Round17オーストラリアオーストラリアGP

MotoGP

2019.10.27(日)

フィリップアイランド・サーキット
天候:曇り  気温:16℃
コースコンディション:ドライ
観客:3万4.900人(3日間:8万2.850人)

第17戦 オーストラリアGP

マルク・マルケス今季11勝目を達成。
カル・クラッチローが2位になり今季3回目の表彰台を獲得する。

日本GPからの連戦となった第17戦オーストラリアGPは、予選3番手から決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、ポールポジション(PP)スタートのマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との間で繰り広げられた一騎打ちを制し、今季11勝目を達成しました。これでマルケスは最高峰クラスで55勝を達成、Hondaで5回のタイトルを獲得したミック・ドゥーハン氏の記録をブレイクしました。

今大会は、土曜日の予選が強風のためにキャンセルとなり、決勝日のウォームアップが終わった後に予選が行われる変則スケジュールとなりました。金曜日、土曜日とドライコンディションでタイヤテストがしっかり消化できていないマルケスは、ウォームアップ、それに続く予選でタイヤテストに集中し、3番グリッドを獲得しました。

迎えた決勝では、フロントにハード、リアにソフトを選択。「リアのソフトはちょっとギャンブルだった」と語るマルケスですが、スタートに失敗した序盤の遅れを取り戻すと、5周目にはカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)に続いて2番手に浮上。その後、PPスタートのビニャーレス(ヤマハ)がマルケス、そしてクラッチローと続けてパスして首位に浮上すると、すかさずビニャーレスを追撃して一騎打ちとなりました。戦いは最終ラップまでもつれ込み、27周目のストレートでビニャーレスをかわしたマルケスは、ビニャーレスの追撃を振り切って、真っ先にチェッカーを受けました。

マルク・マルケス

第15戦タイGPでマルケスは9勝目を挙げてライダースタイトルを獲得。第16戦日本GPでは10勝目を挙げて、Hondaがコンストラクターズタイトルを獲得しました。そして今大会、マルケスが11勝目を挙げたことで、Repsol Honda Teamは、チームランキングで首位のドゥカティに1点差に迫りました。

最終ラップに、先行したマルケスを追撃したビニャーレスが転倒したことで、単独3番手を走行していたクラッチローが2位でフィニッシュ。今季3回目の表彰台を獲得しました。不安定なコンディションとなった金曜日のフリー走行で3番手につけたときに「表彰台に立てる」という自信を得たというクラッチローですが、4周目にトップに浮上すると9周目まで首位を走り、ファンを喜ばせました。

右肩の手術のため終盤の3戦を欠場することになった中上貴晶の代役として初めてRC213Vに乗ったヨハン・ザルコ(LCR Honda IDEMITSU)は、不安定な天候が続くという厳しい条件の中でのデビュー戦となりましたが、14番グリッドから好スタートを切って13位でフィニッシュ。ポイントを獲得しました。次戦マレーシアGP、最終戦バレンシアGPに向けて大きな期待を抱かせる走りでした。

不安定なコンディションに翻弄されたホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、予選19番手、決勝16位と、思うような走りができませんでした。今大会は雨と強風に苦しみました。ケガから復帰して今大会が6戦目となりますが、復帰してからもっとも悪い内容に厳しい表情でした。

 

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
マルク・マルケス「悪天候が影響するクレイジーな週末でした。マーベリックはとても速い走りをしていましたが、ついていくことができました。そして、優勝に向けて少しずつ攻めていきました。マーベリックは全力でプッシュしていました。とても速いペースでしたが、4周か5周ついていったときに、今日は優勝も可能だと感じました。限られた時間でRepsol Honda Teamはすばらしい仕事をしてくれました。リアにソフトタイヤを選び、少し賭けに出ました。最後は限界の走りでしたが、優勝することができました。Hondaとともに55勝目をあげることができてとてもうれしいです。Hondaファミリーとチームとともにこの瞬間を楽しむことができて興奮しています」

カル・クラッチロー(MotoGP 2位)
カル・クラッチロー「金曜日のフリープラクティスがどんな結果であっても、今大会は表彰台に上がれるペースがあると思っていました。表彰台に向けて一生懸命がんばりました。これで1年で3回表彰台に上がることができました。マーベリックが転倒してしまったのは残念ですが、彼が転倒しなくても表彰台に上がっていたと思います。今日のペースには満足しています。マルクやマーベリックについていけるようなグリップもマシンもありませんでした。そのためかなりギャップが開きましたが、自分のペースには満足しています。残り5周になったときにリアタイヤをうまくコントロールしなければなりませんでした。最終ラップは雨が降り始めました。昨年のケガを考えたら、今年ここで表彰台に上がることができてとてもうれしいです。一時は戻ってくることもできないかもしれないと思いました。Hondaとともにすばらしい仕事をしてくれたクルーに感謝しています。彼らのおかげで表彰台に上がることができました。今日はLCR Honda CASTROLの努力が報われました。マーベリックが2位になるはずでしたが、こうして2位になることができたのはラッキーでした。今日は友達のジャック(ミラー、ドゥカティ)と一緒に表彰台に上がることができてとてもうれしいです」

