Vol.188 Round 07

マルケスが2位表彰台に登壇しランキング首位の座を堅持

第7戦カタルニアGPは、予選2番手から好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が2位でフィニッシュ。優勝は逃しましたが、3年連続2位でチェッカーを受け、総合2位で今大会3位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とのポイント差を23から27へと広げました。

前戦イタリアGPに続き、今大会もタイヤに厳しいコンディションに。気温も路面温度もレースウイークを通して最も厳しい状態の中、前後ハードコンパウンドのタイヤを選択したマルケスは序盤から快調にラップを重ねましたが、このサーキットを得意とするドゥカティとホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)にはわずかに及びませんでした。

前戦イタリアGPで転倒し、再スタートを切るもノーポイントに終わっているマルケスは、ロレンソを逆転するのはリスクが大きいと判断。レース中盤に3位以下に大きなリードを築いたことで、2位をキープする作戦にスイッチしました。ノーポイントに終わった前戦イタリアGPの教訓もあり、着実にフィニッシュしてポイントを獲得しました。

ヨーロッパラウンドに入ってから、スペインGP、フランスGP、イタリアGP、カタルニアGPと続いた4戦は、どちらかと言えばマルケスがこれまで苦手としてきたサーキットでした。マルケスにとってはシーズン前半最大の山場でもありましたが、2勝2位1回という好リザルトで乗り越え、3年連続5回目のタイトル獲得に向けて、また一歩前進を果たしました。

チームメートのダニ・ペドロサは、表彰台争いには加われませんでしたが5位でフィニッシュしました。レースウイークを通して好天が続いた今大会。タイヤに厳しいコンディションとなり、ペドロサはフリー走行、予選と苦戦を強いられました。しかし、前後ミディアムコンパウンドのタイヤを選択して挑んだ決勝では、し烈な4位争いに加わって最終的に5位でフィニッシュと、復調をアピールするレースになりました。

Repsol Honda Teamにとっては第4戦スペインGPに続いて今季2回目のホームグランプリでしたが、マルケスが総合首位をキープ、ペドロサが復調をアピールと、大きな成果を得られた大会となりました。

また、LCR Honda CASTROLから参戦したカル・クラッチローは4位でフィニッシュしました。予選10番手からスタートしたクラッチローは、ペドロサ、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)らと厳しい戦いを繰り広げ、その戦いを見事制しての4位入賞となりました。

イタリアGPの開催されるムジェロ、カタルニアGPが行われるカタロニア・サーキットは、どちらもキャラクターの似ているサーキットです。加えて今年は天候に恵まれたことから、タイヤに厳しいレースとなりました。前戦イタリアGPに続いて厳しい戦いとなりましたが、今大会は地元ファンの声援を受け、チャンピオンシップでまた一歩前進。26台が出場、完走14台という厳しい戦いの中で健闘を見せたHonda勢の戦いを、アルベルト・プーチ監督が振り返ります。

―カタルニアGPの戦略はどういうものでしたか?

「マルクとダニが違うタイヤを使ってスタートしたので、タイヤがどう機能するのかを理解しなければなりませんでした。今年もドゥカティが速かったので、難しいレースでしたね。いずれにしても、最後までタイヤをいいかたちでキープすることが一番の戦略でした」

―今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ダニのグリッドポジションはあまりよくありませんでしたが、いいスタートを切ったことで、状況はかなりよくなりました。マルクはチャンピオンシップで、総合首位をキープできました。そして、彼の一番のライバルであるドヴィツィオーゾは、今日は完走できませんでした(総合8位にダウン)」

―レース中、ピットウォールから見ていた感想をお聞かせください。

「天候がよくて路面温度が高い一日でした。タイヤは路面と天気の影響を受けるので、予想するのがとても難しいレースでした。その中でマルクが2位、クラッチローが4位、そしてダニが5位を獲得。Hondaのために、すばらしい結果を残すことができました」

―今大会のサイドストーリーを教えてください

「今大会は、先週亡くなった若きライダーのアンドレアス・ペレス選手を讃える週末でした。また、2年前に亡くなったルイス・サロム選手をしのびました。12コーナーには彼の大きな壁画があり、そのコーナーはルイス・サロム・コーナーと呼ばれています」

戦いを終えたRepsol Honda Teamは、決勝レースの翌日、カタルニア・サーキットで行われた公式テストに参加しました。レースウイークでトライできなかったセッティングやニューパーツのテストを行い、これからの戦いに向けて準備を進めています。

シーズン前半戦は残り2戦で、オランダGPとドイツGPが控えています。この戦いでマルケスは、今季4勝目、5勝目を狙い、ペドロサは今季初表彰台と初優勝に全力でトライします。

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