モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート > vol.122

HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.122

ペドロサが3位でフィニッシュし、ランキング2位を守る

シーズン2回目のイタリア開催となった、第13戦サンマリノGPがミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われました。会場の雰囲気をはじめ、過去のレース戦績などもライバル陣営に有利な傾向のあるサーキットですが、そんな中でもHonda勢は着々とセッションごとにセットアップを進め、日曜日の決勝レースに臨みました。Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサは2列目5番グリッドからのスタートでしたが、レース序盤から表彰台を争う位置につけ、全28周のレースを3位でチェッカー。16ポイントを獲得して年間ランキング2位の座をしっかりと守りました。チームメートのマルク・マルケスは、レース序盤にトップ争いを繰り広げたものの、10周目に転倒を喫してしまいます。最後尾でレースに復帰してからは、あきらめずに最後まで追い上げ続け、15位でフィニッシュして貴重な1ポイントを獲得しました。
 たとえ困難な状況でも、選手とチーム全員が一丸となって戦い抜き、確実に次のステップにつながる貴重な成果を得た今回のレースウイークを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−今回の第13戦では、Repsol Honda Teamが今シーズン初めて優勝を逃してしまいました。初日の金曜は雨の一日になりましたが、それがセットアップの煮詰めになんらかの影響を及ぼしたのでしょうか。

「それについてはなんとも言いがたいところですが、今回の戦いの舞台であるミサノ・サーキットはライバル陣営がいつにも増して強かったですね。そのような状況下でも、マルクは優勝を目指して戦ってくれましたし、ダニは3位表彰台を獲得してくれました。そう考えれば、けっして悲観的になることもないレースだったと思います。相手がいる戦いの中で毎戦勝ち続けることなど到底不可能ですから、いつかこういう日はやってくるものです。それに、今回の結果を受けて、HRC全スタッフの負けず嫌い魂はいっそう燃え上がっていますよ!!」

−それにしても、どうしてこのサーキットに限ってHonda勢はこんなに苦戦をするのでしょう?

「我々のバイクはブレーキングと立ち上がり加速に優れたマシンなのですが、このサーキットでは、ブレーキングはともかくとしても、コーナー立ち上がりの加速で、マルクもダニも苦労を強いられていました。技術スタッフたちがデータを検証し、その原因を必ず突き止めてくれるでしょう。来年のミサノでは、この問題を解決して必ずや力強い走りを披露してみせます」

−マルケス選手は、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)とホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)と激しいトップ争いを繰り広げている最中に転倒しましたが、限界を超えてしまったことが転倒の原因になったのでしょうか。

「私はそうは思いません。彼らはいつも限界で走っていますから。ここまでの13戦でたった1回の失敗、と考えれば、これは統計的にはすごいことだと思いますよ」

−ペドロサ選手は序盤になかなか抜け出せませんでしたが、やがてアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(ドゥカティ)を振りきり、終盤にはトップ2台とそん色ないラップタイムで周回していました。グリッドがよければ、優勝争いをできていたでしょうか。

「もちろん、ダニは間違いなくトップ争いを繰り広げてくれたと思いますよ。しかし、今日のレースに限って言えば、ロッシ・ロレンソ両選手のほうが我々よりもわずかに強さを発揮していたことは、正直に認めたいと思います」

−第14戦アラゴンGPは、ペドロサ選手もマルケス選手も得意にしているコースです。次戦に向けた抱負をお願いします。

「簡単ですよ、ダニとマルクが優勝争いをしてくれることです。もちろんそのために、我々は総力を結集して最高の結果を目指し、レースウイークを戦い抜きます。皆さまも、是非ともご声援と応援をよろしくお願いいたします」

BACK