ヨハン・ザルコ(MotoGP 13位)
ヨハン・ザルコ「今日のレースはとてもおもしろく、そしてうれしい結果となりました。Hondaで走る初めてのレースでした。ポル・エスパルガロとバトルとなりました。序盤から彼を何度もオーバーテイクしました。しかし、彼も僕をオーバーテイクして行かせようとしませんでした。そのため僕たちのペースは落ちることになり、前の集団と少しずつ離れていきました。彼とのバトルがなければ前の集団についていくことができたと思います。とにかく今日は多くのことを学ぶことができました。金曜日からマシンを理解しようと努めましたが簡単ではありませんでした。天気が悪く、ドライコンディションでほとんど走ることができませんでした。今日は27周走ることができました。13位という結果はあまりよくありませんが、マシンをうまくコントロールするためには時間が必要です。カルはすばらしい仕事をしました。マルクは優勝しました。とにかく僕もいろいろ学ばなければならないし、それが出来れば結果もついてくると思います」

ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 16位)
ホルヘ・ロレンソ「ここに来る前は苦戦すると思っていましたが、いろいろ状況が変わり、速く走れるのではないかと期待もしました。しかし、FP1から強風と寒さに苦しみました。アッセンのケガから戻ってから一番悪い結果です。残念ながらこれが現実です。マレーシアが普通のコンディションなら。僕と相性がいいサーキットなので、もてぎの時のペースに戻れると思います」

MotoGP リザルト

予選

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 12 M.ビニャーレス ヤマハ 1'28.492
2 20 F.クアルタラロ ヤマハ 1'29.043
3 93 マルク・マルケス Honda 1'29.216
4 46 V.ロッシ ヤマハ 1'29.243
5 9 D.ペトルッチ ドゥカティ 1'29.339
6 35 カル・クラッチロー Honda 1'29.535
7 41 A.エスパルガロ アプリリア 1'29.558
8 29 A.イアンノーネ アプリリア 1'29.581
9 43 J.ミラー ドゥカティ 1'29.615
10 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ 1'29.667
11 21 F.モルビデリ ヤマハ 1'29.716
12 42 A.リンス スズキ 1'29.947
以下Q1    
13 36 J.ミル スズキ 1'29.712
14 5 ヨハン・ザルコ Honda 1'30.008
15 63 F.バニャイア ドゥカティ 1'30.075
16 17 K.アブラハム ドゥカティ 1'30.165
17 44 P.エスパルガロ KTM 1'30.180
18 82 M.カリオ KTM 1'30.495
19 99 ホルヘ・ロレンソ Honda 1'31.179
20 55 H.シャーリン KTM 1'31.285
21 53 T.ラバト ドゥカティ 1'31.941

決勝

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 93 マルク・マルケス Honda 40'43.729
2 35 カル・クラッチロー Honda +11.413
3 43 J.ミラー ドゥカティ +14.499
4 63 F.バニャイア ドゥカティ +14.554
5 36 J.ミル スズキ +14.817
6 29 A.イアンノーネ アプリリア +15.280
7 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ +15.294
8 46 V.ロッシ ヤマハ +15.841
9 42 A.リンス スズキ +16.032
10 41 A.エスパルガロ アプリリア +16.590
11 21 F.モルビデリ ヤマハ +24.145
12 44 P.エスパルガロ KTM +26.654
13 5 ヨハン・ザルコ Honda +26.758
14 17 K.アブラハム ドゥカティ +44.912
15 55 H.シャーリン KTM +44.968
16 99 ホルヘ・ロレンソ Honda +1'06.045
RT 12 M.ビニャーレス ヤマハ +1Lap
RT 82 M.カリオ KTM +3Laps
RT 53 T.ラバト ドゥカティ +24Laps
RT 20 F.クアルタラロ ヤマハ -
RT 9 D.ペトルッチ ドゥカティ -

MotoGP ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1 93 マルク・マルケス Honda 375
2 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ 240
3 42 A.リンス スズキ 183
4 12 M.ビニャーレス ヤマハ 176
5 9 D.ペトルッチ ドゥカティ 169
6 20 F.クアルタラロ ヤマハ 163
7 46 V.ロッシ ヤマハ 153
8 43 J.ミラー ドゥカティ 141
9 35 カル・クラッチロー Honda 133
10 21 F.モルビデリ ヤマハ 105
11 44 P.エスパルガロ KTM 89
12 36 J.ミル スズキ 77
13 30 中上貴晶 Honda 74
14 41 A.エスパルガロ アプリリア 53
15 63 F.バニャイア ドゥカティ 50
16 29 A.イアンノーネ アプリリア 43
17 88 M.オリベイラ KTM 33
18 5 ヨハン・ザルコ Honda 30
19 99 ホルヘ・ロレンソ Honda 23
20 53 T.ラバト ドゥカティ 18
21 6 ステファン・ブラドル Honda 16
22 51 M.ピッロ ドゥカティ 9
23 55 H.シャーリン KTM 8
24 50 S.ギュントーリ スズキ 7
25 17 K.アブラハム ドゥカティ 7
26 82 M.カリオ KTM 2
27 38 B.スミス アプリリア 0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 Honda 381
2 ドゥカティ 286
3 ヤマハ 276
4 スズキ 212
5 KTM 100
6 アプリリア 78

チーム

順位 チーム 総合ポイント
1 Ducati Team 409
2 Repsol Honda Team 408
3 Monster Energy Yamaha MotoGP 329
4 Petronas Yamaha SRT 268
5 Team SUZUKI ECSTAR 264
6 LCR Honda 210
7 Pramac Racing 191
8 Red Bull KTM Factory Racing 118
9 Aprilia Racing Team Gresini 96
10 Red Bull KTM Tech 3 41
11 Reale Avintia Racing 25

ランキング詳細

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