round 04

May 22 2011
FIM Motocross World Championship Brazil
第4戦 ブラジル

ブラジルGPでド・ディッカーがHonda勢の最上位に

全15戦で行われるFIMモトクロス世界選手権第4戦ブラジルGPが、超満員のインダイアトゥーバ・サーキットで行われ、MX1クラスではダビド・フィリッパーツ(ヤマハ)が今季初優勝を挙げた。Honda勢の中で最も好成績を収めたのは、暑く苛酷な日を総合7位で終えた、LS Honda Racingのケン・ド・ディッカーだった。

普段はHondaの安全運転スクールとして使用されているコースはとてもコンパクトで、先週アメリカGPが行われたグレン ヘレンのスピード感と広大さとは好対照をなしていた。硬質な赤土のコースには数多くのジャンプとタイトコーナーが設けられ、ライダーにとってはスタミナを奪われる過酷なコースだが、観客にとってはスリリングなレイアウトになっている。

MX1クラスでは、またしても3〜4人による優勝争いが展開された。ド・ディッカーはトップグループからは離されたが、CRF450Rを6位/10位に導き、現時点では今季最高点の15点(6位)を獲得した。

Honda World Motocross Teamのイブジェニー・バブリシェフは、総合成績10位となった。ロシア人のバブリシェフは、先週カリフォルニアで開催されたアメリカGPでの表彰台登壇を再現することができなかった。主な原因は土曜日の予選でクラッシュしたため、スターティングゲート順が17番目になってしまったことである。レース1では転倒とエンストで8位、レース2では1コーナーで絡んでクラッシュしたため、彼は35分プラス2周をかけて11位まで猛然とばん回しなければならなかった。

バブリシェフに続く総合11位だったのが、チームメートのルイ・ゴンカルベス。彼は荒れた路面でいいリズムに乗ることができず、レース2でクラッシュ。ポルトガル人のゴンカルベスは、10位/13位だった。

LS Honda Racingのショーン・シンプソンにとっては、終日レーシングペースに届かない不本意な日となった。バブリシェフのようにシンプソンも予選レースで不運に見舞われ、難しい上り坂のスタートに臨むゲート選びの順番が21番目になってしまった。スコットランド人のシンプソンは、マニュエル・モッニ(Honda)に次ぐ総合16位となった。CRF450Rを駆る地元ライダーのトップは、リーダーボードの最後、20位に入ったロベルト・カストロ・ミランダ(Honda)だった。

  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • K.ド・ディッカーK.ド・ディッカー
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • E.バブリシェフE.バブリシェフ
  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス
  • R.ゴンカルベスR.ゴンカルベス

スウィアン・ザノーニ(Honda World Motocross Team)は、先週のアメリカGPが高くついたことを思い知らされた。負傷した手が痛すぎて、母国ラウンドのMX2クラスに出場できなかったからだ。ブラジルのヤングスターは、2週間後にシリーズがヨーロッパに戻ったらCRF250Rで復帰したいと考えている。エクトル・アサンサン・デ・フレイタスク(Honda)は、総合13位に入り観衆から称賛された。

全日程の1/3を消化しようとしている今、ランキング6位につけているバブリシェフはトップ5に食い込むために22点のビハインドをばん回しようとしている。ゴンカルベスはバブリシェフと2点差。ド・ディッカーとシンプソンも、15位と16位にランクインしている。

第5戦フランスGPは2週間後、サン・ジャン・ダンジェリで開催される。

コメント

ケン・ド・ディッカー(MX1 6位/10位 総合7位)「とてもつらくて難しい一日だった。抜きにくいコースだった。レース1では好スタートが決まったし、2人に抜かれたけれどスピードをキープできたので悪くなかった。でも遅いライダーをラップするときは、ミスをしないように気を付けなければならない。レース2では序盤から強い気持ちになれなかった。コースは食い付くところと滑りやすいところがあって、トラクションを見つけるのが難しかった。コーナーの次はジャンプ、そしてまたコーナーの次はジャンプというレイアウトだったので難しかった。これから先のGPでもっと好成績を収めるために、マシンのセッティングをさらに追求していきたいと思う」

