2012年6月10日(日)・決勝 会場:アグエダ 天候:曇り時々雨 観客:1万8000人
FIMモトクロス世界選手権の第7戦ポルトガルGPはまたもや悪天候に見舞われ、重たい雲と雨によって、ここ3戦で2度目となるマディな路面で争われることになりました。そんな悪天候にも関わらず1万8000人もの観衆が見守る中、MX1ではクレメント・デサール(スズキ)が総合優勝。Honda World Motocross Teamのルイ・ゴンカルベスは、母国ポルトガルのアグエダで行われたレースで総合7位となりました。
大西洋岸から15マイルしか離れていないサーキットは独特な赤土の路面。さらに、土曜日から降り続けた雨によって、ラフでわだちの多いコンディションとなりました。水はけはよかったものの、曲がりくねったレイアウトとステップアップおよびステップダウンのジャンプによってオーバーテイクは難しい状況です。
ポルトガル史上もっとも成功したモトクロスライダーである27歳のゴンカルベスは、地元の熱烈な声援を受けてスタートしましたが、レース1の第3コーナーで発生した多重クラッシュに巻き込まれ後退。集団の後方からポジションアップを企みましたが、最終ラップでまたもバックマーカーとぶつかってしまい、14位に終わりました。
レース1に比べて天候が回復したレース2では、気を取り直し、地元の声援を受けながら5番手を走行。終盤のスプリントでエンジンをストールさせてしまい一つ順位を落としたものの、6位フィニッシュを果たしました。
チームメートのイブジェニー・バブリシェフは、ドライコンディションで行われた土曜日の予選ですばらしいスタートを切り、自身初となるポールポジションまであと少しというところまで近づきました。しかし、約5秒のリードにも関わらず、クラッシュによって脱落。自身もハンドルバーを胸にぶつけて痛めてしまいました。
翌日の決勝、最後尾からスタートしたバブリシェフは、残念ながら第1コーナーでエンジンをストールさせてしまい、そのまま26位でレースを終えました。レース2での巻き返しを誓ったバブリシェフは、中団を抜けだすことに成功し、チームメートに続く7位でフィニッシュしました。
今シーズンは、今世紀で初めてスペインGPが開催されなかったため、スペイン人ライダーのジョナサン・バラガン(LS Motors Honda)を応援するため、隣国から多くのファンが駆けつけました。
バラガンはレース1で、彼のベストパフォーマンスとも言える走りを見せ、先頭集団に続く6位でフィニッシュ。しかし、レース2では開始直後に発生したクラッシュに巻き込まれギアレバーを曲げてしまい、レース中ギアシフトに問題を抱えてしまいました。それでも忍耐強くレースを続け14位でフィニッシュ。Honda勢では2番目の好成績となる総合8位に入りました。
MX2では、CRF250Rを駆るマックス・アンスティ(Honda Gariboldi-Esta)がシーズンベストとなる総合4位を獲得。レース2では3位に入り、2009年以来となる好成績をHondaにもたらしました。
第7戦を終え、モトクロス世界選手権はそろそろ折り返し。Honda勢のポイントスタンディングは、MX1でゴンカルベスが9位、バブリシェフが11位、バラガンが13位となっています。MX2では、アンスティが5位につけています。モトクロス世界選手権第8戦は、来週末、ベルギーのバストーニュで開催されます。
ルイ・ゴンカルベス(MX1 14位/6位 総合7位)「レース1は難しい展開となりました。あまりいいスタートが切れなかった上に、第3コーナーでフィリッパーツ(ヤマハ)と衝突してしまい、お互いのマシンがくっついてしまったため、再スタートするのに時間がかかってしまいました。なんとかばん回しようとしましたが、ベストの走りをすることができませんでした。終盤にも周回遅れのマシンとアクシデントがあり、順位を落としてしまいましたが、それもレースです。このアクシデントに関しては、レース後まで引きずらないようにしたいです。ジェイミー・ロウ(KTM)や審査委員、レースディレクターとも話をしました。これは二度と起こってはならないことです。レース2ではいいスタートを切ることができました。序盤では何台かのマシンをパスできましたし、レースを通していいリズムで乗ることができました。終盤まで5番手を走行していましたが、サーキットの裏手で小さなミスをおかし、コースをそれてしまいました。エンジンがストールしたのでバンプスタートを試みましたが、ド・ディッカー(KTM)に抜かれ、順位をひとつ落としてしまいました。それがなければ5位でフィニッシュできたのですが、このレースの走りには満足していますし今後のレースに向けて自信になりました」
ジョナサン・バラガン(MX1 6位/14位 総合8位)「レース2ではスタート直後に誰かと接触してしまい、ギアレバーが完全に曲がっていたためギアチェンジができなくなってしまいました。レース1はなかなかよかったです。いいスタートを切り、速いペースで走ることができました。レース1の走りには満足していますが、レース2はとても残念な結果となってしまいました」
イブジェニー・バブリシェフ(MX1 26位/7位 総合16位)「今日はあまり幸運に恵まれなかったし、今日の結果には満足していません。レース1では何が起こったのかもよく分かりませんでした。エンジンをストールさせてしまい、再スタートさせることができませんでした。私にできることはあまりありませんでした。レース2はだいぶんよくなりました。私はレースの間中戦い続け、全力を尽くしました。おそらく始めは15番手付近を走行していたと思いますが、そこからリカバーするのは難しかったです。このトラックは滑りやすい上に石が多いので気をつけなくてはなりません」
マックス・アンスティ(MX2 10位/3位 総合5位)「この週末のスタートは難しいものになりました。レース1ではゲートの外に小さなゴミが漂っていたため、ゴーグルを外して走行しなくてはなりませんでした。このクラスではすべてのライダーがとても速く、ハードにプッシュするので、スタートがとても大事になります。レース2ではトップ10に入ることに成功し、そこから数台をパスしました。バン・ホービーク(KTM)とフェランディス(カワサキ)を追い抜くことができましたが、先頭のトミー・サール(カワサキ)とジェフリー・ハーリングス(KTM)までも1分しか差がありませんでした。我々はメキシコ以来ずっとテストを繰り返していますが、それが報われつつあります。ジャコモとすべてのHondaスタッフがすばらしい仕事をしています。次のレースが待ちきれません」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | C.デサール | スズキ | 40:04.024 | - |
2 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 40:10.179 | +06.155 |
