Honda Riders Close Up ~ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー~

Moto3 リビオ・ロイ Leopard Racing

Moto3 リビオ・ロイ Leopard Racing
Profile
生年月日
1997/04/27
出身地
ベルギー
身長・体重
161cm・58kg
チーム(マシン)
Leopard Racing(NSF250RW)
2016年の成績
Moto3 総合18位
Vol.1

2013年に16歳でMoto3世界選手権へのフル参戦を果たして以来、ベルギー人ライダーのリビオ・ロイは、昨年までずっと1台体制のチームで過ごしてきました。ところが、Leopard Racingで戦う今シーズンは、初めてチームメートを得ました。そのチームメート、ホアン・ミルとロイは非常に仲がよく、2人の陽気な性格もあって、彼らが談笑などをして打ち解けている姿は、パドック内でよく見かけます。チームに自分以外の選手がいる利点について、ロイは以下のように説明します。

「僕はずっと一人のチームで走ってきましたが、そのころとは大きな違いがあります。今と比べると、なにをするにも2倍の時間がかかっていたと言えるでしょうね。今は、僕になにか問題が生じたり、チームメートが難題にぶつかったりした場合でも、2人で解決策を探っていくことができます。どちらかがなにかを見つければ、それを手がかりにして進んでいけばいいのですから、手早く楽に解決策を見いだしやすい、と言ってもいいでしょうね。これは僕にとって、とても重要なことです。また、チームメートがいることは、お互いにとって刺激にもなります。これも2台体制のいい効果だと思います」

ただし、セットアップや走行データを比較するとはいえ、ロイは161cm58kgであるのに対し、チームメートのミルは175cm60kgと、体格差があるのも事実です。

「僕たちはチームメートなのでデータをシェアしますが、彼の方が僕より身長も体重も上なので、単純な比較はできません。でも、例え同じではないとしても、セットアップを探る際には非常に便利であることは事実ですよ」

16年のロイは、シーズン序盤はポイント獲得圏内のギリギリでフィニッシュすることが多く、思い通りにいかないレースが続きました。

「厳しい一年でした。でも、がんばって前を見据えながら努力を続け、結果、後半に向けて少しずつよくなっていきました」

シーズン終盤の日本GPでは7位でゴール。次のオーストラリアGPでは、5位でチェッカーフラッグを受けました。その勢いを維持して迎えた今シーズンには、「大きな可能性を感じる」と話します。

「今年はチームにも恵まれているので、昨年よりも高水準の戦いができると思います。プレシーズンテストの走り出しから開幕戦までの流れを見ても、着実に進歩しています。だから今シーズンは本当に楽しみです。セッションごとにいつもよくなっていく手応えがあるので、本当に走るのが楽しみなんです」

長年Hondaマシンで走り続けているロイは、2017年型のNSF250RWにも大きな可能性を感じています。

「エンジンについては、とても満足しています。ライバルメーカーのマシンを楽にオーバーテイクできるのは強みですね。かなり戦闘力の高いマシンだと思います。あとは、完ぺきなセットアップを見いだすことができれば、結果はついてくるでしょう。車体に関しては、フロント周りに昨年と若干の違いを感じますが、戦闘力は極めて高いので、繰り返しになりますが、いいセットアップを見つければいいだけのことです」

戦闘力の高いマシンを得たロイの今シーズンの目標は、もちろん、トップ争いを繰り広げることです。

「僕の目標は、いつだってトップグループで争うことです。そして最終的に、ベストポジションに躍り出ることを狙っています。トップグループで争っていれば、優勝や表彰台の可能性はいつも自分の目の前にあります。それこそが、僕の目標です」

開幕戦のカタールでは12位。第2戦アルゼンチンは6位と、確実に上昇機運に乗っています。表彰台に立つロイの姿は、間もなく見ることができそうです。