イブジェニー・バブリシェフ(MX1 8位/11位 総合10位)「スタートがすべてだったのに、土曜日の予選で不運にも2回転倒してエンストさせてしまった。予選17番手というゲート順は、このコースのスタートでは不利だった。後方からもがいていったけれど抜くポイントがなかった。レース2では1コーナーでビッグクラッシュにあい、誰かに首の上をひかれたような気がした。起き上がっても目まいがして、自分のマシンを見つけられなかった。11位までばん回できたし、最初の20分間はよかったのだけれど、そこから先はスピードを失い、誰にも追い付けなくなってしまった。なぜだかわからない。不運な週末だったというしかない」

ルイ・ゴンカルベス(MX1 10位/13位 総合11位)「大変な週末だった。レース1ではスタートに失敗したので、最初の2周で思いきりばん回を試みた。10位まで上がったけれど、もっと上にいけるスピードがなかった。土曜日は腕あがりに悩まされたけれど、今日はそんなことはなかった。レース2ではもっといいスタートが切れたけれど、丘の上のウエイブでフロントとリアを別々のワダチに入れてしまい、前方へ放り出されてしまった。20位あたりまで下がったあとは転倒の影響でペースを上げられなかった。その後スピードを取り戻したけれど、みんな同じペースで走っていた。いろいろ大変だったけれど、次のレースまでには2週間あるので修正は可能だ」

ショーン・シンプソン(MX1 13位/18位 総合16位)「土曜日、日曜日とずっとスピード不足で最悪のGP、昨日がその始まりだった。予選のスタートではほとんど最後尾近くだったし、ゲート順が21番目になってしまった。しかもレース2では誰かに自分のゲートを取られてしまった。不利な位置ではあったけれど、決勝のスタートは2回とも悪くはなく、トップ10付近に出ることができた。もし、もっと上位にいけたとしても、そこにとどまっていることはできなかっただろう。なぜかわからないが、リズムにのれなかった。レース1での13位は、自分のイメージ通りだったけれど、レース2ではもっと上位を狙っていた。ところが長い上り坂でミスをして大転倒してしまった。幸運にもケガはなかったし、トップライダーたちのペースに追いつこうとがんばることはできた」

スウィアン・ザノーニ(MX2 DNS)「世界選手権に出場するグランプリライダーとして、母国ブラジルに戻って来られたのはうれしい。実は開幕前に手を負傷したので、トレーニングは万全ではなかった。それにアメリカGPの直前にまた手を負傷し、痛みをこらえて出場したせいで、大事な自国グランプリを休むことになってしまった。この先の2週間でレーザー治療などを受けて、フランスGPに出場できるように治したい」

決勝

MX1(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
1222A.カイローリKTM39:14.114-
219D.フィリッパーツヤマハ39:16.235+02.121
3183S.フロサールヤマハ39:26.254+12.140
425C.デサールスズキ39:31.622+17.508
52M.ナグルKTM39:38.162+24.048
69K.ド・ディッカーHonda39:47.222+33.108
 
8777E.バブリシェフHonda39:52.304+38.190
10999R.ゴンカルベスHonda40:06.991+52.877
1324S.シンプソンHonda40:28.619+1:14.505
1613M.モッニHonda40:59.318+1:45.204
20119R.カストロ・ミランダHonda39:17.066+1Lap
21114L.シルビアHonda39:39.584+1Lap
22411J.パウリーノ・ダ・シルバHonda40:08.293+1Lap
24151M.フェレイラ・デ・リマHonda40:54.701+1Lap
25180G.ジャンティHonda39:19.908+2Laps
28150G.ペレイラ・ド・アマラルHonda39:23.165+2Laps
35531F.ガッリガリHonda0:51.049+20Laps

