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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.120

ペドロサ、今季初優勝!

チェコ共和国第2の都市ブルノの郊外にあるブルノ・サーキットで開催された第11戦チェコGPは、今シーズン屈指の手に汗握る展開になりました。開幕戦以来、破竹の10連勝を続けてきたRepsol Honda Teamのマルク・マルケスにとって、今回のチェコGPは11連勝のかかったレースであり、ほかのライダーたちにとってはだれがマルケスの快進撃を止めるのかという意味でも重要なレースでした。13万人を超す大観衆が見守る中、マルケスの11連勝をストップさせたのはチームメートのダニ・ペドロサでした。ここブルノはペドロサの得意コースだけに、6周目にトップに立つと、以後の周回ではレースを完ぺきにコントロール。持ち味の高い安定感を存分に発揮して今季初勝利。自らのバイクナンバーと同じ最高峰クラス26勝目を達成しました。マルケスは惜しくも表彰台を逃し、4位でチェッカーを受けましたが、依然として圧倒的な得点差でチャンピオンシップポイントをリードしています。開幕以来11連勝を記録したRepsol Honda Teamの今回のレースウイークの戦いを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−開幕以来、マルケス選手は快進撃を続けていましたが、その記録がついにとだえました。しかし、それをやってのけたのは、チームメートのペドロサ選手でした。

「ダニとチームスタッフは、とてもよくがんばってくれました。2012年も、ダニはここブルノ・サーキットで劇的な勝利を収めてくれましたが、今回の勝利もそれに匹敵するほどの興奮に満ちたレースでした。一方のマルクにとっては、MotoGPクラスの完走したレースで初めて表彰台を逃す結果になりましたが、遅かれ早かれ、そういう日はやってきます。MotoGPのような世界最高レベルのレースでは、毎戦勝ち続けるということ自体がそもそも非常に難しいことなのですから」

−ペドロサ選手が卓越した能力を発揮して優勝したことにより、Repsol Honda Teamにとっては開幕以来無傷のレースが続いています。

「11戦11勝ですね。これが過去の記録と比較してどうなのかというところまでは分かりませんが、喜ばしいリザルトであることは事実です。HRCの全スタッフと、チームに関わってくださる関係者の皆さまに感謝をしています。RC213Vが今後もライバルが脅威を感じるマシンとなり続けるように、全員の力を結集してこれからも努力を続けたいと思います」

−それにしても、今日のレースでマルケス選手はどうしてあんなに苦戦をしていたのでしょうか。

「あれほどの高いレベルでの戦いになると、セットアップのごくわずかの不一致が、レースで大きく後れを取る原因になってしまいます。逆に言えば、それくらいにハイレベルな戦いをマルクはずっと続けている、ということでもあるのです」

−明日は事後テストが行われますが、どんなメニューを予定しているのですか。

「2015年のプロトタイプを走行させます。また、マルクに関しては、今日の決勝レースでうまくいかなかったセットアップの改善とフィーリングの向上を目指して、改良点を見つけることも必要ですね。やるべきことは、山のようにありますよ」

−第12戦イギリスGPはシルバーストーン・サーキットでの開催です。マルケス選手が復調を果たすのか、あるいはペドロサ選手がこの勢いで連勝モードに入るのか、どんなレースになりそうですか。

「ひとつハッキリと言えることは、次のレースもすばらしい戦いになるだろう、ということです。マルクは復活を目指してレースに臨みますし、ダニはそれを再び阻止するために連勝を狙います。強力なライバルであるロレンソ選手やロッシ選手も勝利を目指し、我々の前に立ちふさがることは確実です。ファンの皆さまにとっては、間違いなくスリリングなレースになるでしょう。我々はその戦いで勝利を収めるべく、全力で戦います。引き続き皆さまのご声援を、何卒よろしくお願いいたします」

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