3 | 222 | A.カイローリ | KTM | 40:20.927 | +16.903 |
4 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 40:27.574 | +23.550 |
5 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 40:45.347 | +41.323 |
6 | 7 | J.バラガン | Honda | 40:47.207 | +43.183 |
14 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 41:39.105 | +1:35.081 |
18 | 32 | M.ポティセク | Honda | 41:05.078 | +1Lap |
26 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 23:41.735 | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | G.ポーリン | カワサキ | 39:04.520 | - |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 39:05.004 | +00.484 |
3 | 25 | C.デサール | スズキ | 39:30.305 | +25.785 |
4 | 377 | C.ポールセル | カワサキ | 39:34.477 | +29.957 |
5 | 9 | K.ド・ディッカー | KTM | 39:36.070 | +31.550 |
6 | 999 | R.ゴンカルベス | Honda | 39:37.955 | +33.435 |
7 | 777 | E.バブリシェフ | Honda | 39:42.768 | +38.248 |
14 | 7 | J.バラガン | Honda | 40:22.261 | +1:17.741 |
19 | 32 | M.ポティセク | Honda | 39:14.905 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 39:10.276 | - |
2 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 39:34.671 | +24.395 |
3 | 100 | T.サール | カワサキ | 39:44.929 | +34.653 |
4 | 911 | J.ティクシー | KTM | 39:48.566 | +38.290 |
5 | 37 | V.テイレット | カワサキ | 39:54.487 | +44.211 |
6 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 40:00.353 | +50.077 |
10 | 6 | M.アンスティ | Honda | 40:38.787 | +1:28.511 |
22 | 495 | P.マティアス | Honda | 39:51.654 | +2Laps |
26 | 66 | A.トンコフ | Honda | 29:27.883 | +6Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 100 | T.サール | カワサキ | 40:43.230 | - |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 41:04.041 | +20.811 |
3 | 6 | M.アンスティ | Honda | 41:57.240 | +1:14.010 |
4 | 22 | D.フェランディス | カワサキ | 42:05.307 | +1:22.077 |
5 | 45 | J.ニコルズ | KTM | 42:07.657 | +1:24.427 |
6 | 89 | J.バン・ホービーク | KTM | 42:38.390 | +1:55.160 |
31 | 495 | P.マティアス | Honda | 23:27.360 | +11Laps |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | A.カイローリ | KTM | 295 |
2 | C.デサール | スズキ | 258 |
3 | G.ポーリン | カワサキ | 255 |
4 | C.ポールセル | カワサキ | 254 |
5 | K.ド・ディッカー | KTM | 211 |
6 | D.フィリッパーツ | ヤマハ | 190 |
9 | R.ゴンカルベス | Honda | 156 |
11 | E.バブリシェフ | Honda | 121 |
13 | J.バラガン | Honda | 110 |
20 | C.ソーベイラス | Honda | 27 |
24 | M.ポティセク | Honda | 17 |
32 | G.クレスティノフ | Honda | 5 |
35 | W.ガルシア | Honda | 4 |
36 | M.ファルファン | Honda | 3 |
38 | D.ガルシア | Honda | 2 |
40 | A.ガリード | Honda | 2 |
41 | A.ジュスト | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 306 |
2 | KTM | 306 |
3 | スズキ | 268 |
4 | ヤマハ | 219 |
5 | Honda | 204 |
6 | TM | 37 |
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | J.ハーリングス | KTM | 317 |
2 | T.サール | カワサキ | 293 |
3 | J.バン・ホービーク | KTM | 268 |
4 | J.ローランツ | カワサキ | 204 |
5 | M.アンスティ | Honda | 191 |
6 | J.ティクシー | KTM | 187 |
19 | A.トンコフ | Honda | 55 |
29 | R.ジャスト | Honda | 9 |
41 | T.ヴィラルディ | Honda | 3 |
42 | E.アームストロング | Honda | 3 |
45 | A.マンキューゾ | Honda | 2 |
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 330 |
2 | カワサキ | 316 |
3 | ヤマハ | 197 |
4 | Honda | 195 |
5 | スズキ | 156 |
6 | ハスクバーナ | 134 |
7 | TM | 9 |