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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.119

マルケス、10戦10勝を達成

約3週間の休みを挟んだシーズン第10戦は、アメリカのモータースポーツの聖地「ブリックヤード」こと、インディアナポリス・モータースピードウェイで開催されました。いくつかのコーナーが改修され、長年課題であった路面にも再舗装が施されたこのコースで、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスは終始安定し、金曜からのセッションを積み重ねていきました。土曜の予選ではポールポジションを獲得。日曜の決勝レースは中盤周回以降にトップに躍り出ると、あとは危なげない安定感を存分に発揮してトップでチェッカー。開幕戦以来無敗の10連勝を達成しました。一方、チームメートのダニ・ペドロサは4位でゴールし、ランキング2位の座をしっかりと守っています。サマーブレイクを挟んでも高いモチベーションを維持し、最高の結果を得るためにチーム全員が一丸となって取り組んだこの週末の戦いを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−マルケス選手は今回の勝利により、10戦10勝を達成しました。傍目から見るほど、これは決して簡単なことではないと思うのですが……。

「それぞれ毎戦、厳しい勝負が繰り広げられているわけですからね。勝って当然などと思ったことは一度もありません。毎回の勝利は全力を尽くした結果、薄氷を踏むような思いで獲得した優勝なのです。今日のマルクは、抜群のタイミングで勝負をしかけ、完ぺきなレース運びで勝利をつかみました」

−一方のペドロサ選手は、苦戦を強いられていたようにも見えましたが、そんな状態でも4位フィニッシュ。まずは上々、と言うべきでしょうか。

「悪くないレースウイークだったといえるのではないでしょうか。ここインディアナポリス・モータースピードウェイでは、ダニに好リザルトを期待していたのは事実です。過去には優勝も経験していますし、いつもいい走りをしてくれていますからね。しかし、今回はいいセットアップを見つけるのに少し苦労をしてしまいました。彼くらいのレベルになると、そういうことも時にはあることなので、データをよく検証して、次のレースに万全の形で備えたいと思います」

−今回のレースウィークでは、レディング選手が高い能力を発揮し、オープンカテゴリーで最上位リザルトとなる9位でフィニッシュしました。

「スコットが力強い走りを披露してくれて、とてもうれしく思っています。土曜日の予選ではQP1からトップタイムでQP2へ進出し、ファクトリー勢に混じって11番グリッドを獲得してくれました。安定して高い水準で走るスコットは、順調にMotoGPクラスへ順応しています。今後のレースでは、もっと活躍をしてくれると思いますよ」

−次戦は2週連続開催のチェコGPブルノ・サーキットです。ブルノでは、サマーブレイク直前にテストを実施しましたが、そこで得られたデータはレースウイークに有利に活用できそうですか?

「テストのときの路面は、グリップレベルも低く、走行していた選手の数がそもそも少なかったので、そのときのデータをレースウイークに生かせるかどうかはなんとも言いようがない、というのが正直なところです。とはいえ、チーム全員の士気は高く、戦闘準備は整っています。万全の状態で戦い、最高の結果を得るために、次のチェコGPでもスタッフと選手が一丸となってレースウィークに臨みます。皆さまも一層の応援を是非ともよろしくお願いします」

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