Vol.184 Round 03

マルケスがチームに今季初の勝利をもたらす

第3戦アメリカズGPは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、フリー走行、予選、ウォームアップとすべてのセッションでファステストラップを刻み、圧倒的な速さを披露。決勝でもオープニングラップに首位に浮上すると、20周のレースで一度も首位を譲ることなく真っ先にチェッカーを受けました。

予選では、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)選手の走行を妨害したとして3グリッド降格のペナルティーを受けました。最初のアタックで転倒を喫したマルケスは、ピットに戻り、セカンドバイクで再びコースイン。その際にアタック中だったビニャーレス選手が接近してきていることに気が付かないというミスでしたが、ポールポジション(PP)の史上最多記録数を更新中のマルケスは、これでPP記録を74としました。

ペナルティーのため、決勝レースでは2列目からスタートしたマルケスですが、1コーナーで2番手に浮上すると、コース中盤で早くもトップに浮上。オープニングラップからライバルを圧倒するペースで快走します。そして前半を終えて大きなリードを築くと、後半は7秒前後のリードをキープしながらのクルージング。圧倒的な速さで今季初優勝を達成し、ポイントランキングでも総合5位から2位へと浮上しました。

前戦アルゼンチンGPで他者と接触転倒、右手首を負傷したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、レースウイークを通じて、痛みをこらえながらも熱走を見せました。予選は9番手。決勝では、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、ヨハン・ザルコ(ヤマハ)らによる5位争いの集団に加わり、7位でフィニッシュしました。走れるかどうか分からない状態でアメリカズGPに挑んだペドロサの今大会の目標は「完走ポイント獲得」でしたが、それを見事に達成してファンを喜ばせました。

前戦アルゼンチンGPで今季初優勝を達成、総合首位で今大会を迎えたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、予選7番手から決勝に挑みましたが転倒。再スタートを切りますが最終的に19位フィニッシュという残念なレースでした。ノーポイントに終わったクラッチローは総合4位へダウン。予選13番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、予選12番手のポル・エスパルガロ(KTM)が予選中のペナルティーで3グリッド降格となったため、12番グリッドから決勝に挑み、2戦連続のポイント獲得となる14位でフィニッシュしました。

Repsol Honda Teamとしては今季初優勝を達成した第3戦アメリカズGPを、アルベルト・プーチ監督が振り返ります。

アメリカズGPの戦略はどういうものでしたか?

「今日の戦略は、いいスタートを切り、問題を避けて、力強いペースにまとめることでした。マルクの力強いペースにほかのライダーたちがついていくことのは厳しいだろうということは分かっていました。彼はハードリアタイヤを選んだので、序盤に問題が出てもおかしくありませんでしたが、しっかりまとめてくれました。ダニの場合は、目標はレースを完走することでした。彼は痛み止めを使い、レース序盤はかなりいい走りをしていました。いい集団にいて、後ろのライダーたちとの距離を保ちました。彼にとってはとても厳しい週末になりましたが、結果的にとてもポジティブな週末になりました」

今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ポジティブなことはマルクが優勝したことと、ダニがしっかり完走したことです。2人とも、今日は勇敢でした。オースティンでの週末にネガティブなことは一つもありませんでした」

レース中、ピットウォールから見ていた感想をお聞かせ下さい。

「今日は楽なレースになると思いましたが、そうではありませんでした。マルクのようなライダーが一人でレースをリードしていたとしても、フィニッシュラインまでなにが起きてもおかしくないので、落ち着ける瞬間は決してありませんでした」

今大会のインサイドストーリーを教えて下さい。

「木曜日にアルパインスターが大きなパーティーを開き、55周年を祝いました。私たちもライダーたちと一緒に行きました」

第3戦アメリカズGPを終えたRepsol Honda Teamは、2週間のインターバルを経て、第4戦スペインGPに挑みます。Repsol Honda Teamにとっては、メインスポンサーであるRepsolのホームレース。そして、マルク・マルケス、ダニ・ペドロサの両選手にとってもホームレースとなり、地元ファンの熱い声援の中で、大会が開催されることになりそうです。

昨年はペドロサが優勝、マルケスが2位とRepsol Honda Teamが1-2フィニッシュを果たしているだけに、今年は2年連続での1-2フィニッシュを目指します。

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