モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート > vol.127

HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.127

マルケスが年間最多勝記録更新、Hondaは三冠達成

長く厳しいシーズンの戦いを締めくくる第18戦が、毎年恒例のバレンシア・サーキットで開催されました。スペイン出身の2014年チャンピオン、マルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)とチームメートのダニ・ペドロサ選手の両名にとって、母国で迎える年間最終戦だけに、最高の結果で締めくくりたい重要な一戦です。
決勝レースは、11月9日(日)現地時間午後2時に始まりました。マルケス選手は11周目にトップに立つと、以後は一度も前を譲らずに全30周のレースをだれよりも先にゴール。シーズン13度目の優勝を挙げました。ペドロサ選手も周回ごとに着々と順位を上げていき、3番手につけてからは安定感の高い走りで3位のチェッカーフラッグを受けました。この結果により、マルケス選手はミック・ドゥーハン氏の年間12勝という記録(1997)を更新し、シーズン過去最多となる13勝を達成しました。さらに、この両選手のリザルトにより、Repsol Honda Teamは2014年のチームタイトルを獲得。Hondaはライダー、コンストラクター、チームの三冠を達成しました。
また、今回のレースではMoto3クラスでマルク・マルケス選手の弟のアレックス・マルケス選手(Estella Garicia 0,0)が3位表彰台を獲得し、同クラスの王者の座に輝きました。
選手とチーム、スタッフが一丸となり、長いシーズンを戦い抜いた2014年シーズンの実り多き成果を、Repsol Honda Teamチーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−今日のMotoGPクラスの決勝レースは、いつコンディションが急変してもおかしくない状態で、難しい判断を迫られるレースになりましたが、そんな状況の中でも、マルケス選手は持ち前の能力を存分に発揮し、シーズン最多となる13勝を達成しました。

「今日のリザルトは、この2014年を締めくくるにふさわしい結末になりました。決勝レース中は、いつ雨が本格的に降り出してもおかしくない雲行きで、両選手が転倒してしまったアラゴンでの出来事が多少脳裏をかすめたのは事実です。しかし、今回は2人とも、非常にクレバーで適切な状況判断をしてくれました。その結果、マルクは年間13勝目を挙げ、ドゥーハン氏が保持していた年間最多勝記録を更新してくれたのです」

−ペドロサ選手も卓越した走りで、チームの両選手がダブル表彰台を獲得し、その結果、Repsol Honda Teamのチームタイトルが決まりました。

「ダニはここバレンシアでは、いつもすばらしいリザルトを残してくれています。今回も、彼なら必ずやってくれると我々は確信していましたよ。ダニはここ2戦、厳しいレースが続きましたが、今日はふたたび彼本来の高いパフォーマンスを発揮してくれたので、とてもうれしく思っています」

−今年はHondaとRepsol Honda Teamにとって、すばらしいシーズンになりました。一番思い出深いのはどのレースでしょうか。また、改善の余地があるなら、どこにありますか?

「今シーズンは数々のすばらしい出来事があったので、どれかひとつだけに絞るのは非常に難しいのですが、今日の最終戦はマルクがシーズン最多の優勝を飾り、弟のアレックスがMoto3クラスのチャンピオンを獲得してくれたので、間違いなく忘れがたい日になるでしょう」

−今日で2014年シーズンが終了し、明日からは2015年の戦いが始まります。新しいシーズンに向けた抱負を聞かせてください。

「最終戦が終わると早速、2015年プロトタイプでのテストをここバレンシア・サーキットで開始します。これは冬の間にマシンの改良と開発を進めるために、非常に重要なテストです。多くのデータを収集できるよう、テストを終了する水曜まで天候が持ってほしいと思います。
 今回の最終戦で、HondaはMotoGPクラスで三冠を獲得できました。常にベストを尽くした2人のライダー、HRCやHondaの全スタッフ、長いシーズンを見守っていただいたスポンサーの皆さま、マルケス兄弟を支えてくれたご両親、そしていつも声援を送ってくださったファンの皆さま。これらの心強いサポートにより、今シーズン、最高の成果を得ることができました。2015年シーズンも、我々はさらなる高みを目指して挑戦と努力を続けていきます。この一年間、本当にありがとうございました。そして、来年も引き続き応援をよろしくお願いします!!」

BACK