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RCV1000R 始動

Honda RCV1000R

Honda RCV1000R

RCV1000R メーター類

RCV1000R メーター類

RCV1000R 燃料タンク周辺

RCV1000R 燃料タンク周辺

RCV1000R クランク周辺

RCV1000R クランク周辺

RCV1000R フロント部

RCV1000R フロント部

STEP 1

RCV1000Rとは?

RCV1000Rは、MotoGPクラスで今年から採用される「オープンカテゴリー」という区分のレギュレーションに合致するよう開発されたマシンです。



昨年までのMotoGPクラスには、各ファクトリーが開発する「プロトタイプマシン」と、量産車を改造したエンジンをオリジナルフレームに搭載した「CRTマシン」という2種類のカテゴリーが存在していました。このCRTマシンは、プライベートチームがよりリーズナブルな経費で最高峰クラスへ参戦しやすくすることを目的としていましたが、戦闘力の面ではプロトタイプ勢とは大きな格差があったのも事実です。



今年から始まった「オープンカテゴリー」は、“リーズナブルな経費での参戦”という点でこのCRTマシンを踏襲しつつ、さらなるパフォーマンス向上を狙ったもので、独自に開発したECU(Engine Control Unit:電子制御)ソフトを使用するファクトリーオプションに対して、公式に配布される共通ECUソフトを使用するものがオープンカテゴリー、という区分になります。



ファクトリーオプションの場合は、シーズン18戦を通じて開発が凍結された5基までのエンジン使用と燃料容量20リットルという厳しい制限を課せられますが、オープンカテゴリーの場合は開発に制限を課せられない12基までのエンジン使用と燃料容量も最大24リットル、とより緩やかな制限になっています。このオープンカテゴリーの要件をクリアしたHonda RCV1000Rは、パフォーマンス面で大きな差があったプロトタイプとCRTマシンの溝を埋めるべく、Hondaが開発を進めてきたマシンです。



すでに発表されている通り、車体のジオメトリーはファクトリーマシンのRC213Vとほぼ同様ですが、RC213Vの場合は上述のようにECUにHRCの独自開発ソフトウェアを採用しているのに対し、RCV1000RはMotoGPの主催者であるDORNA(ドルナ)が配布する公式ECUソフトウェアを使用しています。



そして、RCV1000Rのバンク角90度V型4気筒エンジンは、バルブスプリング方式で最高出力175kW以上/16,000rpmを発生し、トランスミッションにはコンベンショナル方式を採用しています。ライダー1名あたりに供給されるパッケージは、マシン2台とスペアエンジン2基です。これらのエンジンをメンテナンスし合計12サイクル使用することにより、年間12基というオープンカテゴリー用のレギュレーションに対応しています。