 18 | 35:04.471 |
2 | 183 | S.フロサール | カワサキ | 18 | +02.773 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | +09.941 |
4 | 12 | マキシミリアン・ナグル | Honda | 18 | +13.124 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 18 | +20.093 |
6 | 25 | C.デサール | スズキ | 18 | +23.932 |
9 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 18 | +1:02.213 |
10 | 34 | ジョエル・ローランツ | Honda | 18 | +1:05.317 |
13 | 121 | ザビエル・ブーグ | Honda | 18 | +1:19.595 |
18 | 51 | イェンス・ゲッテマン | Honda | 17 | +1Lap |
19 | 62 | クレメン・ガーチャー | Honda | 17 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 122 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | 33:53.328 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | +00.329 |
3 | 259 | G.コルデンホフ | スズキ | 17 | +02.209 |
4 | 17 | J.ブトロン | KTM | 17 | +13.569 |
5 | 461 | R.フェーヴル | ハスクバーナ | 17 | +13.882 |
6 | 59 | A.トンコフ | ハスクバーナ | 17 | +21.091 |
8 | 243 | ティム・ガイザー | Honda | 17 | +30.193 |
15 | 141 | マキシム・デスプレイ | Honda | 17 | +1:02.800 |
22 | 400 | 山本鯨 | Honda | 16 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 17 | 33:49.169 |
2 | 200 | A.トヌス | カワサキ | 17 | +01.204 |
3 | 64 | T.コビントン | カワサキ | 17 | +07.646 |
4 | 461 | R.フェーヴル | ハスクバーナ | 17 | +09.683 |
5 | 59 | A.トンコフ | ハスクバーナ | 17 | +10.437 |
6 | 122 | D.フェランディス | カワサキ | 17 | +12.271 |
10 | 243 | ティム・ガイザー | Honda | 17 | +15.526 |
15 | 141 | マキシム・デスプレイ | Honda | 17 | +34.734 |
20 | 400 | 山本鯨 | Honda | 17 | +1:16.667 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | G.ポーリン | カワサキ | 45 |
2 | マキシミリアン・ナグル | Honda | 43 |
3 | A.カイローリ | KTM | 42 |
4 | S.フロサール | カワサキ | 40 |
5 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 32 |
6 | T.サール | カワサキ | 29 |
9 | イブジェニー・バブリシェフ | Honda | 25 |
10 | ジョエル・ローランツ | Honda | 22 |
17 | ザビエル・ブーグ | Honda | 8 |
20 | イェンス・ゲッテマン | Honda | 6 |
21 | クレメン・ガーチャー | Honda | 4 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 45 |
2 | Honda | 43 |
3 | KTM | 42 |
4 | ヤマハ | 32 |
5 | スズキ | 29 |
6 | ハスクバーナ | 17 |
7 | TM | 16 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 47 |
2 | D.フェランディス | カワサキ | 40 |
3 | R.フェーヴル | ハスクバーナ | 34 |
4 | A.トヌス | カワサキ | 33 |
5 | J.ブトロン | KTM | 31 |
6 | A.トンコフ | ハスクバーナ | 31 |
9 | ティム・ガイザー | Honda | 24 |
15 | マキシム・デスプレイ | Honda | 12 |
22 | 山本鯨 | Honda | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 47 |
2 | カワサキ | 47 |
3 | ハスクバーナ | 34 |
4 | スズキ | 29 |
5 | Honda | 24 |
6 | ヤマハ | 21 |