MX1(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
119D.フィリッパーツヤマハ39:52.654-
2222A.カイローリKTM39:54.598+01.944
311S.ラモンスズキ40:17.499+24.845
425C.デサールスズキ40:22.503+29.849
5183S.フロサールヤマハ40:27.200+34.546
62M.ナグルKTM40:28.974+36.320
 
109K.ド・ディッカーHonda40:52.220+59.566
11777E.バブリシェフHonda40:56.612+1:03.958
13999R.ゴンカルベスHonda41:32.121+1:39.467
1513M.モッニHonda42:08.827+2:16.173
17119R.カストロ・ミランダHonda40:03.945+1Lap
1824S.シンプソンHonda40:25.658+1Lap
19411J.パウリーノ・ダ・シルバHonda41:18.207+1Lap
25150G.ペレイラ・ド・アマラルHonda41:44.654+2Laps
28180G.ジャンティHonda20:27.724+11Laps
30151M.フェレイラ・デ・リマHonda13:34.197+14Laps
31531F.ガッリガリHonda5:55.541+19Laps
32114L.シルビアHonda0:14.137+20Laps

MX2(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム
194K.ロクセンKTM39:15.768-
284J.ハーリングスKTM39:27.243+11.475
321G.ポーリンヤマハ39:40.893+25.125
4100T.サールカワサキ39:46.339+30.571
5338Z.オズボーンヤマハ39:48.902+33.134
699M.アンスティカワサキ40:05.812+50.044
 
15230H.アサンサン・デ・フレイタスクHonda39:53.279+1Lap
18118J.ラモスHonda40:12.254+1Lap
23128I.モンティチェッリHonda39:42.866+2Laps
25220A.ペレイロ・ド・アマラルHonda40:22.373+2Laps
26221E.アームストロングHonda40:49.951+2Laps
27223G.モンテネグロHonda29:01.831+7Laps
29222R.R.デ・カストロHonda0:19.276+20Laps

MX2(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム
184J.ハーリングスKTM40:16.791-
294K.ロクセンKTM40:23.124+06.333
321G.ポーリンヤマハ40:24.340+07.549
4100T.サールカワサキ40:25.372+08.581
5338Z.オズボーンヤマハ41:19.809+1:03.018
6430C.シャルリエヤマハ41:23.052+1:06.261
 
13230H.アサンサン・デ・フレイタスクHonda40:26.183+1Lap
16118J.ラモスHonda41:08.458+1Lap
23220A.ペレイロ・ド・アマラルHonda40:28.108+3Laps
26128I.モンティチェッリHonda16:06.950+13Laps
27222R.R.デ・カストロHonda7:09.402+17Laps
28221E.アームストロングHonda2:40.341+19Laps
ポイントスタンディング

ライダー(MX1)

順位 ライダー マシン ポイント
1C.デサールスズキ164
2M.ナグルKTM153
3A.カイローリKTM151
4D.フィリッパーツヤマハ138
5S.フロサールヤマハ132
6E.バブリシェフHonda110
 
7R.ゴンカルベスHonda108
15K.ド・ディッカーHonda58
16S.シンプソンHonda49
20C.クレイグHonda21
22M.モッニHonda13
28R.カストロ・ミランダHonda5
29G.シュミディンガーHonda4
31J.パウリーノ・ダ・シルバHonda2

マニュファクチャラー(MX1)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM176
2スズキ166
3ヤマハ164
4Honda125
5カワサキ106
6TM59

ライダー(MX2)

順位 ライダー マシン ポイント
1K.ロクセンKTM191
2J.ハーリングスKTM177
3T.サールカワサキ156
4Z.オズボーンヤマハ122
5G.ポーリンヤマハ120
6M.アンスティカワサキ116
 
22T.ベーカーHonda16
23M.カロHonda15
24H.アサンサン・デ・フレイタスクHonda14
26S.チャンピオンHonda9
27J.ラモスHonda8
34R.ジャストHonda2

マニュファクチャラー(MX2)

順位 マニュファクチャラー ポイント
1KTM200
2カワサキ160
3ヤマハ150
4Honda51
5ハスクバーナ40
6スズキ6
7TM1