今シーズン、Moto3クラスに参戦するルーキーは総勢10名。その中でも、Estrella Galicia 0,0のアーロン・カネットは、もっとも成長が期待されている一人です。
1999年9月30日生まれのカネットは現在16歳。プレシーズンからたびたび速いタイムを記録していましたが、開幕戦のカタールGPでは予選で2列目6番グリッドを獲得し、優れた才能に注目が集まりました。第2戦のアルゼンチンGPはトリッキーなコンディションのレースの中、4番手を争いながら激しいバトルを続けましたが、残念ながら終盤に転倒を喫してノーポイント。そして連戦となったアメリカズGPでは7位に入賞し、このレースではルーキー勢最上位となるリザルトを残しました。
彼が初めて二輪マシンに乗ったのは、3歳のときでした。すぐに夢中になり、スペイン国内のミニGPなどに出場。やがて連戦連勝を重ねるようになります。少年時代の彼の憧れのライダーは、マルコ・シモンチェッリでした。
「彼のアグレッシブなライディングが、すごく好きでした。だから、彼の乗り方、攻めるスタイルをだいぶマネしました。今では成長して乗り方もだいぶ変わったので、ライディングはもうあまり似ていないですけど。それでもシモンチェッリは今でも僕の大好きなライダーです」
今ではあまり似ていないと彼自身は話しますが、この3戦のレースを見る限り、全力でレースに臨む姿勢は、シモンチェッリのファイティングスピリットを確かに受け継いでいると言えます。
そんなカネットの将来の夢は、全クラスでチャンピオンを獲ること。若者らしい壮大な目標を胸に秘めています。
「数年後には、Moto3クラスのタイトルを獲りたいです。そのためにも、今年はルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得を目指しています。なので毎戦いいリザルト、できれば常にポイント圏内でフィニッシュしたいです」
夢が膨らむ16歳のカネットは、サーキットから離れれば友達と一緒に学校に通う普通の若者でもあります。
「そうなのですよ。なので、いつも忙しいです。でも学校よりもパドックにいるほうが楽しい。今はなによりレースに夢中ですから！」
開幕戦からの3戦を終え、いよいよ本格的なヨーロッパラウンドが始まります。第4戦の舞台はスペインのヘレスサーキット。カネットにとっては、走り慣れたコースです。そこで狙う結果はただ一つ、今季ベストリザルトです。
